このお話は、私がその昔書いていたブログ”優しい羽”で公開していた記事です。

(2006年2月14日公開)

このブログ”優しい羽RE:BORN”の前身にあたるブログです。

 

今はもう忘れてしまった、昔々の甘酸っぱいオハナシです。

よかったら少しの間お付き合い下さいませ。

 

”優しい羽”に関しましては、今後少しずつ語らせて頂きたいと思います。

 

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今日は、ほんの少しだけ真面目に若かりし頃の懐かしい思い出をお話したいと思います。

最近ある事をきっかけに私の心の『ヒキダシ』が開き、その中に眠っていた過ぎし日々の記憶が甦りました。
すると、歳をそして経験を重ねていくことの代償として消え去ろうとしていた甘酸っぱい感情が込み上げて来て軽く私の胸を締め付けました。

・・・正直、戸惑いました。
まだこんな青い感情が自分にも残っていたなんて・・・

もしかしたらまだ私の中では、その『美しい想い出』は終わってなかったのかも知れません。
今更そのことを考えても何も始まらないと言うことは充分解っています。
ただ、自分の気持ちに区切りを付けたい・・・・ただそれだけです。

気付かずに刺さったままになっていた心のトゲを抜き去り、『あの日』のまま止まった時を再び動かしたい・・・・そう思いました。

この記事を書いているのが深夜という事もあり少し感傷的になっています。
そして込み上げる想いを抑えきれない私がいます。

きっとこの記事を書き終える頃には、時が止まったままのこの『思い出』を心のアルバムに整理して貼り付け、笑いながら話す事が出来る様になっている自分がいる筈です。

だから、今日は少しの間だけ私にお付き合い下さい。
そして皆さんの『過ぎし日々の想い出』と重ね合わせてみて頂けると幸いです。




恋愛経験も少なく『別れる』という事に免疫が無かったあの頃、1年位付き合ってた彼女と別れが訪れ相当落ち込んでいた時期がありました。

悩み落ち込み自分を責めその内だんだんと煮詰まってしまい、気が付くといつの間にか身動きが取れなくなっていました。

『このままじゃいけない・・・前に進まなきゃ』

ようやくそう思い、それまでどうしても捨てる事が出来なかった『彼女との思い出の品』を捨てる事を決心したのでした。
それは、本当に純粋だったあの頃の自分にとって凄く勇気がいる事だったんです。

その『思い出の品々』を、彼女との様々な思い出と共に箱に詰め込んで向かった先は『海』
私の家から、車で1時間半ほど離れた場所に『思い出』を捨てたい海があったんです。
そこは観光スポットになっている小さな波止場

―――彼女との大切な思い出の場所―――

他に近くに海はありましたが『彼女との思い出』を捨てるのならそこしか考えられませんでした。

深夜に車を走らせ、今はもう誰もいない寂しげな助手席の向こう側の窓
流れる景色と共に『思い出のカケラ』も流れ去って行きます。
カーステレオから聴こえてくる悲しいバラードにのせて・・・

潤む瞳を必死にこらえつつ、昔より少しだけ遠く感じた『思い出の海』
このまま『美しい思い出』を抱えたまま走り続けたかった・・・
そして『あの頃』にたどり着きたかった・・・

しかし時は残酷なもの・・・・
永遠に感じた長い長い道のりも終わりを告げ思い出を載せた車は時が止まったままの『あの場所』へ・・・
意識的に避けそこに来るのは『あの時』以来だったのです。
懐かしいとはどこか違う感情が私を包み込んでいきました。

そして重い体を引きずるように車を降り深夜の誰もいない海へ・・・
引き止める心をおさえつつ一歩一歩踏みしめる様に歩いて行きました。
誰もいない道をただ一人・・・左腕に少し寒さを感じながら・・・

ようやくその『思い出の海』にたどり着いた時、溢れる感情を抑えきれず涙が流れ出しました。
そして今まで感じる事のなかった別の感情が芽生えて来る自分に怖れさえも覚えました。

信じたくない・・・・そんな・・・・嘘だ・・・・

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 



 『引き潮じゃ~ん!』

目に飛び込んできたのは、遥か彼方まで続くテトラポットの『残念な海』

そしてそこにたたずむ『残念な私』

・・・・・マジ

それでもその頃の『純粋な私』は想いを込めて投げればきっとあの遥か彼方の海に届く事を信じて疑いませんでした。
そして渾身の力と想いを込め『思い出の海』へ投げたのでした。

 『あの海の彼方に届け~っ!』 

・・・届くはずがありません。
思いのほか箱が大きく掴みどころも無かったので当然の結果です。
落下したのは岸壁の2m先のテトラポットの隙間
その場所からもはっきりと確認が出来ました。

『あ゙~想い出がーーーーーーー』

【ここで一部改訂】
それでもその頃の『残念な私』は想いを込めて投げればきっとあの遥か彼方の海に届く事を信じて疑いませんでした。
そして渾身の力と想いを込め『残念な海』へ投げたのでした。

・・・せめて視界から消えれば
一瞬取りに行こうかと考えましたが、今は深夜・・・なにかあったらいけません。
危険を察知した私はすっぱりとあきらめました。

『ま・・・いっか』

それと同時に、今まで煮え切らなかった想いが消えて無くなったのでした。

そう思うとなんか凄く吹っ切れて気が付くと一人で大笑いしながら、いつもより近く感じる道のりを家路に向かっている自分がいました。

いや~
『残念な海』に乾杯!

『残念な私』に万歳!

タイトルの『過ぎし日々のZNW』とは

Z  残
N  念な
W  私

そう『過ぎし日々の残念な私』だったのです(笑)

若かりし頃本当にあったお話でした~
いまではすっかりネタになってます(笑)