ネタバレ。

物凄い落ちも盛り上がりもない映画だなと思った。
でもそういう映画ではないんだよ、と言われれば、ディーンさんのアクションあり、可憐な姫の繊細さがあり、仄かな恋あり、もののけありで、
個人的には楽しめる映画だった。

ホラーの意図はないらしいけど、村人のテンションが普通にホラーだったよ。笑
特に祈祷してたほうの人たち。金田一レベルの不気味さ。

ラストの短刀でもののけを退治するっていうのは、姫の覚悟と受け取ればいいのかな。
もののけって、あとで合成するのだと思うけど、見えてないものを怖がる演技って大変そう?と思ったり。

森の映像は独特。ところどころ、絵?という背景もあった気がする。
室内でも息が白いあたり、本気で寒いとこで撮ったんだなあと。(冬の京都の森の中らしい。干し柿や焼きリンゴを分け合って食べたという、女優さん餌付けエピソードもあった。)

好きなシーン。
私はアクションがやはり好きで、両手に棒で挟み打ちからの投げ捨てるシーンと、村人?村長?を背後から縄で締め上げたときの殺気の表情などが特に好きだったな。
手加減してあげなさい!というのも、姫らしい。
リアリティのために小屋はあえて真っ暗らしいけど、みててほんとに暗かった。

和田さんにトドメをさすことが情けというのは、たぶん武士の心というか日本ぽくて好き。
水を分け合うシーンが何度かあったけど、水筒がひょうたん型というのは、位が関係してるのかな?でも忍の水筒はひょうたんが似合うよね。

和田さん亡きあと、2人で色んなことを話しながら旅をするシーンも好きだった。
ラストに伝蔵が消えていなくなる終わり方とかね。予想はできたけど。
たぶん屋根の上から見てたりするんだよね。

姫、あれからあの笛どうしたのかな。なんとなくずっと大事に持ってて欲しいと思ったけど。

インタビューなどで知ったけど、海外マーケット向けに作られた映画だそうで、監督が日本の方なのに、どことなく外国人がイメージする日本の雰囲気な気がして、独特な感じがした。
エンドロールも日本語と英語だったし。
高校卒業してアメリカに渡ったというところは、監督とディーンさんの共通点やねー。
和田さんはwikiによれば福島出身だった。

急遽日本で限定公開されたらしいので、福岡ではやってなかったかも。

2015年という時期的に、ディーンさんが日本で活動をはじめたころだったと思う。
なので、ディーンフジオカはこんな役もやりこなせるよ、という自己紹介的な役目も、この映画が果たしていた気がする。

主な登場人物が少ないこともあり、細かい表情もたっぷり見られる。ディーンさん、いつも思うけど存在感がいいよね。遠目でみてもディーン。
容姿端麗なので、華というのもあると思うけど、どっしりと豪快な雰囲気がいい。上品なんだけど、どこか野生っぽいというのかな。
それは昨日今日で作られるものではない。
その人の生き方、によるのかなと思う。

森川葵ちゃんは、ドラマでみたことがあって、タイトル忘れたけど、志田未来ちゃんに恋するという複雑な役を繊細に演じてた。
瞳が印象的。もっと他の役も見てみたい。

さて、好きなシーンもう一回みよ。
そして次はどの作品みようかなー。わくわく。