オオクワガタ


久しぶりのオオクワガタです。

最近の記録的な(?)暖かさのがあったので、

実際は5月中旬ごろから

交尾をさせるところを

少し早めて、この時期に行うことにしました。

今回は、

オオクワガタの交尾のさせ方についても

説明します。


交尾


今回交尾させたのは、


♂56㎜

♀34㎜


のペアです。

むし社さんで購入した、福島県産のWF1

(野外品の子供)。

WF1個体はそれなりに貴重なので、

なんとしても累代を

続けていきたいペアでもあります。


交尾中の様子がこちら。


今回交尾させた方法は、


ハンドペアリング


という方法になります。


ちなみに、

オオクワガタの交尾は数十秒の交尾を

何回か繰り返すものです。

なので、何回か交尾させないと

心配になるような感じです。

(僕も3回ぐらい交尾させました😓)


交尾の方法は、大きく分けて2つあります。


ハンドペアリング

同居ペアリング


です。


詳しく説明していきます。


 同居ペアリング

オオクワガタの場合は

同居ペアリングの方法を取ることが多いです。


同居ペアリングでも種類があります。


交尾用のセットを組む

多くはこちらの方法で行うことが多いです。

小さいケースにマットを浅く敷いて

ゼリーを一個だけ置き、

そこにペアを入れる方法です。


セット内容はこちら。

小さいケースに、

ゼリーを一個だけ入れるのは、

オスとメスが出会う確率を

上げるためになります。


出会わない限り交尾はできないので😅

産卵セットにオスとメスを入れる

この方法は、産卵セットに直接入れるので、

交尾用のセットを作る必要がありません。


そのかわり、

オスが産卵セットにいることになるので、

オスがメスの産卵の邪魔をしたり、

最悪メスを殺すこともあります。

オスが運良く出てきていれば取り出せますが、

産卵セットを掘り返すことは厳禁なので、

臆病なオオクワガタを取り出すのは

難しいでしょう。


なので、

同居ペアリングの場合は

交尾用のセットを作ることを

おすすめします。


同居ペアリングは、

虫に交尾を任せる方法になります。


そのため、

交尾をするかは虫次第になります。


同居ペアリングは、

交尾したかわからない場合が多いです。

3~4日経ったら交尾済みと考えて

メスを産卵セットに入れます。


オスとメスが、仲良く一緒に

ゼリーを食べていたら、

交尾済みの確率が高いです。


オスがメスのそばにいて、

メスを守る行動を、

メイトガードと言います。


 ハンドペアリング


これは外国産のカブトムシで

よく行われる方法になります。


これは人為的に交尾をさせる方法です。


実際、オオクワガタの場合は臆病なので

ハンドペアリングだと

交尾まで時間がかかったり、

または交尾しなかったり、

ということも考えられます。


今回のペアはWF1なので、

特に難しいのでは?と思っていたのですが、

オスの方が割と積極的に

メスに向かってくれたので、

結構すんなり終わってくれました。


ハンドペアリングをさせる場合、

オスの口をメスの小循板(図1)に

近づけると、

すんなり交尾してくれることも

多いです。


また、クロス(図2)させると、

メスがオスに挟まれにくくなります。


図1


図2(見づらいですが…😓)


ハンドペアリングをさせると、

メス殺し(後述)などを防ぐことができて、

さらに交尾したかどうか確認もできます。


その代わり、

つきっきりで見ていなければいけないので、

時間がない方には

向いてないかもしれません。


交尾の際の注意


交尾の際、注意点が主に3つあります。

この注意点はどのクワガタにも共通して

言えることになります。


①メス殺し


交尾の際一番注意しないといけないのが

メス殺しになります。


交尾の際、

メスが交尾を嫌がることがあり(後述)、

オスが怒ってメスを殺す、

ということが種類によってはあります。


特にヒラタクワガタやノコギリクワガタ類は

注意が必要です。


オオクワガタの場合、

基本的に大人しいので

メス殺しはあまりないのですが、

個体によってはメス殺しもあるので、

リスクはないとは言えません。


ちなみに、ニジイロクワガタなどの場合は、

基本的にメス殺しはありません。


②オス殺し


これはメス殺しの反対です。

交尾を嫌がって逃げるメスを

オスがしつこく追いかけてしまうと、

メスがオスの脚を切ったり、

最悪殺してしまったりということもあります。


しかし、

オス殺しが起こるのは非常に稀なので、

このリスクよりは

メス殺しを心配したほうがいいでしょう。


③交尾中の個体を無理に引き離す


交尾中の個体を無理に引き離すと、

交尾器を損傷して、

最悪死んでしまうこともあります。


交尾中の個体は、

お互いが離れるまで待つようにしましょう。


解決法は?

ここからは、

それぞれの解決方法を解説します。


①メス殺し


解決法として、

アゴ縛りというものがあります。


アゴ縛りは、

オスのアゴを結束バンドなどで

縛る方法になります。


しかし、メス殺しは回避できても、

オスにはストレスになるので、

やるかどうかは各自の判断になります。


ちなみに、

メス殺しは同居ペアリングのみで

起こることなので、

ハンドペアリングでは発生しません。


②オス殺し


実は、

オス殺しには良い解決法がありません。

心配なのであれば、

ハンドペアリングを行うと良いでしょう。


③交尾中の個体を無理に引き離す


これは交尾の邪魔を

しなければ起こりません。


メスが交尾を嫌がる時


メスが交尾を嫌がるときは、

以下の4つの理由が考えられます。


①相性が悪い


クワガタに限らず、

どの生き物にも相性があります。

相性が悪い場合、

メスはもちろん交尾を嫌がります。


このような場合は、

数日後に再び交尾をさせると、

交尾してくれることもあります。


僕が飼っているペアは

何度やってもメスは逃げていましたがえーん


②成熟していない


オス・メスが成熟していないと、

交尾の準備ができておらず、

交尾しないこともあります。


成熟したかの判断の目安としては、


・エサを食べ始めてから2~3ヶ月経った

・羽化後5~6ヶ月経った


の2点です。


どちらか1つが

確認できていれば良いでしょう。

一冬越させた個体なら

成熟したのは確実です。


エサを食べ始めた(後食と言います)か

どうかは、購入個体の場合

わからない場合が多いでしょう。


ちなみに、ネブトクワガタや

マルバネクワガタなど、

地上に出てきたらすぐ

交尾させられる種もあります。


③メスがすでに交尾している


交尾済みのメスは、

交尾することを拒否することがあります。

ただし、

これは野外採集品のメスを交尾させる、

あるいは追い掛け(後述)をさせる場合に

考えられることになります。

1回目の交尾をさせる飼育品の場合には

考えられないでしょう。


④メスが弱っている


メスが弱っている場合は

交尾はうまくいきません。

交尾には体力を使うので、

体力がある時でないと大変なのでしょう。

稀にですが、交尾後すぐ

メスが死んでしまうケースも

あるようです。


⑤冬眠(越冬)状態に入っている


メスが弱っている場合と似ています。

気温が低いと、

オオクワガタが越冬状態に入り、

うまく交尾してくれないことがあります。


越冬から目覚めた直後は、

あまり体力がないので、

しばらく休ませてあげてから

交尾させると良いでしょう。


交尾させる場合、

個体差や地域差はありますが

安定して20~25℃

くらいだと良いです。


追い掛けって?

追い掛けは、再ペアリングともいって、

一度交尾させた個体に

もう一度交尾させることを言います。


追い掛けをすることによって、

産卵のスイッチが入ったり、

交尾をしっかり行わせるなどができます。


産卵セットを組んでも産卵しなかったり、

産卵数が少なかったりした時に

行う方法です。


かわりに、もう一度交尾させる分

虫たちの体力は

消耗させることになります。


まとめ


交尾をさせる方法は、


同居ペアリング

ハンドペアリング


の2種類があります。


同居ペアリングは虫任せ、

ハンドペアリングは人為的に

交尾をさせる方法です。


交尾させるときの条件は、


オス・メスの成熟

オス・メスの体力

適当な温度(およそ20~25℃)

オス・メスの相性


注意すべき点は、


メス殺し

オス殺し

交尾の強制終了


メスが交尾を嫌がるときは、


相性が悪い

体力があまりない

成熟していない

メスが交尾済み


産卵セットを組んでも産卵しない、

もしくは産卵数が少ない場合、


追い掛け(再ペアリング)


で産卵スイッチを入れることが

できます。


今回は以上です。

では!


(今回紹介したのは、

オオクワガタの交尾についてが

中心になります。)