愛に包まれる | 七色遠景

愛に包まれる


突然 愛に包まれる


空から舞い降りる粉雪の中に


迷いなど最初から無かったかのように

あの日戸惑った影はすべて白い雪の中

結晶の隅まで精巧に七色に反射する眩い陽の光だけが

他ならぬ真実 唯一の正解


掌の中に故郷の街で見た街路樹の

木の葉を集めて広げれば

薄黄色の蝶になって

あの場所まで舞い上がる

それだけは伝えたかった言葉を

それでも伝えられずに白い吐息を漏らせば

真白い鳥になって

あの時間まで羽ばたいてゆく

ある日わたしは

愛を与えた

突然 愛に包まれる

空から舞い降りる粉雪の中に

眼前に広がってゆく

降りはじめた粉雪に

街が白銀にいつの間にか染められてゆくように

コーヒーにミルクが緩やかに溶けてゆくように

心は満たされた愛が拡がった愛に包み込まれた

それだけが

変わらない確信 唯一の正解