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たろうさんの現在
６６歳のわたしは
いまの自分の年齢を思い
数えることは出来る
若き日の情熱は
思い浮かべられる
でも 今日の境遇まで
思い浮かべられない
未来まで見通せない
思い浮かべられても
「多分こうなる」までです
事実は小説よりも奇なりです
わたしは１８歳まで住んだ
生まれ故郷を離れて
同じ市内の中で住まいを３回変えた
人が住まいを変えるのは常のこと
でも産まれた地を思わない日はなかった
わたしが故郷に思いを寄せるのは
そこにわたしの生まれるべき
定めがあると信じてるから
真言僧の儀海上人が
最初に訪れた地だから
慈根寺という寺の本堂跡に
産まれた因縁があるから
わたしが儀海上人を研究しているたから
そのように考えると
むすめ達がいまわたしの生まれた地に
これからも暮らし続けるという事実が
わたしに与えられたご褒美なのです
わたしのこれまでの人生の集大成なのです
わたしの見ていた山河が
儀海上人の眺めていただろう
風景に重なります
山川は変わらないが
多くの建物がいまは存在します
何も知らない人たちが
団らんを共にしている生活があります
平成25年1月31日(木)は
わたしの記念すべき佳き日なのです
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