昔書いていた詩 (146) 「天」「嵐」「虹」 | たろうくん(清水太郎)のブログ

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八王子の夕焼けの里でniftyの「清水中世史研究所」(八王子地域の中世の郷土史)とYahooで「清水太郎の部屋」として詩を書いてます。

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    天

 僕は天に向かって
 ツバを吐く
 ツバは上昇する
 ツバは下降する
 重力には逆らえない
 しかし 僕ののところに
 もう届かない
 天は僕の行いを
 何処で見ているか
 僕は再びツバに逢えるか
 大気に薄く溶けてゆくのか
 僕でない誰かが
 何処かで僕を見ている


    嵐

 春の嵐が
 団地の公園に
 水溜まりを作った
 娘が長靴をはいて
 楽しそうに遊んでいる
 長靴は時を知り
 娘は無心だ
 時を超えている


   虹

 想念が私を招く
 遠い過去世の記憶が
 私を夜の狩人にする

 時は過ぎ行き
 私の肉体も老い行く
 新しい観音の神智に
 誰が救われるだろう

 誰も知らないところで
 怒る男が目覚める

 地下水が湧き出る
 虹が空に浮かぶ

 あなたは何処で見ましたか
 僕はまだ見ていません