食べ物
僕らが子供の頃
まわりの人も僕も貧しくて
麦飯を食べていた
さつま芋をお菓子にしていた
僕はそれも食べられなくて
裏の田圃に行き
カエルやドジョウを取ってきて食べていた
ああ 今にして思えば
何んと贅沢なことか
有機野菜に自然食品の毎日
健康食品をただで食べていたのだ
今の僕らはステレオにビデオ
欲しいものは何でもある
しかし 僕らは金に心を売ってしまった
薬付けの毎日だ
発癌物質に包囲されて
僕らの子供たちは
美味しそうにに食べて大きくなる
何んと幸福と不幸の取り違えであろうか
テレビのドキュメンタリ―が時々
僕を過去の世界に帰らせ
色あせた現実の世界を笑っている