扉
重い闇の扉を
青銅の鉾で
次々と突き破り
朝は遂に明ける
夜が あんなにも
深かったから
今日の光が
遥か彼方の
俺の未知の運命をずらし
宇宙の軸を傾かせる
俺は時間を逆転させるスイッチを
ONにする
だから 俺が此処に
存在することは
真実よりも 重い
扉(2)
朝になると
車輪の足かせを
履かされた俺は
まるで 奴隷のように
動き出す
長い連休が終わったのだ
深い虚脱感の朝に
俺は反芻する牛
なぜ仕事をしなくてはならぬのかと
連続する 時間軸の中で
ひとり 運命を 逆転させる
スイッチを 探し求める男