昔書いていた詩 (30) 「夏の夕暮れ」「誕生日には」 | たろうくん(清水太郎)のブログ

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八王子の夕焼けの里でniftyの「清水中世史研究所」(八王子地域の中世の郷土史)とYahooで「清水太郎の部屋」として詩を書いてます。

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    夏の夕暮れ

 熱気を十分に吸い込んで
 膨らんだアスファルトの表面が 腐食し始めた 
 羊肉のように 徐々に弛緩してゆく
 
 両足を投げ出すような格好で 歩いている男の
 長身で猫背の 後ろ姿を 水銀灯が写しだし
 暗く沈みがちな男の眼に 水銀灯が ボーと映る

 「不条理な夏だ」と呟きながら
 重たそうに歩く 男が僕だ


    誕生日には

 焼夷弾の落下音と 高射砲の  
 咆哮は 羊水の中で
 姉と相関した日々を捨て
、仮死状態で 誕生した僕に
 潜在意識が 羊水に溶け込んでいる電解液だと
 三十四歳の誕生日の 真夜中に気ずかせる

 そして、僕は卓上の便箋に 少し短い直線を引く
 その、両端が 未来と過去で 僕はその線上にいる 
 だが僕は まだ生きていることを証明する
 公理を見つけることができない