お母さんありがとうございました! | たろうくん(清水太郎)のブログ

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八王子の夕焼けの里でniftyの「清水中世史研究所」(八王子地域の中世の郷土史)とYahooで「清水太郎の部屋」として詩を書いてます。

節分に義母貞子は94歳で永遠の旅に出ました😰🙏👹😇

    今書いている詩(7)「義母貞子」を再掲します。お義母さん

    ありがとうございました!

 

   義母(貞子)

 

 88歳の義母が泊まりに来ているときに

 娘の彼氏が背広で挨拶に来た

 「同棲を許してください」と言う

 本も買って何度も練習したらしい

 「嬉しくて泣くのはいいが 

  悲しくて泣かせないでくれ」

 私はそれだけを言った 

 二度目の言葉だった

 

 耳が遠く名前も思い出せない義母は

 お膳に畏まっている私たちの様子を 

 じっと見ている

 彼氏が帰ったあとで娘は

 筆談で祖母に説明する

 

 北里大学病院で帝王切開して生まれてきた

 娘はキャスター付きの鉄の箱に入っていた

 運んできた看護婦さんがフタを開ける

 「ありゃまあ 赤い子だねぇ~」と私を見て

 嬉しそうに笑う 初めての女の孫なのだ

 清水洋子ベイビーと小さな腕に

 名札が付いている

 

 あれから26年嬉しい日々が続いている

 自分の家に帰った義母は隣に住んでいる娘に

 興奮しながら話を作り上げて話しているらしい

 「話は10分の一にして聞いてね」と妻が電話で言う

 

 「ああ とうとう出てゆく日が来るのか」

 独白する私がいる