エッセイ 「じぃ~ちゃんのヌイグルミ」
朝になる、リラックマとミニーちゃん(ミッキーと思っていた)のヌイグルミはソアーの上に横たわる。夜中、じぃ~ちゃんの布団の中で抱かれているのはミニーちゃん。リラックマは丸い二人の椅子に跨がされて、天井を見ている。部屋は真っ暗闇、じぃちゃんは明るいと眠れない。リラックマは本棚の落下物から、じぃちゃんを守るために不安定ないすの上にいる。地震から守っているのです!69歳のじぃちゃんが何故ナノ?何故ヌイグルミは此処に居るの?若しかして、じぃちゃんは変態、少女趣味?
この部屋に来たのは去年の7月末、じぃちゃんが終の住処と思っていた宝生寺団地の家を、売却してこの部屋に落ち着いたからです。3080万円で買って、580万円で売られた家にヌイグルミは居たのです。娘さんの部屋のフローリングに寝かされていた、私たちもじぃちゃんのパソコンやiPad mini達と暮らしていた。娘さんが高校生の時に、マックのバイトで稼いだお金で私たちを買い求めた。ミニーは娘さんのネッドで抱かれていた、リラックマは大きすぎるので床に!他にもヌイグルミ達が大勢暮らしていた、娘さんが結婚し、家を出て行った時に残された私達です。
家が売られた事情はじぃちゃん達がローン返済に行き詰まり、その結果です。洋子さんとじぃちゃん何とかして、娘や孫たちに家を残そうとしたのです。その話を聞いていた、娘さんの連れ合いのヒロアキ君が救いの手を差し伸べた「一緒に暮らせば?」そして、増築された二階の部屋に私達も居るのです。
じぃちゃんは引っ越しの為に、売ったり、捨てたり、壊したりした、家の処分の為に方々へ電話した!掃除や壊すのに、マスクをしなかったので後で肺炎になりました。じぃちゃんが寝ていた畳の部屋のタンスの人形達は清掃工場へ、でも、じぃちゃんは私達に「キミたちは捨てないで全部連れてくよ!」と言ったのです。じぃちゃん曰く「娘を守ってくれたヌイグルミ達を棄てられない!」、私たち以外のヌイグルミ達はじぃちゃんの隣の部屋に居る。気になるのか?じぃちゃんは時々掃除機で、ホコリを吸い取っている。雛祭りが近い、同じ部屋のクローゼットにお雛様も居る。人形だけではナイ!物には存在する意味がある、魂が宿っている?じぃちゃんは考えているらしい?
ボクたちは、背もたれや、枕、クッションになったりする。ゆうとくんは最初、僕たちが大きすぎて怖かったらしい?はるとくんもです。でも、はるとくんは床に僕たちが寝ていないと「じぃ~」此処に置けとソファーの僕たちを指差す!今は二人とも他のことに夢中で、泣いたり、笑ったりの毎日です。
じぃちゃんと洋子さんは450万円の借金返済と増築された家のローン返済に、節約生活デス。真っ先に売られたピアノくん、元気でいるかなぁ~
ミニーちゃん、布団の横にキミが居ると落ち着く、洋子さんや女の子を抱くことはもう無いけれども?キミを抱いていると呼吸も楽なんだよ!あの世までお供してくれるかなぁ~?