昔書いていた詩(96) 「鳥」 「雨」 | たろうくん(清水太郎)のブログ

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八王子の夕焼けの里でniftyの「清水中世史研究所」(八王子地域の中世の郷土史)とYahooで「清水太郎の部屋」として詩を書いてます。


    鳥

 そのとき
 羽ばたくのは
 鳥であり
 人間である

 予定した 
 行動だと言うのは
 いつも人間だけで
 鳥が
 羽ばたくのは
 自由

 「おおーい左手をあげろ」
 光はその中に
 吸い込まれて
 人も鳥も
 自由に
 羽ばたく

 そのとき
 もうひとりの
 僕は
 鳥であり
 人間である



    雨

 俺たちの
 眠りの夜には
 長い雨

 捨てられた
 キセルの
 独白
 
 俺たちの
 夜明けの空には
 鉛の弾丸

 舞い上がる
 白鳥と
 落下する
 黒鳥
 
 俺たちの
 やせ細った
 両腕には
 焼印


 棺の底に
 色あせた
 トランプカード
 
 俺たちの
 夜と 空と 肉体

 其処では
 キセルも 鳥も トランプカードも
 原始人の
 石斧の
 一撃に
 敗れる

 ああ 長い歴史の
 一ページの
 始まりと 終り