昨日、ダイニングテーブルの下に落ちていた朝食のトーストのかけらに３匹のアリが寄ってきているのを見た。
日本の最近の住宅は、気密性が非常に高い造りなだけに、アリが入り込む隙間などあるはずもなく、久しぶりのアリの出現に以前の赴任先、東南アジアでの出来事を思い出した。
甘いものにだけアリが寄ってくるという概念を思いっきり覆すあの国でのアリたち。オイスターソースで味付けした牛肉や、ナンプラーと醤油の香りのする炒飯のかけらが落ちていようものならば、ものの５分でおびただしい数のアリが寄ってくる。たとえ、地上からぐっと離れた２４階であっても。
そこで日本に一時帰国した際、いくつかの種類のアリの巣コロリ的なものを買って帰った。
蜜と粉の２種類がトラップに仕掛けてあるものを台所にセットしてみるや、あっという間にアリの姿を見なくなった。嬉しくなって、お友達に教えてあげた。
それから１年ほどたったある日。
日本から来て間もない奥さんに、こう言われた。
この蜜入りのがね、タイのアリには効くってきいて、日本から買ってきたの。ある方が試してみたら、あっという間にアリがいなくなったらしくってね。知ってた～？コレ。
おぅ、ものすごくよく知ってる。その「ある方」とは私やないか。
ぐるっと回って、自分に戻ってきたで。
ふと思った。
小さなことから、要注意人物まできっちり申し送りをする駐妻たちなのだから
もしかして、もしかすると
あれから１０年経った今でもあの国のあの場所で、あのアリの巣コロリが良いと語り継がれているかもしれない.....。
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