Wiiウェア『Art Styleシリーズ:PENTA TENTACLES』 インプレッション

『Art Styleシリーズ:PENTA TENTACLES(ペンタテンテクルス)』
対応ゲーム機 : Wii(ダウンロード専用)
配信開始日 : 2011/10/18
配信価格 : 600円(税込)
ジャンル : アクション
プレイ人数 : 1人
CERO : A(全年齢対象)
容量 : 61ブロック
◆== 参考データ ========================◆
プレイ時間 : 約1時間半
プレイ内容 : 各モードを一通りプレイ
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●= 概要 =●
シンプルで独創的な作品を提供する『Art Style』シリーズの最新作。
今回は、タコの足のような触手を持つ生命体を操作して、触手をどんどん伸ばしていくというアクションゲームです。
周辺には、「エネミー」と呼ばれるクリオネ?のような敵が漂っています。様々な色がいます。
プレイヤーは、生命体を操作して”エネミーと同じ色の触手で触れる”と、エネミーを吸収して触手が”エネミー1個分”だけ伸びます。触手ではなく、根元の部分で触れてもOKです。
違う色の触手で触れてしまうと、触れた部分から触手がちぎれてしまううえに、体力が減ります。
体力は、生命体の中心の周りに、緑色で表示されています。
◆== 操作方法 ==◆
プレイヤーができる操作は、生命体の”移動”と”回転”のみ。これで、うまく触手をコントロールしましょう。
操作スタイルは、2タイプ。Wiiリモコン横持ちと、クラシックコントローラです。
||== Wiiリモコン横持ちでの操作 ==||
十字ボタンで移動。2ボタンで右回転。1ボタンで左回転です。
ボタンによる分かりやすい操作は、こちらで。
||== クラシックコントローラでの操作 ==||
左スティックで移動。右スティックで回転です。
スティックによる感覚的な操作は、こちらで。
ちなみに、こちらはボタン操作も可能です。(十字ボタン・aボタン・bボタン)
◆== アイテムについて ==◆

||== ハート ==||
ハートマークのアイテム。
触れると、体力が1回服します。

||== サイクロン ==||
5本足のマークを持つアイテム。
触れることで”サイクロン”を使用できるようになります。
使用するには、まずどちらか一方に回転し続けます。
回転し続けるとパワーがたまり、白いサークルが生命体を囲うように小さくなっていきます。
そして、サークルが生命体に合わさった辺りで、1ボタンと2ボタンを同時に押す(クラシックコントローラでは2つのスティックを同時に倒す)と”サイクロン”発動!
一定時間の間、生命体が高速回転!
どの色のエネミーに触れても大丈夫で、サイクロン発動終了後に、触れたエネミーの数に応じて触手が伸びます。

||== 圧縮アイテム ==||
丸い玉が1~4個くっ付いたアイテム。
触手で触れることで獲得して、丸い玉1個につき触手”5個分”を圧縮します。触手の長さ自体は短くなりますが、5個分であるという記録は変わりません。
丸い玉1個のアイテムだと5個分。丸い玉4個のアイテムだと20個分圧縮されます。
上の画像ですと、赤と黄色の触手にそれぞれ丸2個の圧縮アイテムがくっ付いていますが、これで10個分圧縮されています。
圧縮された部分に、触手と違う色のエネミーが触れると、圧縮される前の状態に戻ってしまいます。
◆== モード紹介 ==◆
||== STAGE(ステージ) ==||
ステージクリア式のモードです。全ての触手を、ノルマとして定められた個数分まで伸ばせばステージクリアです。
ノルマを達成した触手については、違う色のエネミーに触れても、ちぎれることがありません。(体力は減ります)
最初は、触手2本でのステージのみですが、いくつかクリアしていくことで、より多くの触手でプレイするステージが増えていきます。
また、このモードでは「圧縮アイテム」は出現しません。
||== ENDLESS(エンドレス) ==||
体力が尽きるまで、ひたすら長い触手と高い得点を目指しましょう。
挑戦する触手の本数を選択して、ゲームスタートです。
このモードには「WAVE」(レベルのようなもの)があり、一定数のエネミーを吸収すると全てのエネミーが消えて、次のWAVEに進みます。
ちなみに、得点の計算方法。
エネミーを吸収した時に”触手の長さ(個数)”が得点として加算されていきます。
また、短時間で吸収し続けるとコンボが発生して得点が倍化。最大で5倍の得点になります。

||== SNAKE(スネーク) ==||
触手は白1本しかありません。生命体は、表面の半分が白い触手のもので、もう半分が”半透明”になっています。
半透明の部分には、どのエネミーが触れてもダメージを受けません。かき消すことができます。
これを利用して、白エネミーは触手で吸収し、それ以外のエネミーは半透明の部分でかき消していきましょう。
基本的な流れや楽しみかたは、ENDLESSと同じです。
■== partygameの評価 ==■ … 84点(100点満点)
クールなビジュアルと、不思議な感覚と、緊張感と
○=良かった点
△=人それぞれ or 気になったけど悪いというほどではない点
×=悪かった点
||== ○ ビジュアル&サウンドの良さは健在 ==||
シンプルなグラフィックと心地よいサウンドが『Art Style』シリーズの特徴ですが、今作でも健在です。
レトロな感じに、日本風な音源が少し混じったサウンドになっています。
人によっては眠くなりそうですが、まあ、それも含めて『Art Style』シリーズ共通のビジュアルなので。
||== ○ 適度な緊張感 ==||
触手が短いうちは、まだ比較的ラクチン。
しかし、長くなってくると一瞬のミスで大量の触手が台無しになったりするので、油断なりません。
なかなかの緊張感があります。
STAGEモードでは、ノルマもそこまで厳しいものではないので短時間で終わり、緊張感はそこまで高まりません。
やはり、ENDLESSやSNAKEなど永遠に続くモードだからこそ、少しまで先に進みたいという意識ができ、それが緊張感と達成感につながります。
まあ、STAGEモードは遊びやすいという利点もありますけどね。
||== ○ 分かりやすさも備えています ==||
得点などの表示物は最小限に抑えつつも、例えばノルマとなる触手の長さとか、画面外から近づくエネミーとかが、視覚的に分かりやすく表現されています。
また、初めてプレイするモードではチュートリアルも流れます。チュートリアルは以後、メニュー画面からも確認できます。『LightStream』でも、是非やって欲しかったな~。
||== ○ サイクロンが気持ちいい ==||
グッとこらえてエネミーを溜め込んで、一網打尽!とできれば、大変気持ちいいです。
ただし、パワーを溜めている間にミスをしたら、また一から溜めなおしなので、油断なりません。
||== △ 操作感覚について ==||
独特の動きだけに、ここが気になっている人も多いかと思います。
私個人の意見としては、多少の慣れは必要ですが、遠心力とかの基本的な法則が分かってくれば、わりと思い通りに動かせます。
同じ方向に回し続ければ、触手が”渦”みたいになります。分かりやすい曲がり方ですし、そこまで広い範囲には広がらないので、ミスを最小限に抑えられます。違う色のエネミーをよける時も、基本は同じ方向に回すのが良いです。
逆に、今までと逆方向に回し始めると、触手が”ムチをうつ”ような感じでうねるため、少し先のエネミーを狙うには良いです。ただし、予測しにくい動きですし範囲も広がるので、ミスしやすいです。
また、基本的なプレイスタイルとしては、最初のうちは”根元”で体当たりするような感じが良いでしょう。
長くなってきたら、触手で”かすめ取る”ようなスタイルに切り替えます。
ちなみに、2タイプの操作方法がありますが、どちらでも問題ないと思います。
ただし、移動は十字ボタンに合わせて8方向しか移動できませんので、クラシックコントローラのスティックでプレイする時には、注意しましょう。私は、そこまで気にならなかったです。気になるなら、ボタン操作で。
||== △ もう少しアクセントが欲しいかも ==||
まあ”しいて言うなら”レベルです。
エネミーを吸収するという基本的な概念は、ずっと変わりません。
後になるほどエネミーが多くなったり動きが複雑になり、繊細な操作が必要になってきますが、やることがそんなに大きく変わるわけではありません。
故に、物足りなさを感じる人もいるでしょう。
とはいえ、ゲーム性そのものはこれで充分完成度が高いので、例えばインターネットランキングに対応するとか、そういったモチベーションにつながる要素がもう少し欲しかったかな~とは思いました。
STAGEは触手の本数ごとに5ステージずつと、そんなに多くないですし、ENDLESSやSNAKEはハイスコアを極め続けるという楽しみかたになりますからね。
◆== まとめ ==◆
またも新しいゲームの世界を開いてくれた。そんな作品です。
雰囲気とかは、PS3とPSPで配信された『flOw』にちょっと似ていますが、こちらはより理にかなったゲーム性となっており、1つのゲームとして完成度の高いものになっております。
操作感覚に慣れが必要だったり、エンドレスに続けてこそ魅力がじわじわと分かってくる作品なので、最初のうちはピンと来ないかもしれません。私もそうでした。
しかし、一通りのモードを遊べば何となく分かってくるかと思います。そこで、まあ大抵の人には魅力が伝わる…といいな~という感じです(笑)
まったりと楽しみつつ、適度な緊張感を楽しみたい人。そして、ハイスコアを極め続ける楽しみかたが出来る人なんかは、楽しんでいただけると思います。
逆に、ゲーム性に多くの刺激を求めている人にはオススメしません。シンプルなので。
また、型にはまった操作が好みで、思い通りに操作できないことに苛立ちを感じやすい人も、ちょっとオススメしづらいかな~。ただ、そこまで操りにくいとは感じないので、多少の順応性があるなら充分ついていけると思います。
先月、今月と『Art Style』シリーズが配信されたわけですが、来月もあるんでしょうかね?
Wiiウェアの最後の意地を、見せてほしいです。最後とは限りませんが。
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万人向け ← ○○○●○○○○○○ → 熟練者向け
操作はシンプル。感覚的な慣れは必要ですが、それでも敷居は思ったほど高くないかな?
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手軽に ← ○○○○○●○○○○ → じっくり
STAGEモードなら1ステージ2~3分。他のモードならエンドレス。
時間に合わせて、それぞれお楽しみ下さい。
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思考タイプ ← ○○○○○○○○○● → 感覚タイプ
生命体と触手を思い通りに操れるかどうか?が全てです。
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爽快感重視 ← ○○○○○●○○○○ → 達成感重視
基本的に目指すのは達成感。心地よいサウンドとサイクロンで爽快感を。
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Wiiウェア『Art Styleシリーズ:Lightstream』 インプレッション(2011/09/07)
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