テレビゲームから感じる”保守的な思考”(少し訂正)
以前から、何回か軽く話題に挙げている内容ですが、改めて。
※訂正(2011/05/28 12:40)
携帯アプリについてちょっとしたご指摘を頂いたので、少し文面を変更しました。
◆-- 挑戦精神の減少 --◆
面白い面白くないに関わらず、昨今は「挑戦的なタイトル」が減ってきているように感じます。日本って元々”保守的”ですが、それに拍車がかかってきているようです。
そのせいか、ニンテンドー3DSでの完全新作が、まあ~少ないこと。ほとんどシリーズ作品や、明らかにどこまで見たことのあるものだったりします。
新しいものが売れない。往年で、かつネームバリューのあるシリーズ作品しか売れない。
そんな状況がもうずっと続いており、なかなか昨今のテレビゲーム市場で大きな成果を挙げている新シリーズは数少ないです。(『Wii Sports』『イナズマイレブン』などの例外はありますが)
◆-- 保守的になっていく理由その1 - ハイリスク・ローリターン --◆
何度か言ったことがありますが、ゲーム機の成長に人間が付いていけてません。これに尽きます。
ゲーム機は、大体6年前後の間隔で新しいものが発売されて、そのたびにスペックが上がってきました。今や、ほとんど何でも表現できるようになって当たり前になってきたわけですが…その反面で、表現するためにかかる時間とお金は、間違いなく膨大になってきています。
そのため、昔もそれなりでしたが…今はそれ以上に「ハイリスク・ローリターン」な業界になっています。
さらに言うなら、”成長に人間が付いていけてない”というのは、クリエーターだけの話ではありません。遊び手であるユーザーもそうです。
3Dグラフィックになって、それがどんどん綺麗になっていって…”難しそう”という印象がどんどん膨れ上がったからこそ、ゲーム離れの大きな要因になっていきました。故に、ニンテンドーDSやWiiなど、そういったことに対処したゲーム機が大きな成果を挙げたわけです。

2日前の『ドラゴンクエスト』シリーズ25周年記念サイトの記事で”初代ドラクエの開発期間は約5ヶ月”だと紹介しました。今の時代、テレビゲームにおいて、たった5ヶ月でミリオン級のタイトルを作れますか?…あ。脳トレがあった(笑)
まあ、大抵はせいぜいダウンロード専用タイトル規模の作品になるでしょう。それでミリオンヒットを狙うのは、けっこう厳しいものがあるように思うわけです。

ただし、成功している例として「AngryBirds」というモバイル用ゲームがあります。世界累計で2億ダウンロードを達成しており、230円(現在は115円)の作品ですが、単純計算だと約460億円の売上金が発生していることになります。
世界的に見ればの話ですが…ダウンロード専用タイトルであっても、これだけの業績を挙げることは不可能ではない、と。これを見れば、そうとも言えるでしょう。
◆-- 保守的になっていく理由その2 - 商業能力の低下 --◆
”低下”というよりは”成長していない”といったほうが正しいかもしれません。ようするに、売りかたが下手って話です。
ゲームソフトは何だかんだで商業なわけですから、いいゲームを作ったら終わりではありません。それを売り込んでいかなくてはいけません。しかし、この業界においては、その点がほとんど成長していないように思うわけです。パッケージタイトルの根本的な売り方はファミコン時代と変わらないですし、手軽に購入しやすいダウンロード専用タイトルにおいては、正直どのゲーム機もまだまだ使いやすいスタイルとは言い難いです。
それに加えて、上記でも話した「ハイリスク・ローリターン」の一環でもありますが、広告媒体の高騰。最近は若干持ち直してきた気もしますが、一時期は任天堂・スクウェアエニックスといった、極わずかなメーカーのCMしかありませんでした。
業界が長く続くにつれて、お客の目は肥えていきます。それはどの商業でも同じことで、売り手はそれに合わせて、売りかたを進化・変化させていく必要があります。
テレビゲーム業界は、個々のメーカーでそういった努力はしていると思うんですが、業界全体でどうにかしようという意思がほとんど感じられません。それが問題であるように思うわけです。
◆-- 挑戦精神で成功するには --◆
成功するためのコツなんてたくさんあると思いますが…個人的に言うとするなら、マーケティングに合ったコンセプトや戦略を提案できることですかね。何か小難しく言いましたが、理屈的に「こうしたほうが面白いし、売れる」というものを作れるか?って話です。
誰に対して売りたいのか?を決めて、その人たちに売るにはどういう作りにして、どう売っていくか?ターゲット層が何を求めているのかを、しっかり汲み取る必要があります。逆に、何か新しい考えが思いついたら、それがどういった人たちに受け入れられるか?を考える、でも良いでしょう。
例えば、単純なことですが「ゲームをやり慣れていない人は、アクション要素の強いスタイルよりも、時間に追われないシンプルなスタイルのほうが親しまれる」と。こういったものの積み重ねですね。
←→ 

また、先ほど成功例として挙げた『イナズマイレブン』シリーズでしたら、テレビアニメ・コミックでも展開をしたことで、ターゲット層である子供たちの注目を集めて、その延長線上でゲームのほうにも注目が集まるようになった、と。こう言うと単純そうですが、コミックの内容や宣伝方法なども重要になってくるので、成功させるのは簡単な話ではありません。
◆-- まとめ --◆
テレビゲームって、とにかく”色々な魅力を詰め込んだもの”です。だからこそ、こだわる姿勢は大事。テレビゲームの世界で生きていくためには、保守的になり過ぎない。挑戦的であって欲しいわけです。
ただし、ただ闇雲に挑戦するのではなく、価値あるものになる。もしくは売れる自信があると判断できるまで考えること。これが大事ですね。闇雲に挑戦するだけなら素人でもできますし、挑戦するからには…見返りが欲しいじゃないですか?ね?(笑)
ゲームクリエーターは所詮”サラリーマン”です。作りたいものを作るのも結構ですが、度を過ぎて経営が成り立たないのでは、サラリーマンとしてダメです。同人(趣味)でやりなさいって話です。(←ふさわしくない発言だと判断したので削除しました)
作りたいものが作れる能力に加え、作った作品を売り込める能力もある。両方のバランスが取れて初めて”プロ”です。それをしっかり踏まえたうえで、テレビゲームならではのこだわりを大事にできる人間が、これからはより必要になってくるんだろうと思いますね。
まあ、私も将来はプロと呼ばれるようになることを目指したいものです。
その為には、まず再就職しないと…ね。
※訂正(2011/05/28 12:40)
携帯アプリについてちょっとしたご指摘を頂いたので、少し文面を変更しました。
◆-- 挑戦精神の減少 --◆
面白い面白くないに関わらず、昨今は「挑戦的なタイトル」が減ってきているように感じます。日本って元々”保守的”ですが、それに拍車がかかってきているようです。
そのせいか、ニンテンドー3DSでの完全新作が、まあ~少ないこと。ほとんどシリーズ作品や、明らかにどこまで見たことのあるものだったりします。
新しいものが売れない。往年で、かつネームバリューのあるシリーズ作品しか売れない。
そんな状況がもうずっと続いており、なかなか昨今のテレビゲーム市場で大きな成果を挙げている新シリーズは数少ないです。(『Wii Sports』『イナズマイレブン』などの例外はありますが)
◆-- 保守的になっていく理由その1 - ハイリスク・ローリターン --◆
何度か言ったことがありますが、ゲーム機の成長に人間が付いていけてません。これに尽きます。
ゲーム機は、大体6年前後の間隔で新しいものが発売されて、そのたびにスペックが上がってきました。今や、ほとんど何でも表現できるようになって当たり前になってきたわけですが…その反面で、表現するためにかかる時間とお金は、間違いなく膨大になってきています。
そのため、昔もそれなりでしたが…今はそれ以上に「ハイリスク・ローリターン」な業界になっています。
さらに言うなら、”成長に人間が付いていけてない”というのは、クリエーターだけの話ではありません。遊び手であるユーザーもそうです。
3Dグラフィックになって、それがどんどん綺麗になっていって…”難しそう”という印象がどんどん膨れ上がったからこそ、ゲーム離れの大きな要因になっていきました。故に、ニンテンドーDSやWiiなど、そういったことに対処したゲーム機が大きな成果を挙げたわけです。

2日前の『ドラゴンクエスト』シリーズ25周年記念サイトの記事で”初代ドラクエの開発期間は約5ヶ月”だと紹介しました。今の時代、テレビゲームにおいて、たった5ヶ月でミリオン級のタイトルを作れますか?…あ。脳トレがあった(笑)
まあ、大抵はせいぜいダウンロード専用タイトル規模の作品になるでしょう。それでミリオンヒットを狙うのは、けっこう厳しいものがあるように思うわけです。

ただし、成功している例として「AngryBirds」というモバイル用ゲームがあります。世界累計で2億ダウンロードを達成しており、230円(現在は115円)の作品ですが、単純計算だと約460億円の売上金が発生していることになります。
世界的に見ればの話ですが…ダウンロード専用タイトルであっても、これだけの業績を挙げることは不可能ではない、と。これを見れば、そうとも言えるでしょう。
◆-- 保守的になっていく理由その2 - 商業能力の低下 --◆
”低下”というよりは”成長していない”といったほうが正しいかもしれません。ようするに、売りかたが下手って話です。
ゲームソフトは何だかんだで商業なわけですから、いいゲームを作ったら終わりではありません。それを売り込んでいかなくてはいけません。しかし、この業界においては、その点がほとんど成長していないように思うわけです。パッケージタイトルの根本的な売り方はファミコン時代と変わらないですし、手軽に購入しやすいダウンロード専用タイトルにおいては、正直どのゲーム機もまだまだ使いやすいスタイルとは言い難いです。
それに加えて、上記でも話した「ハイリスク・ローリターン」の一環でもありますが、広告媒体の高騰。最近は若干持ち直してきた気もしますが、一時期は任天堂・スクウェアエニックスといった、極わずかなメーカーのCMしかありませんでした。
業界が長く続くにつれて、お客の目は肥えていきます。それはどの商業でも同じことで、売り手はそれに合わせて、売りかたを進化・変化させていく必要があります。
テレビゲーム業界は、個々のメーカーでそういった努力はしていると思うんですが、業界全体でどうにかしようという意思がほとんど感じられません。それが問題であるように思うわけです。
◆-- 挑戦精神で成功するには --◆
成功するためのコツなんてたくさんあると思いますが…個人的に言うとするなら、マーケティングに合ったコンセプトや戦略を提案できることですかね。何か小難しく言いましたが、理屈的に「こうしたほうが面白いし、売れる」というものを作れるか?って話です。
誰に対して売りたいのか?を決めて、その人たちに売るにはどういう作りにして、どう売っていくか?ターゲット層が何を求めているのかを、しっかり汲み取る必要があります。逆に、何か新しい考えが思いついたら、それがどういった人たちに受け入れられるか?を考える、でも良いでしょう。
例えば、単純なことですが「ゲームをやり慣れていない人は、アクション要素の強いスタイルよりも、時間に追われないシンプルなスタイルのほうが親しまれる」と。こういったものの積み重ねですね。



また、先ほど成功例として挙げた『イナズマイレブン』シリーズでしたら、テレビアニメ・コミックでも展開をしたことで、ターゲット層である子供たちの注目を集めて、その延長線上でゲームのほうにも注目が集まるようになった、と。こう言うと単純そうですが、コミックの内容や宣伝方法なども重要になってくるので、成功させるのは簡単な話ではありません。
◆-- まとめ --◆
テレビゲームって、とにかく”色々な魅力を詰め込んだもの”です。だからこそ、こだわる姿勢は大事。テレビゲームの世界で生きていくためには、保守的になり過ぎない。挑戦的であって欲しいわけです。
ただし、ただ闇雲に挑戦するのではなく、価値あるものになる。もしくは売れる自信があると判断できるまで考えること。これが大事ですね。闇雲に挑戦するだけなら素人でもできますし、挑戦するからには…見返りが欲しいじゃないですか?ね?(笑)
ゲームクリエーターは所詮”サラリーマン”です。作りたいものを作るのも結構ですが、度を過ぎて経営が成り立たないのでは、サラリーマンとしてダメです。
作りたいものが作れる能力に加え、作った作品を売り込める能力もある。両方のバランスが取れて初めて”プロ”です。それをしっかり踏まえたうえで、テレビゲームならではのこだわりを大事にできる人間が、これからはより必要になってくるんだろうと思いますね。
まあ、私も将来はプロと呼ばれるようになることを目指したいものです。
その為には、まず再就職しないと…ね。