安倍晋三首相（５８）が２７日、「ニコニコ動画」の運営会社が千葉県の幕張メッセで開いた「ニコニコ超会議２」に、サプライズで登場した。自民党が持ち込んだ演説カーにのぼり、「ネットの力で皆さんと一緒に日本を変える」と、ネット選挙解禁の参院選を意識した演説を行った。民主党もブースを出展したが、海江田万里代表ら幹部の姿はなく、終日閑散。瞬時に拡大するネット世代の発信力を見据え、派手な演出を仕掛けた自民党の完勝だった。
普段は屋外で使う演説カー「あさかぜ」や、本物そっくりに再現された総裁室の机。大掛かりなセットを組んだ自民党のブースに登場した首相は、集まった約１０００人を前に、演説カーの上で「参加するのを楽しみにしていました」と演説を始めた。
コスプレ姿も目立つ聴衆に「今、経済は力強さを取り戻している」と、アベノミクスの成果を強調。「選挙に勝って初めて、日本を取り戻せる。７月の熱い戦いは皆さんと一緒に戦い、ネットの力で日本を変えたい」と、参院選勝利への決意を示した。
ゲームや歌、踊りなどとともに、自衛隊や在日米軍も出展。首相は演説後、大勢の来場者の間を縫って自衛隊ブースを訪れ、迷彩服にヘルメットで「１０式」戦車に乗り込んだ。討論会では「ネットは政治を大きく変えられる。自民党もネットをどんどん活用するし、私も発信したい」と強調。昨年始めたフェイスブックを駆使し、仕事から私生活まで書き込む首相だけに、イベント参加は、ネット選挙解禁を視野に練られた作戦だ。参院選のネット党首討論にも意欲を見せた。
イベントは昨年に続き２度目で、政党の出展は初めて。自民、民主、日本維新の会、共産の４党がブースを出した。自民党と対照的だったのが民主党。所属議員が１時間ずつトークショーを行ったが、目玉ゲストはなし。足を止める人もなく、終日閑散としていた。唯一人気を集めたのは、党公認のゆるキャラ「民主くん」。イベントは今日２８日も行われ、党側は急きょ、海江田氏の参戦を決定。細野豪志幹事長との２枚看板で、遅ればせながらネット世代へのアピールに臨む。
◆ニコニコ超会議 動画サイト「ニコニコ動画」（ニコ動）が、「ニコニコ動画をほぼ全て（だいたい）を地上で再現」をコンセプトに開催するイベント。昨年に引き続き今年で２回目。「歌ってみた」「踊ってみた」「描いてみた」「アニメ」「ゲーム」「政治討論」などニコ動のジャンルをブースで再現。芸能人も数多く参加する。昨年は２日間で延べ約９万人が来場、会場からの公式ネット生放送を視聴した人の数は約３４７万人だった。
こちら→http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp3-20130428-1119052.html
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