組織の中で感じるのが、上下関係。

年齢だけでなく、むしろ役職の関係。

それは単に評価が絡むだけでなく、役職イメージに対する遠慮もあるのかもしれない。


ここでの感情は

・遠慮

・プライド

・忙しい

・必要性ないんちゃう?



顕著なのは、色々な現場の情報が欲しい社長と、それを言わない社員。


社員からすれば、日々の直接の仕事に社長の判断はまず関係ない。

大きい組織になればなおさら。

また、社長のほうが色々な判断をする立場から忙しいように見え(実際忙しいだろうが)、

自分が担当する小さな範囲の話をするにははばかられることもあるだろう。

「必要なことを報告してくれ」と言われると、「あんたに話す必要のあることはない」が

回答になる。


一方、社長から見ると、各社員が会社に対して何を思っているのか?

現在どのような分野が伸びて、どの分野が後退しているのか?

社外からのイメージは?

キャッシュフローは確保されているのか?

緩んだ雰囲気に落ちていっていないか?

各分野の情報を色々な視点で欲しいとは思っている。

そのために社員からの情報は欲しい。

また、社長から社員に自分が考えているような行動を促すようなコミュニケーションを

確立したいとも思っている。


ただ、一人ひとりと会って話すには時間がなさすぎる。

個々人と関わることはひいきに繋がるから直接話しにくい。

また、個人の心情として自分から情報の輪に入っていくのは、カッコわるいと思う人だって

いるかもしれない(上司レベルだと多いだろう)。



社長と社員には「必要性」のギャップがあり、

「親しさ」を作りづらい関係がある。



このギャップを埋める役目は、立場上必要性の高い社長(上司)が行うべきである、と思う。

部下からの報告は義務である、とドンと構えるのもかまわないけど、それで判断に十分な

情報を収集出来るかどうかの問題だ。



ある会社は社長が何をやっているかを知らせるために書いていたブログで、

社員から「親近感が湧いた」等と好意的判断が多数。

それでも、直接メールはなかなか送ってこないものだけど、社長の意見に耳を傾ける度合いは

大きくなるから、見えないが思う方向へのコントロールが効くようになっているはずだ。


IBMのルイスガースナーは、直接全社員向けにメールでメッセージを送ることがあった。

社員の気分的に、注目度が違う。

結構皆、社長の発言は新聞や雑誌などに出ていたものを見て話のタネにしているもの。


照会機能の充実したERPシステムも、社長判断には重要だ。

社員の日々の業務の結果が、情報として閲覧できる。これは社員との親密度は関係ないから、

重要ではあるだろう。

どの店舗が売上げ多いか、少ないか?

どのような社員が成果を上げているか?

自社社員の働きぶりはどうなっているのか?

社内でどのようなプロジェクト、タスクが走っていて、進捗はどうか?

キャッシュはここ1年間十分に確保されるような状況か?

(正直、私はこういう情報を見ているだけで楽しい。社長権限で色々見てみたい。。。)



うちの会社では、直接代表に週報を出す。

報告事項や反省事項の欄もあるけど、それよりまず書けと言われるのが「雑記」欄。

何書いてもいい、というイメージを入れることで、話しやすくする。

ただ、代表からの直接のフィードバックはほぼないので(それは時間的に無理だ)、

提出率は低くなってくるものだが。。



会社として飲みに金を出す会社(典型的日本の会社か)も、社長ではないけど、上司との

コミュニケーションを円滑にするという意味ではいい施策だと思う。

(遠慮しないといけない雰囲気はしんどそうだが。評価に響くと思ったら騒げないだろうしね~)。



上下関係のコミュニケーションギャップは、事業運営のリスクヘッジ、フォローの遅れに繋がる。

それを埋める役目は、最低限上司が責任持つものだろう。

(そんな前提があるからこそ、部下がそのギャップを埋める努力を行えると、非常に重宝される

とは思うが。上司のプライドを満足させることにもなるだろうしね。)