システムは、見積もりが仕事量を決める。
でも、見積もりには力学が入る。
<条件>
①見積もり精査の前に決まる受注
営業段階では、ほぼ確実コンペがいる。
他コンペもいる状況で、精査した見積もりに時間をかけられるだろうか?
顧客はシステム部門でさえ開発者ではない。正確な見積もりはかけない。
営業は、もと開発者、SEでない限りやはり工数見積もりが弱い。
さらに、正確な工数見積もりにそこまで時間をかけるインセンティブもない。
時間かけた結果コンペに負けては意味がない。
結局、発注側が精査する気と能力がなければ、危険な見積もり状況で受注が
決まってしまう。
<バイアス>
①受注したい営業
受注したいという欲が、出来るかどうか精査すべきところを「出来ますよ」と言ってしまう。
だから、抜けがあって工数増える、品質下がる、期限内に出来ない。
コンペより安い金額を提示しようとする。でも上と相まって赤字になる。
②希望を言う顧客
上が期限目標を決める。目標達成するために、ゆるい見積もりで期限内に収まる
ようにつじつまを合わせる。結果、必須用件が増えて期限を越える。
しかし、かなり解決できるのではないか?上記の条件、バイアスは顧客と営業という
ある意味敵対関係と各対象内部からの圧力によるものである。
ならば、第三者として『工数見積もりプロ』というポジションが出来れば。。。
[発注側]
◎工数見積もり精度が上がる。
◎より正確なプロジェクト終了が描け、リスクを減らせる
◎値段交渉に優位に立てる
×正確な見積もりを作るモチベーションにかけるかも
[受注側]
◎プロジェクトの遅延、赤字、信用低下などのリスクを減らせる
×値段交渉の圧力
上記の×に関しては、例えば
●『見積もりプロ』が評価される場を作る
という方法で改善可能だと思う。
これで手を抜く可能性を減らせるだろう。
そもそも、自分の仕事(それも独立的なポジション)でやたらと手を抜く人はそうそういない。
雇われ人ではないのだから。
たぶん、現状ではコンサルが上記の役目を担っているのだろうが、
個人が組織に埋もれて評価が見えなくなることと、コンサルと結びついて
システム構築までやるプロセス(アクセンチュアやIBMビジネスコンサルティングなど)が
あるだろうが、それらの評価が高いのは営業段階を越えて継続顧客となっているため、
見積もり工数不備要因のバイアスが取り除かれるからだろう。
たぶん、これのネックは
▲『見積もりプロ』のポジションを世の中で確立させる方法が非常に難しい
▲評価を促すのに、『機密保持契約』が邪魔をする
というところだろう。
サービスは評価がしにくいからね。
しかし、詰めれば可能性がある分野だとは思う。