~ The captaincy ~
「練習だからこの程度でいいと思ってんだったらやる意味ないからな!」
キャプテンの檄が飛び、コート内に一気に緊張感が走る。
前髪が額にはりつき、汗は頬を伝う。
端正な顔立ちが厳しい表情になると美しさがより際立つ
時折、可憐で儚げに見えるときがあるけれど、それは外見だけで中身は誰よりも雄々しい。
高いレベルを求め続けるから人は向上できる。
キャプテンの言うとおりだった。
頷きながらボールを手にした。
求心力があって
コート内にいないときでさえも存在感があって、常に俺たちのキャプテンでいてくれた。
心は全員と繋がってくれていて、
その上、みんなを包み込んでくれている。
だから絶対的な安心感で暴れてやろうって思える。
そして
なんでかな、
ほんとは熾烈なポジション争いに生き残るために
監督やコーチにアピールするべきなのに。
時折そんな考えが一切なくなることがある。
どうして…?
アピールは大事なことのはずなのに
そんなことに固執すること自体がくだらないとさえ思う。
それほどに
このキャプテンの元にいるとバレーボールに没頭できるんだ
どうしてだろうか…
To be continued.