- 街の灯 (文春文庫)/文藝春秋
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大好きな 北村薫氏の
「わたしのベッキーさん」シリーズ 第一弾。
ハードカバーで、読んではいたけれども
その後 続編がでて、ずっと、そのまま。
文庫になって、しばらくして、
やっと、 6月に シリーズ購入してきました。
あいからわず、北村氏の作品は むずかしいのだけど、
でも、魅力たっぷり。
今回は、「円紫さんとわたし」にちょっと似た感じに
わたしが、主人公。
まぁ、今度は、名前がちゃんとあるけど。
ただ、あの作品とは違って、
わたし=英子
が ワトソンときまっているわけではなく
ベッキーさんと 二人で、ホームズになったりワトソンになったり・・
道しるべ的な役のベッキーさんも
ただ、甘やかすだけでもなく、主人である 英子に対しても厳しい。
そして、なによりも、北村氏の作品で 美しいのは
街の風景。
今作は、関東大震災のあとの昭和初期の東京。
少しづつ復興してゆく、街の様子が、とても美しいとおもう。
でも、やっぱり、時代が時代、
首相が暗殺された
英子が暴漢に襲われる
など、時代的な背景もでてくる。
でも、英子にしてみたら、日常のような
そんな感じをうけ、
普通の女子学生として過ごしているのが いい。
もちろん ストーリーは ミステリーなのだけども
ミステリーとして読むよりも、
時代小説的に、読んでみるのも、おもしろいとおもう。