【プラモデル】戦車模型初心者が、缶スプレーで戦車の3色迷彩を塗ってみた | ㊧ 日々悪食 ㊨

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ゲームとか旅行とか、画像の重そうなもの色々。

ツイッタにて

曹長さん

https://twitter.com/soucho61

 

が提唱された

『気軽に戦車プラモ作ってみようよ。エアブラシがなくても、筆塗りテクニックなくても格好良く出来上がるよ』

というテーマにいたく感動した私は、さっそく追随して実行させてもらうことにしました。

 

 

 

 

 

なるほど。

百均紙粘土を使って手軽にマスキングしておいて、缶スプレーをシューっと吹いて、楽ちん簡単に仕上げるのですね。

 

 

じつに素晴らしい

 

 

 

戦車模型初心者としてはこういうtipsを待っていた。

上級者だけができる超絶技巧とかじゃなくて、「凄い巧い人が教えてくれる、素人でも簡単にそこそこ上手くできるやり方」が知りたかったんです。

 

お陰様で戦車模型の一歩を踏み出せます。

 

 

完全に理解した ので、さっそく次の日から実行に移すことに。

 

 

そう、初心者でもいいのです。

まずは戦車模型をはじめてみましょう。

手軽に、気楽に。

 

考証とか、精緻な作業とか、素晴らしい出来上がりとかは偉大な先達やプロの方々におまかせして

まずは面白そうな戦車模型の世界へと歩を進めてみましょう。

 

 

 

 

 

step.1

数年放置してあった、タミヤ 1/48 ヘッツァーくんを手に取ります。

 

ヘッツァーくん、ちっちゃくてカワイイですよね)

 

 

1/48シリーズは組みやすく、安くて、しかも小ぶりなのでコレクションにも最適なアイテムなのですが

難点として、すべてプラ履帯なのでその部分だけ工作難易度が上がるのと

1/35シリーズと比べてサイズが小さいので、近眼・老眼の初心者の方は要注意です。

個人的な感想ですが、最初はタミヤ1/35シリーズを選択するのが安牌かと思います。

 

 

ちょうどこれ、とりあえず模型屋で気に入って買い込んで、その日のうちに組むには組んだものの

『三色迷彩とかどうやるんだよ・・・』

と絶望した私によって、数年前から放置されてたキットなのです。

 

 

まさに今回のようなケースに最適。

 

戦車プラモ初心者でほんとうにすまない。

 

 

 

 

なお

「家に、都合よく戦車プラモなんて転がってねーよ」

と心の声をあげられた皆さん。

まったくもってその通りです。

 

なんの反論もございません。

 

と、いうわけでそういう方はまず、近所の模型屋さんか家電量販店に行きましょう。

そしてそこでお気に入りの戦車のタミヤ1/35を買いましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

step.2

次は、河川敷など「他人様の居ない場所に行って、缶スプレーを吹きます」

 

まずはベース色を塗装します。

曹長さんはオキサイドレッドをベースとされていますが、私はヘッツァーの“木漏れ日迷彩”に挑戦するのでベース色は緑色(オリーブドラブ)で行くことにします。

 

 

晩夏の夕方、湿度の低い日を狙って河川敷でプシュー

(他人様さえ居なけりゃ河川敷にこだわらずに、浜辺でも裏山でもいいと思います)

(ちなみに湿度の低い日を選ぶのはかなり大事。曇りや雨の日など、湿度の高い日にスプレー塗装すると、吹き出した塗料がダマになって飛び散ります。必ず避けましょう)

 

 

 

正直な話、自分は傍から見たら「河原でスプレー吹いてる完全な不審者」なので、そのへんは理解していくムーブ。

 

前後100mぐらいに人影が見えたら、スプレー吹くのをやめて待機。

風下の人に迷惑かけたら、せっかくの楽しいプラモも楽しくなくなるしね。

 

 

風景でも眺めながらぼんやりしてるか、散歩したりストレッチでもしておきましょう。

 

 

 

吹く(3分)+乾燥(10分) を3クールこなして吹き重ねていきます。

だいたい45分程度でこんな感じになりました(夏の時期の話です。冬季だともうちょい乾燥時間あけたほうがいいかと)

 

 

 

 

 

 

step.3

つづいて紙粘土とマスキングテープでマスキング。

 

足回りだけマスキングテープで覆ってしまって(近所の家電量販店のキッズコーナーで売っています)

それが終わったら、百均で買ってきた紙粘土を用意します。

 

 

 

そして紙粘土を適当にちぎって、迷彩っぽくしていきます。

 

この時に、パッケージアートを参考にしながら

「下地のどのへんを残せばいいのかな?」と考えながらマスキングしていきました。

 

 

と、なにやら一人前っぽいことを書いていますが

実はかなり適当です。

 

そう、今回は まずは適当にでも作って仕上げる のが目的です。

それらしく見えればok。

 

考証的に…とかは、もっと上手くなってから考えましょう。

 

絵でも論文でもシナリオでもプラモでも、まずは仕上げることです。

やりきって完成させることです。

さすれば次は必ず上手くなります。

 

当たり前ですが、初心者がいきなり上手くはなれません。

ツイッタや模型誌なんかのプロの凄い作例で目が肥えてしまっていて、作業している自分の作品を見た時に「これじゃあちょっとな…」と思ってしまったとしても、まずは完成させていきましょう。

 

 

というか

いきなり上手くなられてしまったら、プロや先達の立場がないだろうが

 

 

 

ちなみに紙粘土マスキングですが、想像以上にやりやすかったです。

粘土遊び感覚でさくさくやれます。

 

 

肩の力を抜いて、遊び感覚でやりましょう。

 

スケールモデルが怖い?

 

気のせいです。

周りの皆は優しいし、そもそも遊びなんだからミスを怖がることはありません。

 

むしろ 初心者にとって失敗はアドバンテージ だと思いましょう。

 

失敗から得た経験こそが、あなたを上手くさせるのです。

 

 

あとは戦車模型はミスを怖がる必要はない、という強い根拠の一つに

「いくらでも手直しがきく」というのがあります。

 

あとで書きますが、ヘッツァーくんを作ってる最中に私は部品(車体上部、リモコン機銃の前あたりのやつを)をなくしました。

でも

 

「戦闘で取れたことにしよう!」←これで解決です。

実際、写真見たらそんな車両はなんぼでもあります。

 

作ってる最中にカッターやニッパーの手が滑って、車体にすごい傷が付いた?

そんなもんはハンダゴテやお線香を押し付けて上から弾痕をつくってやりましょう

いわゆる『よし、プランBでいこう!』です。

キレイに作るんでもなければ、なんぼでも後から言い訳(=修正)がききます。

 

 

よっぽどのミスでも気にすることはありません。

 

ちなみに車体が割れるようなミスをしたとしても大丈夫。

また買いに行けば済む話です。

戦車プラモが売り切れとか聞いたことありません。戦車はいつでもあなたを待っている。

あなたはそれで経験を得て、業界は潤う。win-win

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

step.4

2色目をスプレーで吹く

 

 

2色目はブラウンで、パーっと吹きます。

 

スプレーで吹く時は、プラモデルとスプレーの間をけっこう空けて(45cm以上)

手首のスナップを効かせつつ

チラッ、チラッとまばらに吹いて塗装していくのが良いです。

 

あんまり近くで吹くと、スプレーから噴出した塗料がダマになっちゃいます。

 

 

 

 

 

乾燥させてから紙粘土をおそるおそる剥がしてみると

 

意外と(失礼)いい感じ。

いや、これはマジでいい手法なのでは?

 

 

 

ところどころ、こびり付いてしまっている紙粘土をツマヨウジでやさしく取ってあげると

 

 

いや、ほんとこれ想像以上にいいぞ?!

 

最初にやってこれは俺才能あるんちゃうか?(慢心)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

step.5

3色目を吹く

 

また紙粘土とマステで上からマスキングをして、3色目はデザートイエローを吹きます。

 

 

 

(粘土とマスキングテープで何重にも巻かれて、なんかもうダンゴムシみたいな見た目に)

 

 

 

 

2色目まで好調だったので、意気揚々と作業していた私は

「奥の方までちゃんと塗装できるか不安だな…。よし、念入りにスプレー吹くか」

と考えて(これが失敗の原因)、何度も念入りに、しかもプラモの近くでスプレーを吹いてしまいました。

 

 

 

そうすると

 

 

ぎょええぇぇぇぇぇ!!!

 

 

スプレーから大量に噴出された塗料が、紙粘土の際のところで溜まってしまい

紙粘土と癒着してえらいことになってしまいました。

(しかもこの時に、車体上部の細かい部品ももげて行方不明に)

 

 

 

 

 

 

 

 

step.5.5

リカバリー作業

 

戦車模型初心者の私ですが、プラモデルははじめてからもう8年以上経っています。

わたしの自覚としては、もはやプラモデル中級者です。

ではいつから中級者になった、と自覚したかと言いますと「技術が上手くなった時」ではなくて

「ミスに慌てず、すぐリカバリーできるようになった時」からですね。

 

 

ということで、ここは慌てず騒がず、紙粘土(と癒着した塗料)をお湯で洗い流してしまいます。

 

 

 

 

そしてスプレー缶の塗料を皿に出して、筆でリタッチ(上から再塗装)。

 

 

 

これで “ある程度は目立たなく” なりました。

 

コンペに出す作品なら「シンナー風呂にドボン」の刑ですが、別に気負った作例でもないですし

ここは失敗は失敗のままで進めることに。

 

みなさんも作っている時に失敗することがあっても、あまり気に病まずに

「自分が気にならないならそれでいいや」と、ある程度開き直って進めていきましょう。

 

趣味なんですから

「まずは楽しく」です。

 

 

 

と、いうかですね

戦車模型は最後にだいたいハード目にウェザリングを施すので

多少の失敗は素人目にはわかりません 

(もちろんコンペとかだと審査する人は玄人やプロなのですぐにバレる)

 

 

ただ、日常の中で自分が楽しむぶんには

気にしたら負けです ガハハ

 

 

遊びなんだから楽しんでいけ。

初心者のうちは「上手く作る」よりも「楽しんで作る」ことのほうが大事だと思います。

 

楽しく続けてりゃ、そのうち上手くなるでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

step.6

“木漏れ日迷彩”特有の、点々の部分を筆書き

 

適当に筆でちょんちょんと描いていきます。

気楽に、「自分が戦車兵になった気分で」楽しみながら描いていきましょう。

 

 

俺の戦車を塗装するぜー♪

ぐらいの気分でGo

 

 

なに?

実物写真とちょっと違う?

 

 

 

そんな細かいことは気にするな。

自分が気にならなければそれでよろしい。

 

 

そして実物写真との違いをひと目見て判るような人は超上級者です。

スケールモデル界隈の上級者は、みなさん初心者に優しい(たぶん過去になにかあった)ので

「これは実物とは違うね~」なんて言う人はいません。たぶん初心者を逃がしたくないんだと思う。

 

上級者の優しさにつけこんで、初心者のうちは好き放題やればいいと思います(暴論)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

step.7

ウオッシング(汚し作業)

 

 

このへんについては、私なんかが解説するよりも ラブ♡プラさんのサイトを参考にされるか

アーマーモデリング誌(アーマーモデリング2022年7月号 『カタカナ読めます?』なんかが最適)などを購入されて、そちらを参考にされたほうがいいかと思われます。

 

 

ベッタベタにウォッシングしていきます。

 

 

(右側面・使用前)

 

 

(右側面・使用後)

 

全体的にウォッシングしたおかげでトーンが落ちて、いい感じに使用感が出てきました。

(あと先程の失敗も目立たなくなってきています。これが戦車模型の良いところ。

もちろんプロの人や、見る人が見れば判るんですが、自分のような人間にはそこまで気になりません。

自分が「作って楽しかった、よくできた」と思える程度にリカバリーできたのなら、それはもう成功です)

 

 

 

 

ついでに雨だれや、錆塗装もこの際ですからやっちゃいます。

エナメル塗料のクリアオレンジでササッと凹部の雨が溜まりそうな部分に塗っていきます。

 

(前面・使用前)

 

 

(前面・使用後)

 

 

 

ウオッシングとウェザリングを済ませてしまえば、だいたいこんな感じになります。

 

けっこう、それらしくなってきました。

いい感じではないでしょうか?(自画自賛してモチベを上げていく)(割と大事)

 

 

 

 

ちなみに、個人的には「この段階で完成」としてしまってもいいとも思います。

この時点だと、以下の写真のような感じです。

そのへんは製作者さんの好みで。

 

 

ちなみに私は泥遊びが大好きなので

さらに汚しにかかります。

 

童心に帰って、公園の泥遊びのノリで戦車模型をばんばん汚して遊んでいきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

step.8

最後にウェザリングペーストで仕上げ(泥遊び)

 

これもラブプラさんや、アーマーモデリング誌などをご参考下さい(丸投げ)

 

 

 

だってアーマーモデリング誌とかで読んだほうがわかりやすいもん。

写真も大きくて綺麗だし。

 

 

 

 

 

 

 

step.9

出来上がり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、いうわけで

曹長さんの仰る 「初心者でも、缶スプレーで三色迷彩は手軽にできる」

は、やってみた結果

 

完全にそのとおりでした。

 

 

(初心者につきものの)多少のミスはあったものの、戦車模型ならそれをリカバリーすることも容易ですし

ぜひ皆さんにも挑戦して頂きたいところです。

 

 

ガルパンなんかを見て

「あー、戦車か。いいなー。俺もなー。戦車プラモ作ってみたいなー」

「けどなー。むずかしいんだろうなー」

と、お悩みのそこのあなた。

 

 

戦車模型は簡単に作れますし、簡単に塗装できます。

 

 

 

 

戦車プラモは、メーカーさんと流通小売さんの努力によってどこででも手に入れることができます。

「タミヤの最新商品、4号戦車G型が売り切れ続出! 転売屋も横行!」

とかまずありませんし(むしろそんな風景、一度でいいから見てみたい)、どこでも気軽に買えます。

 

 

一度、この機会に戦車プラモに挑戦されてみてはいかがでしょうか。

 

思ったよりもこのハードル、低いですし、なにより楽しいですよ。

(そして奥が深い。上手くなろうと思えば、たぶんですが無限に上手くなれます)

 

 

 

最後に:

この機会を与えてくださった曹長さんに感謝を。

私も戦車プラモの裾野が広がっていくことを願っております。

 

楽しい趣味の1ジャンルなのでもっともっと流行って欲しい。