開発者は語る: Wii U開発の舞台裏(8)Wii Uの将来 | みらいマニアックス !

開発者は語る: Wii U開発の舞台裏(8)Wii Uの将来

Wii Uは次世代(現世代 ?)コンソールが戦うこの新しい世界で、果敢にも競争することはできるのだろうか?

単純な性能の面で、Wii Uは前世代と現世代の間の居心地の悪い所にいる。ハードウェアの一部は前世代よりも優れているが、それ以外部分はそのまま引き継いでいる。Wii UをPS4やXbox Oneと比較しようとするならば、間違いなく悲惨な結果に終わる。次世代のコンソールと競合することは全く不可能なのだ。

非常に基本的なレベルでは、次世代ハードの消費電力を見て見ればいい。PS4は任天堂のコンソールよりも、主電源から100W以上大きな電力を引いている。PS4は最新の、最高の電力効率を備えたAMD製のx86コアを搭載し、遥かに巨大なGPUは1世代先のものであり、より微細な28nmの製造プロセスルールで作られている。私が信頼できる筋から聞いているところでは、それに対してWii Uは日本のルネサス製の55nmプロセスなのだ。

Wii Uと次世代ハードの間には、いくつかのはかない類似点がある。低消費電力のCPUとはるかに強力なグラフィックチップの組み合わせだ。だが次世代のタイトルの概念を安易にWii Uに持ち込もうとしても、それは全く上手くいかないだろう。性能の格差があまりに大きすぎるし、一方でXbox OneやPS4に今後登場するであろうGPGPUは、Wii Uにあるようなハードウェアの古いシェーダモデルとは互換性がない。

間違いないが、任天堂の1stパーティの開発者はハードウェアを歌わせることができるだろう。彼らがいつもそうするようにだ。だが現在の状況は、3rdパーティの開発者である私たちにとってはゾッとするようなものに見える。このハード上で進歩するチャンスは押しとどめられている。それはツール類の品質の低さ、そしてコードをWii Uの強みを活かすようにWii Uに適合したものとしていくことにおカネの面でのメリットが欠けていることによってだ。

個人的に言えば、これから何が起こるかについてはよく分からない。だが現在の傾向が続くならば、 Wii Uはおそらくほそぼそとした売上が続くことだろう。「必携」のタイトルが、おそらくは1stパーティからリリースされるまでは。その時点ではしばらくの間、売上はロケットのように舞い上がるだろう。だがたとえそうであっても、PS4とXbox Oneの勢いに追いつくことはほとんどありそうにない。

中国でのゲーム機の解禁についての最近のニュースといったこの他の変数が、任天堂の将来の方向性に影響を与えるかもしれない。この巨大な未開拓の市場が売上の面でライフラインを提供するかもしれないが、一般的な人民は低賃金であって、中国での売上は高価なWii Uではなく、むしろ初代のWiiから来るかもしれない。

任天堂を侮ることは絶対にできない。だが私の経験から、またハードの売上から言うのであれば、任天堂は今、現代において最も困難な試練に直面しているのだ。


NS: eurogamer  The Secret Developers: Wii U - the inside story


みらい的コメント:


「開発者は語る: Wii U開発の舞台裏」は以上。
Eurogamerの元記事はコメント欄、オススメ数やツィート数が大変なことになっている。


(追記)
なんともプロジェクトXな内容で、個人的にはこの開発者氏を始め、Wii Uのロンチ開発に参加した開発者マジリスペクトというか、いっそ本体ないけどWii Uロンチタイトルの2、3本でもでも買っちゃうかというか。むちゃくちゃ面白そうなマリカWiiUがこんな状況で作られているとはもう涙がちょちょぎれるというか。実に興味深い内容だっただけに、もしも任天堂の中の人がこれを見ていてくれたらいいなあとか。

長い記事でしたが、ここまで読んでくださった読者の皆様、お疲れ様でした。