開発者は語る: Wii U開発の舞台裏(6)任天堂とオンライン② | みらいマニアックス !

開発者は語る: Wii U開発の舞台裏(6)任天堂とオンライン②

約束通りにグローバルのロンチの(直)前、私たちが求めていた最終版のネットワーク機能と、開発キットに対するOSのアップデートを受け取った。これでテストを行うことができるようになった。それで私たちはコードにパッチを適用し、テストを始めようとした。

まず最初に、私たちは一般ユーザ向けモードに開発キットをフラッシュする必要があった。Miiおよびネットワーク機能はここにあるからだ。これは非常に複雑な、マニュアルで行わなければならないプロセスで、コンソールを中途半端な状態にする。この一般ユーザ向けモードで、私たちは開発した機能をテストし、期待通りに動作することを確認するのだ。これは任天堂の認承を得るのに必要になる。

しかしこのモードのデバッグ機能は限定的なものだった。処理がうまくいかないことは分かるのだが、なぜ上手くいかないのかを探り出すために充分にデバッグすることはできないのだ。開発者として私たちは選択をしなくてはならないし、発見した問題が(未テストの)OSのコードによるものものであり、一般ユーザ向けの最終版では発生しないということに望みを託さねばならなかった。

簡単な作業であるべきことが、長々しく間違いを起こしやすいものになっていた。フレンド申請を他のユーザに送るというようなごく簡単なことがWii UのOSではサポートされていなかった。それを行うにはコンソールのプログラムをデバックメニューから手動で一つ一つ立ち上げなくてはならない。それでようやく送ることが可能だった。だがどんなエラーが起こったところで、なぜそれが起こったのかを突き止める方法はない。分かるのはただ、それが起こったということだけなのだ。

私たちは任天堂に、一体全体どうやってこのコンソールをロンチすることができるのか?と問いただし始めた。ロンチはもう数週間先に迫っており、OSは部分的にしか完成していないのだ。この時点までに生産されてしまっている本体全てに、どうやってOSを載せるつもりだというのだろうか?私たちの手元に来るのが遅くなっているだけで、生産ラインには既に完成したOSを投入しているとでもいうのだろうか?

ロンチの当日が到来し、その答えが明らかになった。

ネットワークについて任天堂は遅れた。それも大幅に遅れたのだ。実際のところ、Wii Uを完全に使うためのただ一の方法は、初日の巨大なパッチをダウンロードして、欠けているコンポーネントを追加することだった。このパッチがないとリリースされたタイトルの多くは半分も機能しなかっただろう。


NS: eurogamer  The Secret Developers: Wii U - the inside story