私たちのVita開発の経験について | みらいマニアックス !

私たちのVita開発の経験について

私たちのPS Vitaでのゲーム開発とセルフ・パブリッシングの経験についての最新の記事へようこそ。

私たちは今、2つのタイトルであるPub GamesとVTraxをアルファ版程度まで開発したのですが、そこで岐路に達しています。つまり私たちには今や資金がなくなってしまい、この先が不透明になっているのです。

現在、この2つのタイトルは「保留」状態です。

そして現時点で私たちは、もっと小さいタイトルをいくつか開発して、iOS、Android、Windows 8といったいくつかの他のシステムの市場に私たちのつま先を浸そうとしています。平行してPSMのタイトルを2本開発してきました。楽しかったですね。その最初の一本、Life of Pixelは1月9日に登場します。

それでは、Vitaに戻りましょう...


作業について

Vitaは本当にいいマシンで、優れたグラフィックス性能を潜在的に備えています。すてきなシェーダ、リアルタイムシャドウ、反射などで - 私たちは本当にこれを可能な限り多く利用したいと望んでいました。
私たちはそうしました。ですが私たちが直面した問題は、Vitaは、例えばPS3やXboxと同じほどの性能はなかったため、きちんとした性能を出そうとコードを最適化するのにほぼ数ヶ月を要したことでした。
それは私たちのような小さなデベロッパにとってはハードでしたが、その苦労の結果と、Vita上でゲームがどれほど素晴らしくみえるかについて、私たちは喜びました。

今や私たちは、望んでいたすべてのエフェクト(すべてのバーの水や液体)がそこにあって、きちんとしたスピードで動作するところまで来ました。シェーダーを活用し、環境中でリアルタイム・シャドウを用いたのは、私にとってこれが初めてだったのですが、それはすばらしいものでした。言いますと、今までやった中でも最も楽しいの3D作品でした。長い道のりでしたが。

ゲームプレイ、ゲームモードは、リワードといった、両タイトルのゲームのコアなコンポーネントが全て実装され完成したので、Vita IPAの特定のタスクをいくつか残すだけになりました。トロフィー、DLC、オンラインサポート、VTrax用のいくつかのコースといったものです。

正直なところ、私たちに与えられた予算とマンパワーでは、私たちが噛むことができるより、おそらく少しばかりすっぱすぎました。Vitaのソフトウェアに期待されるレベルは非常に高いのです。カーレースのジャンルでは特にそうで、このジャンルには信じられないほど良い大作の例がいくつもあります。

Need for Speed Most Wantedを見たとき、私は本当に考えさせられました。ワオ!こいつはあり得ない、ムムッ?!と。もう一度言いますが、私たちは2人だけのチームですので、読者の方にはその辺りを考慮していただく必要があります。

私たちは間違いなく、2つのしっかりしていてユニークなタイトルを開発しようとしましたし、これはVitaのゲームの良い一本に加えられるでしょう。手持ちのマンパワーを考えれば、私たちは良い仕事をしたと感じます。願わくば、いつか私たちがそれらを完成させる方法を見つけることができますように。


資金について

ひと月またひと月と過ぎることに資金はタイトになり、Vitaへの私たちの希望は打撃を受けました。Vitaがどれほどの失敗だったかとか、期待できるセールスがどれほど貧弱であるかとか、そういったことについてこれまでに読んだお話の数はもう数えきれないほどです。
そういったストーリーには本当に悲しくなるのですが、それは私たちがどのくらい上手くやれるかどうかについて心配しているからではなく、Vitaが本当にものすごく素晴らしいハードだからなのです。

私は、安給料やしばしば無給で働くという形で、私たちのVitaの開発の資金を負担しています。私はかつて家から追い出されたことがあり、ごく最近(正確に言えば今年2012年のクリスマスだ)二回目の追い出しを食らっています。ですがこういったこと全てを通じて、私はVitaに取り組んできた時間を本当に楽しんできました。

おそらく純粋におカネの点からみれば、私はずっと前にこの開発を中止したはずです。ですが私は開発を続けました。これまで非常に多くの時間と労力とそして愛(愛です、愛)をこの二本のゲームにつぎ込んで来たので、これを未完成のままで打ち捨てることなど考えられないと思ったからです。悲しいかな私たちは今、開発の継続が不可能な点に達してしまいました。収入なしでは続けられませんし、このタイトルを完了することはできないのです。


今後の計画

冷静に考えれば、外部から資金を調達せずにVitaのタイトルを2本も開発し自分たちでパブリッシュするというのは、あまりにも大それた計画でした。他にやりかたがあったとすれば、私たちがもっと小規模なVitaタイトルを何本かリリースしていればよかったのではないかと今となっては思います。
そうは言っても私たちが最初に始めたときには、ソニーIPAの要件は今よりもはるかにシビアだったので、私たちはこだわりすぎ、現実的に言って届けることができる以上のことを約束してしまったことでしょう。

私は心からVitaの開発を継続し、私たちのゲームを完成させ、それがPS Storeに並んでいるを見たいと思っています。Vitaは本当に素晴らしいハードです。ツインのスティックや物理的なボタンのような機能は大好きです。まさにゲーマーのためのハードです。


NS: Supericon  OUR PS VITA DEVELOPMENT EXPERIENCE


みらい的コメント:


Vitaちゃん愛されてた。

(そういえば、海外の開発者やゲーム関係のライタのコメントには、Vitaに好意的なものが多い。
クールだしパワフルだし、個人的には大好き!だけど売れないだろうね、モバイルの世の中だからしょうがないよね、残念だけどね的な、Oh poor Vita!な感じのやつだ。)


自分を見失いすぎている感じもあるが、この開発者は結構好感が持てる。

開発に入れ込みすぎて家を追い出されちゃうあたりは、クリエイタらしく微笑ましい。大資本が本気で作ったNfSMWを見て青ざめるあたりも、本人は至って真剣なのだろうが、どこかマンガチックだ。

それでもヘコたれない。ちょっとイタくて、でも愛がある。

彼らのVita版タイトルが好調なセールスを叩き出すとは思えないが、応援したくなるデベロッパだ。
1月9日のLife of Pixelは、とりあえず見て、おもしろそうなら買ってみよう。


それにしても、なぜ2本作ったし。