鉄拳・原田氏: インタビュー | みらいマニアックス !

鉄拳・原田氏: インタビュー

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EurogamerのTom Phillips氏がMr.鉄拳・原田氏にインタビュー。


原田氏の向かいに座り、私はこの鉄拳シリーズのボスが、本当は控え目で、遠慮がちな人柄だと分かった。彼はネオのスタイル(訳注:映画マトリクスの主人公。サングラスがトレードマーク)をやめ、シンプ​​ルな眼鏡に取り替えていた。しかし彼のステージ後の装いは爽やかで率直なままだった。バンダイナムコという組織での彼の地位を考えればなおさらだ。

私がかれに思い出させたこと事実は、公衆が目にした最後の本当の姿を思い出すことで、「泣き言や不満」を言うファンが軍隊のように彼のTwitterアカウントに突撃し、鉄​​拳の声優達が変更されたことに不満を言ったことへ強い口調で答えたことだった。彼の回答は棘のある言葉で締めくくられていた。「ありがとうございます。理解していただいたことにも、理解していただけなかったことにも」

原田氏はうなずく。「私は日常的にやり取りするファンの99%はたぶんとても普通の人で、自分の意見をはっきりといってくるのです。「私たちはこれが好き、私たちはこれが嫌い」と。それは非常にシンプルでわかりやすいし、良いフィードバックだと思います。ですが私は最初にそれをもらうことはできませんでした。もし突撃されたのが私だけであれば、全く問題にはならならなかったでしょうが。」

「しかし一部のファンは、別のゲームプロデューサーや、私がTwitterでフォローしてる他の人達、ゲーム以外の関係者、個人的な友人にまで突撃しはじめました。「原田にこれをしろ、それをしろといってください」と。これにはとても困りましたし、本当に止めて欲しいと思いました。そしてあわせて私は声優が変更された理由を説明しました。」

原田氏はファンの反応に驚いた。刺々しい口調にもかかわらず、大半のファンが彼を支持したからだ。

「私がそんなに偉そうに語るべきではない、とファンの皆さんは思うだろうと思っていたのですが、多くのファンは私が言ったことが正しかったとわかってくれました。

BioWareがリリースしたMass Effect 3: Extended Cutのゲーマー賞の受賞がトップ記事になる一方で、任天堂のボスReggie Fils-Aime氏が自社のE3の精彩を欠くカンファレンスを弁護し、「いくらやってもキリがない」という烙印をファンに押している。ファンの有害な要求に屈するのはどのくらい危険なことなのだろうか?

「レジーさんは、ファンからの要求と期待に本当に終わりがないと言っていますが、その通りだと思います。全員を100%を喜ばせることは不可能だからです。99%ならば、もしかすればできるかもしれません。求められた機能をみなゲームに盛り込めば。しかしそうすれば開発スタッフの確保という問題に突き当ってしまいます。ファンの要求を実現しようとすれば作業が多くなりますし、そうすればファンの皆さんは、望むように早くにはゲームを手に入れることができなくなります。これはとてもむずかしいことなのです。

「ですが鉄拳タッグトーナメント2で、私たちは鉄拳シリーズがこれまでしてきたことよりもずっと上を行くことができました。これならば99%というファンの満足度は達成できたのではないかと思います。


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鉄拳ファンが賞賛していることの一つは、原田氏の有料のDLCキャラクターと、アンロックDLCに対する姿勢だ。鉄拳のDLCキャラクターはまだまだあるが、原田氏はこの姿勢を保つことができるだろうか?

「DLCは、有料であろうと無料であろうと、多くのゲームはデータををディスクに持っていますし、それは珍しいことではありません。私がこれまで言ってきたのは、少なくとも鉄拳においては、テクニック、キャラクター、ステージ、この3つについて別料金はとらないということです。それがDLCであってもです。

だがいくつかのオンディスクDLCは必要かもしない、と原田氏は示した。

「つまりこうです、あるプレイヤーは特定のキャラクターをダウンロードしており、そしてそのキャラクターを持っていない別の誰かとプレイするとすれば、この人にとって、そのプレイヤーと対戦するには5分ほどかかるということになってしまいます。
これは全く非現実的ですし、非常に良い印象を与えるということはあり得ないでしょう。それでこれらの問題に対処するためのことをするわけです。それであるコンテンツはディスクに、あるコンテンツはそうはならないのです。ですが無料なので、これは特に問題にはなりません。

原田氏はここで話を一旦止て翻訳者と協議し、そして胸の重荷を下ろしたい男のように語り始めた。

「そもそもこれは私の上司がずっと前から求めていたことなのです。DLCはどうするのか?いくら儲かるのか?と。会社ですので、もちろんおカネは稼がねばなりません。それで今でも、始終求められているというわけです。ですが私はこのスタンスは変えないで来ました。私が作る格闘ゲームは、楽しくプレイをするのに必要なものは全てディスクに入れておきますし、それでなくとも、少なくとも無料にしておきます。

これはタフな路線だ。間違いようもなく、会社の売上の責任者は、どこかから余分なキャッシュを稼げないかと探し回っていいるのではないだろうか?そしてそれはその通りだった。原田氏は、他のタイプのアイテムを有料DLCにできないかを検討している。これらは鉄拳タッグトーナメント2のコアパッケージとは無関係であるとされ、区別されるようになったのだ。

「必須というわけでもなく、それだけでエンターテイメントとしての価値を高めるような何かがあれば・・・。例えば、多くのファンはこれまでの作品のサウンドトラックを求めます。あれば買うのにといってくれるのです。それで、こういったものや、過去の作品のエンディンク・ムービーを売り出せば・・・。これらのアイディアは、ゲームを楽しむ上で不可欠なものではありませんし、おカネを払っていただけるかもしれません。

上司がそれでは足りないと言ったら? 「もしも有料DLCを出すかナムコを辞めるか、どちらか一つを選ばなければならないとしたら、たぶん辞めるのではないでしょうか・・・。さもなければ「誰か他の人にやらせてください」と言うでしょう

原田氏は、ミントをもう一つ口に放り込みながら付け加えた。


NS: Eurogamer
http://www.eurogamer.net/articles/2012-07-09-mr-tekken-behind-the-shades-of-the-franchise-chief


みらい的コメント

カッコ良すぎるだろ原田さん・・・

一応追記すると、原文のアタマとシッポは若干省略している。アタマはステージから降りてくるところ、シッポは次は自分が倒れることになるのではないかとうジョーク(?)だ。