きゅうりぐさ
大石悦子句集「百囀」より
ひまはりの咲いてさびしい夏もある
~ぱきっとした青空にまっ黄色のひまわりを一人で見てたら寂しいだろうなと
よき嫁といはれ芋焼酎が好きで
~後10年20年経って生きてたらそう偲ぶ友がいそうだなと
星一つこぼさずに年逝きにけり
~意味は分からなかったけれど綺麗だなと
オリオンに一献シリウスと一献
~酒は飲めなくなったけど真っ暗な中星空の下で蘊蓄のある酒を飲んだらおいしいだろうなと
ななくさなづな父のこゑ母のうた
~この詩で久し振りに思い出す
古稽(いにしへかんが)ふることが稽古ぞ初硯
~身に染みる言葉だなと
淡交も過ぐればさびし花蘇枋
~淡交がなくなっても寂しいのか淡交だから寂しいのか、、、
落穂にて白鳥を百養はむ
~無意識に徳を積む
如月の別れやながき無言経
~吐く息白き沈黙を思う
今生の桜吹雪の中逝かれ
~幼い日に一度だけ見た桜吹雪のトンネル、笑顔だった父母
春の山とは父もゐき母もゐき
~子供の頃駆け巡った小さなお椀型のみかん山を想う
同齢の死や八月の凄まじき
~「凄」におののく
国ぶりの塩で食べよと新豆腐
~伊予絣とか砥部焼とか国元のものが懐かしい
酔芙蓉除く湯屋あり長湯せり
~こんな湯屋なら自分もきっと長湯する
絶景や兄のゆきたる初山河
~涙こらえて
葭簾母ならきつとここに吊る
~母なら父ならきっとこうすると今も指針にしている
われ母似いもうと叔母似赤のまま
~無学にて赤のままの意味は分からねど
つきくさや明治の父の母との恋
~明治の祖父との恋物語を話す祖母を思い出して
萩は父の芒は母の風よこす
~風を想って



