ギリシャのナルキッソスという青年は日頃か ら自分の美貌に強い自信を持っていた。
それが女性であろうと男であろうと、自分の美貌に勝る人間はいないと常に思っていた。
ある日、彼が川辺でうたた寝をしていると、どこからともなく声が聞こえて来た。
「お前より美しい男なら川の底に住んでいるさ。さあ、覗いてごらんなさい」
その声の言うままに彼は川を覗き込んだ。
そこにはナルキッソスでもうっとりする様な男が映っていた。
「嗚呼、貴方は誰なんだ」
そう言い、彼は身を乗り出した。
そして、あっという言葉と共に彼は川に落ちた。
彼は溺れ死んだ。
これより時は進み、唐の時代の話しである。
当代きっての詩人である李白は、川辺に舟を浮かべ、一人酒盛りをしていた。
空の月は気づけば自分の真上で輝き、夜の水面は鏡の様に穏やかであった。
彼はどんどんと杯を重ねてゆく。
酔いも回ってゆく一方だ。
突然どこからか声がした。
「今夜の月は空と地上の二つも顔を出している。滅多にないことである」
彼はその声を聞くとそろりと水面を覗き見た。
そこには美しい月があって、容易く彼の手の中に収まりそうな大きさだった。
「嗚呼、地上の月よ。君は故郷の月よりも美しいというのか」
そう言い、彼は舟から水面の月に手を伸ばした。
そして、あっという言葉と共に彼は川に落ちた。
彼は溺れ死んだ。
彼らは悪魔に喰われたのだ。
それが女性であろうと男であろうと、自分の美貌に勝る人間はいないと常に思っていた。
ある日、彼が川辺でうたた寝をしていると、どこからともなく声が聞こえて来た。
「お前より美しい男なら川の底に住んでいるさ。さあ、覗いてごらんなさい」
その声の言うままに彼は川を覗き込んだ。
そこにはナルキッソスでもうっとりする様な男が映っていた。
「嗚呼、貴方は誰なんだ」
そう言い、彼は身を乗り出した。
そして、あっという言葉と共に彼は川に落ちた。
彼は溺れ死んだ。
これより時は進み、唐の時代の話しである。
当代きっての詩人である李白は、川辺に舟を浮かべ、一人酒盛りをしていた。
空の月は気づけば自分の真上で輝き、夜の水面は鏡の様に穏やかであった。
彼はどんどんと杯を重ねてゆく。
酔いも回ってゆく一方だ。
突然どこからか声がした。
「今夜の月は空と地上の二つも顔を出している。滅多にないことである」
彼はその声を聞くとそろりと水面を覗き見た。
そこには美しい月があって、容易く彼の手の中に収まりそうな大きさだった。
「嗚呼、地上の月よ。君は故郷の月よりも美しいというのか」
そう言い、彼は舟から水面の月に手を伸ばした。
そして、あっという言葉と共に彼は川に落ちた。
彼は溺れ死んだ。
彼らは悪魔に喰われたのだ。