さて、明日はもう千穐楽。
松緑さんの丸橋忠弥。
中間は、成田屋さんの市川新蔵さん、
音羽屋さんの尾上菊伸さん、
澤瀉屋さんの猿三郎さんと、
お家の違う脇の方、お三方。
貫禄がありましたね。
普段、台詞の少ないお三方ですが、
渋い魅力、放っていて印象的。
後半の立ち回りは、ちょっと油断したら
大怪我するだろうと思われる手付けで、
ドキドキでした。
すごかったですね。
そう来たか〜!
という良い手が付いてました。
立ち回りの前の幕間には
幕の閉まっている舞台の方から
「よろしくお願いします!」
「お願いします!」
という、大勢の掛け声が聞こえ、
そういうことって
歌舞伎の舞台では珍しいことなので、
何だろ?と思っていたけれど、
心を合わせないと怪我をするので、
芯と絡み、全員での気合い入れだったのでしょう。
立ち回りの舞台を観て納得。
戸板倒しでは、着地で松緑さんが転倒。
一瞬、ヒヤっとしました。
(くじいたかと思った💦)
すぐ立て直し、続けられました。
絡みはとてもよく稽古してましたです。
『芝浜革財布』は獅童さんと寺島しのぶさんですから、
よく息が合って良かったです。
舞台は、
幕は無く、照明ナシからの獅童さん板付きから。
普段の歌舞伎ではあまり無い事でした。
真っ暗な舞台の中央にキセルの火が赤くポッポッと光り、
獅童さんの「ヘックショ!」というくしゃみと共に
夜明けの薄暗い砂浜が見え
始まったのが面白かったです。
問題は、酔っ払い達の宴会。
半年前に同じ歌舞伎座で『芝浜革財布』のお芝居を観だけれど
その宴会がどうにも間延びしてグダリ
おかしくもなく、いただけなかった。。。
元の台本が他人の女房の容姿をオチョクルという
現代のハラスメント的には不味かろうという内容なので
笑いに持っていくのが難しそう・・・
昭和の『ドリフターズ』のチョーさんが
「おまえはバカなんだから、なんにもしないでそこに立ってなさい」
なんて言うのを聞いて皆ゲラゲラ笑ってた時代と違う。
今回は、この酔っぱらい達が
中車さん、猿弥さん、獅童さん(加えて梶原善さん)という
アドリブ自由自在の【歌舞伎役者最強の演技派】揃い。
このメンバーで面白くなかったらこのシーンやめた方がいい!
というくらいの役者さん達です。
内容は台本通りなので面白くはないのだけど(書いちゃった)、
中車さんや獅童さんの突き抜けたお芝居と『間』に笑わせてもらいました。
やっぱりアレ、突き抜けるの大事。
「ホントしょうもないなあ」「バッカだなあ」
と大笑いされるレベルでないと・・・
並の酔っ払い程度では
ただの街中のグダる飲み会と同じになってしまう。
ということで、今後もこの『芝浜革財布』の酔っぱらい達のシーンは
歌舞伎役者さんにとって、とても難関だと思います。
(さっき獅童さんのインタビュー記事を読んだのだけど、
やはり、この酔っぱらい宴会シーンのお稽古に一番時間をかけたとか。
然もありなんです)
しのぶさんは、前回に引き続き、
夫想いの健気な女将さん役。
悪女のしのぶさんに閉口する獅童さんを観たいところ。
山姥役とかね。

