朝自室から出てきて

「おはよ」と暗い声で言う母

これが地味にイライラする

100歩譲って元気よくならまだしも


うちの家族は朝におはようなんて

言う習慣はない

私自身も思い出しても昔も

そんな朝の挨拶を家族間で

やりとりした記憶もない


毎日毎日面倒なので

「あー」これが私なりの挨拶だ


そんな母は7時半きっかりに

自室から出てきて私が綺麗に

リセットしたシンクを

ビチャビチャにする事から

始めるが数ヶ月前から徐々に

早くなって行きとうとう

7時3分きっかりになった

シンクを気の済むまでぬらした

後はお決まりのまるーく掃除機

ホコリも髪の毛も吸えてないが

本人はやった気満々


早くなった事で買い物に行く

時間も早い

大抵車で30分ほどかかるので

出発時間は8時半

スーパーには9時到着だ

朝9時から空いているスーパーは

限られているので同じになる


そんなケアマネが来た日は

すでに10時半だった

こうなれば10時開店のスーパー

にも行ける

普段行動が早すぎてあまり

行くことのない10時開店のスーパー


テレビでもよくやっていて有名だ

いつも大勢の人で賑わっているが

特に安いということもない


朝9時開店と同時に店内に入り

半額商品ばかりしか買わない

母にとってここのスーパーは

高いだけだと言う


ここのスーパー試食も豊富で

試食を貰うたびなんちゃって

評論家みたいに味もわからない

癖にうんうんと頷きながら食っている

値段を見て買わないのだが…


ここのスーパーはみんなカゴに

山盛り入っている

スカスカのカゴでカートを押しているの

は母くらいだ


美味しそうなスイーツを発見した私

その近くで食パンの値段の安いのを

探している母


スイーツを買おうかなと眺めてると

ふと横から声をかけられた

部門は違うが同じ職場のパートさん


同じくお母さんを連れての買い物

だったようで年齢的には同じような

感じのあちらのお母さんが

声をかけられた私に向かって

丁寧にお辞儀した後ご挨拶された


1メートルも離れてない場所で

うちの母はというと

こちらを向くことなく知らん顔だ


私は母を連れてのこういう時

知り合いに会いたくない

母を見られるのが恥ずかしいからだ


どう考えても喋ってるんだから

知り合いなのはわかるだろ

あまりにも知らん顔の母に対して

同僚パートさんが

「せちゅさんもお母さんとお買い物

しに来たんやな」


もうその声は母にも聞こえているが

それでも顔を食パンに向けたまま

咄嗟に話を変えて少し雑談したあと

その場を離れた

その間も母はそこを動くでもなく

挨拶するでもなくだ


なぜ「こんにちは」の一言が

言えないかなお辞儀すらしない

それが出来ないならせめて他人の

ふりでそこから離れてくれ


同僚パートさんは気にしてない

そぶりだったがどう思ったのかは

わからないがこんな母なのが

ただただ恥ずかしかった


少ししてから「あれ誰?」と聞く母

私「同じ職場の人」

母「あんな人知らんわ」


そりゃそうだろうよ

あんたが働いてるわけちゃうし

職場の話なんかあんたに

話すわけでもないのに

あんたが知っとる知ってない

じゃなくてどう考えても知り合い

なんやから挨拶くらいしろよって話


私は自分でいうのもなんだが

とにかく外では明るい

悩み事なんてないやろと

よく言われるほど元気いっぱいの

感じにしている

確かに職場は私のオアシスなので

よく笑いよくふざけている


なのでこんなじめっとした母親が

いるってしられたくない


結局せっかく行ったスーパーだったが

これ以上居てまた遭遇しても

いやなので早々に切り上げ

結局いつものスーパーへ向かった


となりの芝生っていうけれど

社交的な同僚のお母さんが

羨ましかった