株式価値評価方法(9)マーケット・アプローチ②類似会業種比準法 | 謎の金融日誌

株式価値評価方法(9)マーケット・アプローチ②類似会業種比準法

・類似会社比準方式と似た方法に、類似業種比準方式による株価評価があります。
この方法の一般的な根拠も、類似会社比準方式同様ユニバーサルに決まっているわけでは
ないのですが、以下ではジャスダック取扱規則による方法を参考としてあげておきます。

(参考)
ジャスダックの株価評価に関する規則

・計算式は以下のとおりです。

①:類似業種株価
②:類似業種1株当り配当金額
③:類似業種1株当り利益金額
④:類似業種1株当り純資産額
②':上場申請会社1株当り配当金額
③':上場申請会社1株当り利益金額
④':上場申請会社1株当り純資産額

株価=①×斟酌率×(②'/②+③'/③+④'/④)÷3

・上記のように、計算式そのものは類似会社比準方式とほぼ同一です。したがって、評価対象
会社と非常に似ている会社は上場会社の中にはないが、属する業種くらいは決められる場合
に使うことになります。
・ しかし、マーケットアプローチという名称はやはりちょっと違和感がありますね。市場株価という客観的なものに依拠するようにみえながら、調整係数や斟酌率 の影響が大きいということもありますが、配当・利益・純資産の3つの指標を使っていることの背景は不確かです。しかも配当と利益と純資産はそれぞれ独立し ていません。通常は利益の中から配当を払い、剰余が純資産として蓄積されていくからです。ファイナンス論的には3つの指標は一次独立ではない(複製可能) なので、株価指標としてかなり恣意的な印象を受けてしまうわけです(まあ、これは余談です。実務上は使いものになる合理的手段であれば特に否定することも ありません)。