株式価値評価方法(10)相続税「財産評価基本通達」による評価 | 謎の金融日誌

株式価値評価方法(10)相続税「財産評価基本通達」による評価

・今日は「財産評価基本通達」による株価評価について説明します。

・株式に限らず、財産を取得したり譲渡したりすると必ず税金の問題が絡 んできます。株を売買すれば譲渡益課税、相続すれば相続税、贈与すれば贈与税といった具合です。その際に課税額を算定するにはまず元の財産の分類と評価方 法が明らかになっている必要があります。「財産評価基本通達」とはそうしたあらゆる資産の税務上の評価方法について国が詳細に定めた通達なのです。詳細は 国税庁のホームページに条文が載っています↓

国税庁「財産評価基本通達」

この中でも、株式に関係あるのは「第8章その他の財産 第1節 株式及び出資」の節になります。
しかし見かけの複雑さとは裏腹に、実際の評価手法そのものは税務上独自のものではなく、既存のインカム・アプローチ、コスト・アプローチ、マーケット・アプローチの考え方を踏襲しています。ごく簡単に整理すると以下のとおりです。

(1)取引相場のある株式の場合
・当該評価対象会社の株価を参照する

(2)取引相場のない株式の場合
<原則的方法>
・同族会社の大株主や同族会社でなくても大株主に該当するなどの場合
① 類似業種比準方式
② 純資産額方式
③ ①+②の併用

<例外的方法>
・同族会社の非同族株主や、同族会社でない会社の少数株主などの場合
① 配当還元方式

・ 上記の区分の背景は、同族会社大株主や非同族会社大株主であれば会社資産の処分に際して大きな影響力を持っていると考えられるためです。したがって類似業 種の会社の規模や利益と同様の便益を享受できていると評価されるわけです。一方、少数株主はそのような影響力は行使できません。したがって単に配当を受け 取る以外に株式の金銭的価値がほとんど無いはずなので、配当還元方式での評価になっているのです。

具体的な計算方法などは以下をご参照ください(通達の改正により変更となる可能性があります)。

財産評価基本通達による株価評価