「株主配分を考える」日経2008年7月11日
「株主配分を考える(上) 揺れる業績連動 指標を工夫 減配抑える」 日経2008年7月11日
日本企業の株主配分が岐路に立ってい る。業暦連動型の配当政策が定着してきたが、原材料高や米国景気の減速などで企業業績が停滞する懸念が出ているからだ。業績に連動して配当を減らすか、減 配を避けて安定性を強調するか。投資家が増配圧力を高める中、企業は難しい判断を迫られている。
「年間配当三十円を確保するように努めております」--。半導体製造装置メーカーの東京精密は「最低額保証型」の配当政策を打ち出し、二〇〇九年三月期の決算短信にこう明記した。
半導体メーカーの投資抑制で今期の連結純利益は前期比半減になる見通し。「連結配当性向三〇%」との目標を掲げているが、これを厳格に適用すると、今期の配当は五十二円減の約十八円になってしまう。
同社の約四割の株主は配当志向が強い個人株主。最低額の目安を提示したのは、大幅減配を回避する「理屈が必要だったから」(高田泰男執行役員)という。今期は記念配を付け、年四十円にする予定だ。
上場企業は好業績を背景に株主への利益配分を増やしてきた。〇七年度の配当総額は七兆六千億円と過去最高を更新。純利益からどれだけ配当を支払うかを示す「配当性向」の目標を設定するなど、業績連動型の株主配分が普及したことも配当額を増やす原動力になった。
ところが、配当の財源となる企業収益に暗雲が広がっている。上場企業は今期に七期ぶりの減益となる見通し。「業績連動型の配当が定着して初めての減益局 面」(メリルリンチ日本証券の菊池正俊ストラテジスト)を迎える。業績連動型というなら、減益ならば減配してもよいはずだが、そう簡単ではない。
「減益だから減配や無配というのは短拓的だ」。生命保険協会の小野恵司企画部担当部長はこうクギを刺す。個人㈱ぬ主だけでなく、生損保や銀行など安定株主にとって配当は貴重な収入源。経営者もイメージダウンにつながる減配はなるべく避けたいのが本音だ。
そこで、配当額の変動を抑制する配当指標がじわり広がっている。配当の下限の基準を提示する「最低額保証型」と、自己資本に対する配当額の割合を示す「自己資本配当率(DOE)」が代表的な指標だ。
大和総研の調べによると、TOPIX(東証株価指数)五〇〇採用銘柄のうち配当指標を公表している企業は二百五社。配当性向のみが百四十八社と最も多いが、最低額保証型は二十四社、DOEは十九社ある。
東京急行電鉄は〇九年三月期からの中期経営計画でDOE二%をめどとした。越村敏昭社長はアナリスト向け説明会で「株主価値向上を意識した経営にかじを切った」と強調した。
配当性向が配当額を純利益で割るのに対して、DOEは配当額を自己資本で割って計算する。純利益に比べて金額の大きい自己資本を分母とするため、数値の変 動は小さくなる。大和総研の鈴木政博クオンツアナリストは「安定配当を好む経営者にとって使い勝手が良い指標」と指摘する。
ただ、DOEは国際性がないという欠点がある。「欧米で採用している企業はほとんど聞いたことがない」(ガバナンス・フォー・オーナーズ・ジャパンの小口俊朗社長)。業績好調時でも増配幅が限定されるので、株式投資の魅力をそぐとの声もある。
安定配当から業績連動型へ変わってきた日本の株主配分。収益環境の悪化を受けて、企業は業績連動と安定性のバランスを模索し始めた。
(最低額保証型)
・奥村組:安定配当9円または配当性向50%の相当額の高い方
・マキタ:年間配当18円を下限とし、連結配当性向30%以上を基本方針
・中部電:配当性向40%をメド。年60円配の維持に努める
・東京精:連結配当性向30%をメド。市況低迷時も年30円配当を確保するよう努める
(自己資本配当率 DOE)
・オリックス:当面はDOE2%を目安
・三井化学:連結配当性向25%以上、DOE2%
・東急:中計3ヵ年期間中はDOE2%
・オートバックス:11年3月期にDOE3%目標
(了)
→ 投資家の機会費用という観点が相変わらず無い。安定配当の考え方は毎月分配のグロソブのような感じ。預金じゃないんだから業績連動でいい。DOEは分母 が自己資本だから投資効率に近い概念を表すけど、簿価自己資本じゃ話にならないし、自己資本の変動の要因分解によっては恣意的な指標になるし、時間の概念 もないし中途半端はたしか。しかも投資効率指標としても2%じゃ国債だよ。
四半期配当もできるようになったのだから、四半期毎の株式時価総額に 対する配当割合とかで決めるとかどうなんでしょうか。メリットとしては①時価ベースの自己資本になる、②会計科目上の変動ではなく市場からの評価だけに影 響される、③四半期という投資期間を明示できる、④四半期ベースでの数値により、年1回の減配・無配ショックを緩和させられる、といった点があるのでは。 デメリットとしては(1)四半期での結果を問われる、(2)配当実務が面倒、(3)株価が乱高下する懸念、などがあるかも③と(3)は相対的にどちらか影 響大きいか分かりませんが。
日本企業の株主配分が岐路に立ってい る。業暦連動型の配当政策が定着してきたが、原材料高や米国景気の減速などで企業業績が停滞する懸念が出ているからだ。業績に連動して配当を減らすか、減 配を避けて安定性を強調するか。投資家が増配圧力を高める中、企業は難しい判断を迫られている。
「年間配当三十円を確保するように努めております」--。半導体製造装置メーカーの東京精密は「最低額保証型」の配当政策を打ち出し、二〇〇九年三月期の決算短信にこう明記した。
半導体メーカーの投資抑制で今期の連結純利益は前期比半減になる見通し。「連結配当性向三〇%」との目標を掲げているが、これを厳格に適用すると、今期の配当は五十二円減の約十八円になってしまう。
同社の約四割の株主は配当志向が強い個人株主。最低額の目安を提示したのは、大幅減配を回避する「理屈が必要だったから」(高田泰男執行役員)という。今期は記念配を付け、年四十円にする予定だ。
上場企業は好業績を背景に株主への利益配分を増やしてきた。〇七年度の配当総額は七兆六千億円と過去最高を更新。純利益からどれだけ配当を支払うかを示す「配当性向」の目標を設定するなど、業績連動型の株主配分が普及したことも配当額を増やす原動力になった。
ところが、配当の財源となる企業収益に暗雲が広がっている。上場企業は今期に七期ぶりの減益となる見通し。「業績連動型の配当が定着して初めての減益局 面」(メリルリンチ日本証券の菊池正俊ストラテジスト)を迎える。業績連動型というなら、減益ならば減配してもよいはずだが、そう簡単ではない。
「減益だから減配や無配というのは短拓的だ」。生命保険協会の小野恵司企画部担当部長はこうクギを刺す。個人㈱ぬ主だけでなく、生損保や銀行など安定株主にとって配当は貴重な収入源。経営者もイメージダウンにつながる減配はなるべく避けたいのが本音だ。
そこで、配当額の変動を抑制する配当指標がじわり広がっている。配当の下限の基準を提示する「最低額保証型」と、自己資本に対する配当額の割合を示す「自己資本配当率(DOE)」が代表的な指標だ。
大和総研の調べによると、TOPIX(東証株価指数)五〇〇採用銘柄のうち配当指標を公表している企業は二百五社。配当性向のみが百四十八社と最も多いが、最低額保証型は二十四社、DOEは十九社ある。
東京急行電鉄は〇九年三月期からの中期経営計画でDOE二%をめどとした。越村敏昭社長はアナリスト向け説明会で「株主価値向上を意識した経営にかじを切った」と強調した。
配当性向が配当額を純利益で割るのに対して、DOEは配当額を自己資本で割って計算する。純利益に比べて金額の大きい自己資本を分母とするため、数値の変 動は小さくなる。大和総研の鈴木政博クオンツアナリストは「安定配当を好む経営者にとって使い勝手が良い指標」と指摘する。
ただ、DOEは国際性がないという欠点がある。「欧米で採用している企業はほとんど聞いたことがない」(ガバナンス・フォー・オーナーズ・ジャパンの小口俊朗社長)。業績好調時でも増配幅が限定されるので、株式投資の魅力をそぐとの声もある。
安定配当から業績連動型へ変わってきた日本の株主配分。収益環境の悪化を受けて、企業は業績連動と安定性のバランスを模索し始めた。
(最低額保証型)
・奥村組:安定配当9円または配当性向50%の相当額の高い方
・マキタ:年間配当18円を下限とし、連結配当性向30%以上を基本方針
・中部電:配当性向40%をメド。年60円配の維持に努める
・東京精:連結配当性向30%をメド。市況低迷時も年30円配当を確保するよう努める
(自己資本配当率 DOE)
・オリックス:当面はDOE2%を目安
・三井化学:連結配当性向25%以上、DOE2%
・東急:中計3ヵ年期間中はDOE2%
・オートバックス:11年3月期にDOE3%目標
(了)
→ 投資家の機会費用という観点が相変わらず無い。安定配当の考え方は毎月分配のグロソブのような感じ。預金じゃないんだから業績連動でいい。DOEは分母 が自己資本だから投資効率に近い概念を表すけど、簿価自己資本じゃ話にならないし、自己資本の変動の要因分解によっては恣意的な指標になるし、時間の概念 もないし中途半端はたしか。しかも投資効率指標としても2%じゃ国債だよ。
四半期配当もできるようになったのだから、四半期毎の株式時価総額に 対する配当割合とかで決めるとかどうなんでしょうか。メリットとしては①時価ベースの自己資本になる、②会計科目上の変動ではなく市場からの評価だけに影 響される、③四半期という投資期間を明示できる、④四半期ベースでの数値により、年1回の減配・無配ショックを緩和させられる、といった点があるのでは。 デメリットとしては(1)四半期での結果を問われる、(2)配当実務が面倒、(3)株価が乱高下する懸念、などがあるかも③と(3)は相対的にどちらか影 響大きいか分かりませんが。