有利発行とは
新株や新株予約権を発行するときに、実務上特に注意が必要なのが
・有利発行
・不公正発行
の2点です。今回は有利発行を取り上げます。
有 利発行とは「新株・新株予約権を既存株主以外の第三者に宛てて発行する場合に、既存株主よりも特に有利な(安価な)金額(新株予約権の場合は「特に有利な 条件」)で発行する場合には、発行が定款上許されていても、発行条件について株主総会の特別決議を得なければいけない」という会社法(旧商法)上の規定に 抵触する状況を指します。なお新株予約権については総会決議により取締役(会)に発行条件の決定を委任することができます。
有利発行は会社における既存株主の価値を希釈化させ、持分を不当に低下させる危険があるからです。この点は大事なので、くどいですが形式的に確認しておきましょう。まず新株発行の場合です。
(旧商法280条ノ2第2項)※
「株 主以外ノ者ニ対シ特ニ有利ナル発行価額ヲ以テ新株ヲ発行スルニハ定款ニ之ニ関スル定アルトキト雖モ其ノ者ニ対シ発行スルコトヲ得ベキ株式ノ種類、数及最低 発行価額ニ付第三百四十三条ニ定ムル決議(※1)アルコトヲ要ス此ノ場合ニ於テハ取締役ハ株主総会ニ於テ株主以外ノ者ニ対シ特ニ有利ナル発行価額ヲ以テ新 株ヲ発行スルコトヲ必要トスル理由ヲ開示スルコトヲ要ス」
※1 特別決議を指す。
(会社法199条第3項)
「第一項第二号の払込金額(※2)が募集株式を引き受ける者に特に有利な金額である場合には、取締役は、前項の株主総会(※3)において、当該払込金額でその者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。」
※2 募集株式の払込金額(募集株式一株と引換えに払い込む金銭又は給付する金銭以外の財産の額をいう。)又はその算定方法をいう。
※3 309条第2第5号において特別決議事項に指定されている。
次に新株予約権の場合です(それにしても、いまさらカタカナは読みにくい・・・)。
(旧商法280条ノ20第2項)
「・・・ 左ノ事項ハ取締役会之ヲ決ス但シ定款ヲ以テ株主総会ガ之ヲ決スル旨ヲ定メタルトキハ此ノ限ニアラズ。・・・(中略)・・・(第13号)株主以外ノ者ニ対シ 特ニ有利ナル条件ヲ以テ新株予約権ヲ発行スルトキハ其ノ旨並ニ新株予約権ノ割当ヲ受クル者、之ニ対シ割当ツル新株予約権ノ数及其ノ新株予約権ノ発行ノ条 件」
(同280条ノ21)
「株主以外ノ者ニ対シ特ニ有利ナル条件ヲ以テ新株予約権ヲ発行スルニハ定款ニ之ニ関スル定アルトキト雖モ新株予 約権ニ付テノ前条第二項第一号、第二号及第四号乃至第八号ニ掲グル事項並ニ各新株予約権ノ最低発行価額(無償ニテ発行スル場合ニハ其ノ旨)ニ付第三百四十 三条ニ定ムル決議アルコトヲ要ス(以下略)」
(会社法238条)
「(第2項)募集事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない(※4)。
(第3項)次に掲げる場合には、取締役は、前項の株主総会において、第一号の条件又は第二号の金額で募集新株予約権を引き受ける者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。
一 第一項第二号に規定する場合において、金銭の払込みを要しないこととすることが当該者
に特に有利な条件であるとき。
二 第一項第三号に規定する場合において、同号の払込金額が当該者に特に有利な金額であ
るとき。」
※4 309条2項6号による特別決議
(239条)
「前条第二項及び第四項の規定にかかわらず、株主総会においては、その決議によって、募集事項の決定を取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)に委任することができる。この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 その委任に基づいて募集事項の決定をすることができる募集新株予約権の内容及び数
の上限
二 前号の募集新株予約権につき金銭の払込みを要しないこととする場合には、その旨
三 前号に規定する場合以外の場合には、募集新株予約権の払込金額の下限」
有利発行かどうかを巡っては過去たびたび実際に問題となり有名な裁判例もあります。このブログでは大それた法解釈などはとてもできませんが、証券設計という観点から興味深いのでいつくかの事例をとりあげてみようと思います。
・有利発行
・不公正発行
の2点です。今回は有利発行を取り上げます。
有 利発行とは「新株・新株予約権を既存株主以外の第三者に宛てて発行する場合に、既存株主よりも特に有利な(安価な)金額(新株予約権の場合は「特に有利な 条件」)で発行する場合には、発行が定款上許されていても、発行条件について株主総会の特別決議を得なければいけない」という会社法(旧商法)上の規定に 抵触する状況を指します。なお新株予約権については総会決議により取締役(会)に発行条件の決定を委任することができます。
有利発行は会社における既存株主の価値を希釈化させ、持分を不当に低下させる危険があるからです。この点は大事なので、くどいですが形式的に確認しておきましょう。まず新株発行の場合です。
(旧商法280条ノ2第2項)※
「株 主以外ノ者ニ対シ特ニ有利ナル発行価額ヲ以テ新株ヲ発行スルニハ定款ニ之ニ関スル定アルトキト雖モ其ノ者ニ対シ発行スルコトヲ得ベキ株式ノ種類、数及最低 発行価額ニ付第三百四十三条ニ定ムル決議(※1)アルコトヲ要ス此ノ場合ニ於テハ取締役ハ株主総会ニ於テ株主以外ノ者ニ対シ特ニ有利ナル発行価額ヲ以テ新 株ヲ発行スルコトヲ必要トスル理由ヲ開示スルコトヲ要ス」
※1 特別決議を指す。
(会社法199条第3項)
「第一項第二号の払込金額(※2)が募集株式を引き受ける者に特に有利な金額である場合には、取締役は、前項の株主総会(※3)において、当該払込金額でその者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。」
※2 募集株式の払込金額(募集株式一株と引換えに払い込む金銭又は給付する金銭以外の財産の額をいう。)又はその算定方法をいう。
※3 309条第2第5号において特別決議事項に指定されている。
次に新株予約権の場合です(それにしても、いまさらカタカナは読みにくい・・・)。
(旧商法280条ノ20第2項)
「・・・ 左ノ事項ハ取締役会之ヲ決ス但シ定款ヲ以テ株主総会ガ之ヲ決スル旨ヲ定メタルトキハ此ノ限ニアラズ。・・・(中略)・・・(第13号)株主以外ノ者ニ対シ 特ニ有利ナル条件ヲ以テ新株予約権ヲ発行スルトキハ其ノ旨並ニ新株予約権ノ割当ヲ受クル者、之ニ対シ割当ツル新株予約権ノ数及其ノ新株予約権ノ発行ノ条 件」
(同280条ノ21)
「株主以外ノ者ニ対シ特ニ有利ナル条件ヲ以テ新株予約権ヲ発行スルニハ定款ニ之ニ関スル定アルトキト雖モ新株予 約権ニ付テノ前条第二項第一号、第二号及第四号乃至第八号ニ掲グル事項並ニ各新株予約権ノ最低発行価額(無償ニテ発行スル場合ニハ其ノ旨)ニ付第三百四十 三条ニ定ムル決議アルコトヲ要ス(以下略)」
(会社法238条)
「(第2項)募集事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない(※4)。
(第3項)次に掲げる場合には、取締役は、前項の株主総会において、第一号の条件又は第二号の金額で募集新株予約権を引き受ける者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。
一 第一項第二号に規定する場合において、金銭の払込みを要しないこととすることが当該者
に特に有利な条件であるとき。
二 第一項第三号に規定する場合において、同号の払込金額が当該者に特に有利な金額であ
るとき。」
※4 309条2項6号による特別決議
(239条)
「前条第二項及び第四項の規定にかかわらず、株主総会においては、その決議によって、募集事項の決定を取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)に委任することができる。この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 その委任に基づいて募集事項の決定をすることができる募集新株予約権の内容及び数
の上限
二 前号の募集新株予約権につき金銭の払込みを要しないこととする場合には、その旨
三 前号に規定する場合以外の場合には、募集新株予約権の払込金額の下限」
有利発行かどうかを巡っては過去たびたび実際に問題となり有名な裁判例もあります。このブログでは大それた法解釈などはとてもできませんが、証券設計という観点から興味深いのでいつくかの事例をとりあげてみようと思います。