東証の時価総額雑感 | 謎の金融日誌

東証の時価総額雑感

最近の株価の乱高下に関連してデータをちょっと眺めて見ます。

1.東証1部の時価総額推移

2007年 9月30日: 517兆円
2007年12月28日: 476兆円
2008年 3月31日: 389兆円
2008年 7月31日: 416兆円
2008年 8月15日: 398兆円
2008年10月17日: 286兆円

直近の時価総額は1年前の55%にまで下落しています。1年で日本のGDPの約半分に当る規模の時価総額が消えた勘定になります。特に最近の数ヶ月はまさに転げ落ちるような転落ぶりでした。

2.時価総額のシェア

時価総額の金額階層別にどれくらいの規模の会社がどれだけ分布しているかみてみました。
株価暴落前の8月半ばでは以下のとおりでした。

(2008年8月15日)

5兆円以上          :  10社(1部上場社数計に対する社数のシェア0.6%)
1兆円以上5兆円未満   :  78(4.5%)
5千億円以上1兆円未満  : 78(4.5%)
1千億円以上5千億円未満: 359(20.6%)
5百億円以上1千億円未満: 261(15.0%)
1百億円以上5百億円未満: 662(38.1%)
1百億円未満        : 291(16.7%)

次に暴落後の直近時点でもみてみます。

(2008年10月17日)

5兆円以上          :  4社(シェア0.2%)
1兆円以上5兆円未満   :  52(3.0%)
5千億円以上1兆円未満  : 73(4.3%)
1千億円以上5千億円未満: 295(17.3%)
5百億円以上1千億円未満: 234(13.7%)
1百億円以上5百億円未満: 661(38.7%)
1百億円未満        : 387(22.7%)

東 証1部に上場する会社の数は1700社あまりあるのですが、時価総額が5百億円に満たない会社が8月時点で54.8%、10月時点で61.4%もありま す。5百億円といえば、8月時点の時価総額398兆円の0.01%に過ぎません。一方で時価総額上位50社の市場1部の時価総額に占める割合は、

2008年8月15日 47.0%
2008年10月17日 46.6%

でともに5割弱にもなっています。時価総額5兆円以上の銘柄だけでみると、市場全体に占める時価総額の割合は8月時点で12.3%、10月時点でも11.8%もあります(社数シェアではともに0.2%)。

わ れわれは東証1部企業というとつい大手町や丸の内に本社を構え、多くの事業所や工場を持ち何万人もの従業員を抱えた大企業=「擬似トヨタ」や「プチ新日 鉄」を想像してしまいます。また、そうした企業がとてつもない価値で売買されていると漠然と思い描いてしまいがちです。しかしそんなことは

幻想にすぎない

のですね。いわんや東証2部やJASDAQはおろか、新興市場などマメ粒のような会社がいっぱいあるわけです。当然、不祥事に遭ったり突然つぶれてしまう会社だって出てきます。

バリューやグロース、大型や小型といった紋切り型のカテゴリだけでなく、その会社の業暦や規模、経営力/人的リスクも含めた「格」みたいなものがもっと反映されやすい市場になれば・・・そんなことは無いものねだりなんですが・・・というのが雑感でした。