不公正発行とは | 謎の金融日誌

不公正発行とは

今回は「不公正発行」についての説明です。

(旧商法280条ノ10)
「会社ガ法令若ハ定款ニ違反シ又ハ著シク不公正ナル方法ニ依リテ株式ヲ発行シ之ニ因リ株主ガ不利益ヲ受クル虞アル場合ニ於手は其ノ株主ハ会社ニ対シ其ノ発行ヲ止ムベキコトヲ請求スルコトヲ得」

(会社法210条)
「次に掲げる場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、第百九十九条(募集事項の決定)第一項の募集に係る株式の発行又は自己株式の処分をやめることを請求することができる。
一 当該株式の発行又は自己株式の処分が法令又は定款に違反する場合
二 当該株式の発行又は自己株式の処分が著しく不公正な方法により行われる場合」

法 令・定款に違反する場合についてはここではとりあえず割愛しますが、「著しく不公正な方法」とは予め公告した方法(例:先着順)で割り当てることをせずに クジ引きで割当先を決めた、などの場合です。なお割当方法などを特に定めなかった場合には会社法204条では「割当自由の原則」により取締役(会)は株主 を選べます。ただし、

会社の支配権につき争いがある場合に、従来の株主の持株比率に重大な影響を及ぼすような数の新株が発行され、それが第三者に割り当てられる場合、その新株発行が特定の株主の持株比率を低下させ現経営者の支配権を維持することを主要な目的としたものであるとき

は 不公正発行に当るものとされています(平成元年7月25日「忠実屋・いなげや事件」東京地裁決定)。しかしこの場合であっても、さらに特段の事情がある場 合には発行の差止めはできないという判断もあります(平成17年3月23日「ニッポン放送事件」東京高裁決定における「特段の事情」の4要件)。これらの 具体例を今後何回かに分けて整理します。