銀行株式の買取り②
銀行が政策投資株式を保有することの効果についてつらつら考えていると、日銀自身が詳細に試算していました(「株式保有を前提とした銀行の企業取引の総合採算性について
」)。
結論をまとめるとこんな感じです。
・銀行に有利に計算しても、2000年~04年度までの全体的な採算は負であった。
・含み益を考慮すると、2005年度はプラスであるが、その度合いは小さい。
・個別企業の取引を積み上げて試算した場合でも、黒字の先は全体の4割であった。
・採算性が1%を超えている先は全体の先数の8~9%程度であった。
・銀行の株式保有動機を計測すると、相手先企業の業績が好いときには保有を増やしている
ものの、業績が悪化してもすぐに処分しているわけではないこと、その度合いは大企業の方
が高いこと。
さ まざまな仮定を置いた試算とはいえ上記のような結論であるならば、銀行の株式保有の意義はほとんど無いことになります。それどころか、価格のボラティリ ティが高くBIS比率を不安定にさせる分だけさらに損ともいえます(日銀の2008年9月の「金融システムレポート」も株式保有に関するリスクを正面から 指摘しています)。
ところで、銀行がどれだけ株式を保有しているかの集計データはすぐには分からないのですが、日銀の「金融システムレ ポート」のグラフ(図2-23)でみると、2007年度では都銀で15兆円、地銀で5兆円程度ということになります。今回の買取再開で日銀が1兆円、国 (取得機構)も2兆円程度の買取りを行うとすると合計で3兆円の買取りとなります。前回の買取り額が日銀2兆180億円、国1兆5,868億円で計3兆 6,048億円で、市中売却後の今の残高は両者計1兆7,296億円です。この残高と今回買取り分とを単純合算すると4兆7,296億円という規模になり ます。
これだけ買うともう「根雪」ですね。きっと次の景気循環が山越えた時期になっても売り切れないうちに3回目の買取りが始まるのではないかと・・。
別の問題として、自己資本に対する株式保有のリスク負担を解放すると貸出余力が高まり企業への貸し渋りや資金繰り難が緩和するという期待もあるかもしれま せん。これは株式買取により中央銀行預け金が増加するのだから、いわゆる「信用乗数効果」を通じて貸出が増えるのではないか、という話です。しかし実際に は信用乗数が安定していた試しはないし、そもそも預貸率が5~6割程度で低迷している金融機関では貸しようがありません。なかなか、上手い話はなさそうで す。
結論をまとめるとこんな感じです。
・銀行に有利に計算しても、2000年~04年度までの全体的な採算は負であった。
・含み益を考慮すると、2005年度はプラスであるが、その度合いは小さい。
・個別企業の取引を積み上げて試算した場合でも、黒字の先は全体の4割であった。
・採算性が1%を超えている先は全体の先数の8~9%程度であった。
・銀行の株式保有動機を計測すると、相手先企業の業績が好いときには保有を増やしている
ものの、業績が悪化してもすぐに処分しているわけではないこと、その度合いは大企業の方
が高いこと。
さ まざまな仮定を置いた試算とはいえ上記のような結論であるならば、銀行の株式保有の意義はほとんど無いことになります。それどころか、価格のボラティリ ティが高くBIS比率を不安定にさせる分だけさらに損ともいえます(日銀の2008年9月の「金融システムレポート」も株式保有に関するリスクを正面から 指摘しています)。
ところで、銀行がどれだけ株式を保有しているかの集計データはすぐには分からないのですが、日銀の「金融システムレ ポート」のグラフ(図2-23)でみると、2007年度では都銀で15兆円、地銀で5兆円程度ということになります。今回の買取再開で日銀が1兆円、国 (取得機構)も2兆円程度の買取りを行うとすると合計で3兆円の買取りとなります。前回の買取り額が日銀2兆180億円、国1兆5,868億円で計3兆 6,048億円で、市中売却後の今の残高は両者計1兆7,296億円です。この残高と今回買取り分とを単純合算すると4兆7,296億円という規模になり ます。
これだけ買うともう「根雪」ですね。きっと次の景気循環が山越えた時期になっても売り切れないうちに3回目の買取りが始まるのではないかと・・。
別の問題として、自己資本に対する株式保有のリスク負担を解放すると貸出余力が高まり企業への貸し渋りや資金繰り難が緩和するという期待もあるかもしれま せん。これは株式買取により中央銀行預け金が増加するのだから、いわゆる「信用乗数効果」を通じて貸出が増えるのではないか、という話です。しかし実際に は信用乗数が安定していた試しはないし、そもそも預貸率が5~6割程度で低迷している金融機関では貸しようがありません。なかなか、上手い話はなさそうで す。