ハイブリッド証券 : スキーム(その2)発行体と投資家
ハイブリッド証券のスキームの前提条件についてのエントリのつづきです。今回は2(発行体の属性)と3(投資家の属性)についてです。
2.発行体は内国法人なのか外国法人なのか
発行体が内国法人の場合、課税所得計算上は利息は損金算入で配当は不算入。投資家側は源泉税20%(所得税15%(法人の場合))が本則となります。また 配当の受取が法人ならば二重課税回避のために益金不算入ですね。外国法人の日本子会社が日本で円債を発行する場合(いわゆるサムライ債やその変形)の場合 も同じです。日本企業が投資家を海外からも含め広く集めたいのであれば、海外の金融子会社=外国法人経由が一般的で(ユーロ円債)、これは昔から行われて います。この場合の法人税・源泉税は外国子会社の所在地の税法によって異なってきます。
3.投資家は居住者なのか非居住者なのか、PEの有無はどうか
投資家の立ち位置によって課税関係が変わる点も考慮すべきポイントです。簡単にいえば投資家が日本の会社(居住者)かどうか、日本の会社でなくても日本で事業をしている(PEがある)かどうか、が基準となります。
ま ず居住者というのは、単純には日本国内に本店がある会社、すなわち日本の会社です。外国の会社であれば本店がその会社の本国なので居住者になりません。こ の「本店の場所によって判断する」のを本店主義といったりします。国税庁は原則的には本店主義のようです。ただしややこしいのは相手国が本店主義ではな く、「その会社が主として事業を行っている場所を居住地にする」という「管理地主義」を採用している国の場合は、どこが居住地がすぐに決まりませんので、 実質で判断されることになります。
さて居住者であれば日本企業の発行した社債の利息や株式の配当を受取れば国内源泉所得になりますから通常の課税 がなされます。次に非居住者の場合ですが、事業に供する恒久的施設(=Permanent Establishment、PEと略称)がある者は課税、無い者は非課税となります。PEは単にオフィスビルに事務所を借りていなければいいというもの ではなく、実態として国内で事業活動を行っている拠点として国税庁から認定されてしまうとPEになります(高級ホテルやサービスオフィスの1部屋だけを長 期で借り切って仕事をしている外資系ファンドなども、ほぼ「PE有り」となります。まあ、最近は撤退が多いですけども)。単に外国企業であるとか非居住者 であるとかだけではダメということですね。機関投資家やファンドが相手の場合は日本で本業を行っていなくても、何らかのマーケティングや営業活動の拠点を 設置したり、駐在員を置いている場合も多いでしょう。これはPE有りに該当する場合も多くなります。これを回避するには、その投資家のグループ企業でPE のない海外SPC経由で投資してもらうか、外-外で投資してもらうといった工夫が必要になります。
(つづく)
2.発行体は内国法人なのか外国法人なのか
発行体が内国法人の場合、課税所得計算上は利息は損金算入で配当は不算入。投資家側は源泉税20%(所得税15%(法人の場合))が本則となります。また 配当の受取が法人ならば二重課税回避のために益金不算入ですね。外国法人の日本子会社が日本で円債を発行する場合(いわゆるサムライ債やその変形)の場合 も同じです。日本企業が投資家を海外からも含め広く集めたいのであれば、海外の金融子会社=外国法人経由が一般的で(ユーロ円債)、これは昔から行われて います。この場合の法人税・源泉税は外国子会社の所在地の税法によって異なってきます。
3.投資家は居住者なのか非居住者なのか、PEの有無はどうか
投資家の立ち位置によって課税関係が変わる点も考慮すべきポイントです。簡単にいえば投資家が日本の会社(居住者)かどうか、日本の会社でなくても日本で事業をしている(PEがある)かどうか、が基準となります。
ま ず居住者というのは、単純には日本国内に本店がある会社、すなわち日本の会社です。外国の会社であれば本店がその会社の本国なので居住者になりません。こ の「本店の場所によって判断する」のを本店主義といったりします。国税庁は原則的には本店主義のようです。ただしややこしいのは相手国が本店主義ではな く、「その会社が主として事業を行っている場所を居住地にする」という「管理地主義」を採用している国の場合は、どこが居住地がすぐに決まりませんので、 実質で判断されることになります。
さて居住者であれば日本企業の発行した社債の利息や株式の配当を受取れば国内源泉所得になりますから通常の課税 がなされます。次に非居住者の場合ですが、事業に供する恒久的施設(=Permanent Establishment、PEと略称)がある者は課税、無い者は非課税となります。PEは単にオフィスビルに事務所を借りていなければいいというもの ではなく、実態として国内で事業活動を行っている拠点として国税庁から認定されてしまうとPEになります(高級ホテルやサービスオフィスの1部屋だけを長 期で借り切って仕事をしている外資系ファンドなども、ほぼ「PE有り」となります。まあ、最近は撤退が多いですけども)。単に外国企業であるとか非居住者 であるとかだけではダメということですね。機関投資家やファンドが相手の場合は日本で本業を行っていなくても、何らかのマーケティングや営業活動の拠点を 設置したり、駐在員を置いている場合も多いでしょう。これはPE有りに該当する場合も多くなります。これを回避するには、その投資家のグループ企業でPE のない海外SPC経由で投資してもらうか、外-外で投資してもらうといった工夫が必要になります。
(つづく)