ハイブリッド証券 : スキーム(その3)発行地と収益の受取地
ハイブリッド証券の仕組みについてのつづきです。今回は4(発行地)と5(利息・配当を受取る場所)についてです。
4.発行地は日本なのか海外なのか
発行体が日本企業で発行通貨が円でも発行地が日本でないといけないわけではありません。1980年代から日本企業は低コストで発行規制の緩いユーロ円債市 場での調達を行ってきています。若干道草すると80年代末のバブル期には転換社債やワラント債を盛んに発行していました。これもハイブリッド証券の一種で す。まだユーロ円債自体に適債基準があったり、ユーロ円債の国内還流制限があったりと規制だらけの時代でした。90年代はバブル崩壊による調達意欲の低下 とジャパンプレミアムのせいで起債自体が激減しましたが、2000年代に入ってからはユーロ円市場での大規模な起債はまた増えた印象がありますね。ただし ゼロ金利政策などでコスト的には国内でも海外でもあまり変わりません。最近大企業がユーロ円市場を指向する理由は、調達ソースが細る中にあって多様な投資 家にアプローチすること、投資家のリターン/税務ニーズへの対応、大規模な調達の達成(アベイラビリティ)ためなどと思われます。
5.利子や配当を受けとるのは日本なのか海外なのか
ハイブリッド証券が海外で発行されると想定します。その利子・配当の受け取りパターンは、①日本でカストディアンや信託の日本の口座で受け取る場合と②発 行地など海外の支払口座で受取る場合があります。受取人が内国法人の場合、①なら発行地(現地)国の源泉税がまず外国税額控除として所得から差引かれて残 額に国外源泉税15%がかかります。ただしこれは租税条約を締結している国の場合です。②の場合は国内源泉税の特例があり、現地の支払金融機関で受取る場 合には源泉20%のみとなっています(外国株式で上場しているものは7%になる特例があります)。
なお、非居住者が海外法人が発行する証券の利子・配当を受取る場合は源泉なしとなります。
(つづく)
4.発行地は日本なのか海外なのか
発行体が日本企業で発行通貨が円でも発行地が日本でないといけないわけではありません。1980年代から日本企業は低コストで発行規制の緩いユーロ円債市 場での調達を行ってきています。若干道草すると80年代末のバブル期には転換社債やワラント債を盛んに発行していました。これもハイブリッド証券の一種で す。まだユーロ円債自体に適債基準があったり、ユーロ円債の国内還流制限があったりと規制だらけの時代でした。90年代はバブル崩壊による調達意欲の低下 とジャパンプレミアムのせいで起債自体が激減しましたが、2000年代に入ってからはユーロ円市場での大規模な起債はまた増えた印象がありますね。ただし ゼロ金利政策などでコスト的には国内でも海外でもあまり変わりません。最近大企業がユーロ円市場を指向する理由は、調達ソースが細る中にあって多様な投資 家にアプローチすること、投資家のリターン/税務ニーズへの対応、大規模な調達の達成(アベイラビリティ)ためなどと思われます。
5.利子や配当を受けとるのは日本なのか海外なのか
ハイブリッド証券が海外で発行されると想定します。その利子・配当の受け取りパターンは、①日本でカストディアンや信託の日本の口座で受け取る場合と②発 行地など海外の支払口座で受取る場合があります。受取人が内国法人の場合、①なら発行地(現地)国の源泉税がまず外国税額控除として所得から差引かれて残 額に国外源泉税15%がかかります。ただしこれは租税条約を締結している国の場合です。②の場合は国内源泉税の特例があり、現地の支払金融機関で受取る場 合には源泉20%のみとなっています(外国株式で上場しているものは7%になる特例があります)。
なお、非居住者が海外法人が発行する証券の利子・配当を受取る場合は源泉なしとなります。
(つづく)