日本の情報力強化のために | 安全保障カレッジ 設立準備委員会

日本の情報力強化のために

大東亜戦争の時期、満州には馬賊を利用して政治的・軍事的な活動をしていた勢力がいくつかあったのですが、現在の日本にも、「最終目的は日本という国を守るため」という条件を厳しくして、公務員以外の人々による情報活動を強化する必要があるのではないかと考えています。

情報は、上からの要求に従って、必要な情報を集め、分析して報告し、政治的に利用すべきものですから、指揮系統の乱れた状態は好ましくありません。

しかし、ある分野(例えば技術、科学、医学など)、ある地域(例えば中国、ロシアなど)に密着した情報というのは、その分野で仕事をしている民間企業の方が新しく確実なことが多いですから、民間企業の意識一つで、膨大な情報が集まり、分析することが可能なわけです。

問題は、殆どの民間企業にそのような意識が希薄なことと、総合的に分析出来る広い教養を備えた人材が多くないという点です。

一つの現象・事実から、それが何を意味するのか、何に利用出来るのか、悪意の相手はどう利用する可能性があるのか、それを防ぐにはどうすれば良いか、などを考えるには、深い知識と共に広い教養が必要であり、所謂「その分野の専門家」というだけでは、対応が出来ません。

この状態を改善するためには、まず国公立大学や有力私立大学では、学生の専門に関係なく、基礎的な情報意識や情報技術を教育することが必要だと考えます。

加えて、自衛隊の幹部養成学校である防衛大学校の学生レベルと、防衛省のシンクタンクである防衛研究所の水準を向上させることが必要です。
軍事関係の組織に属している研究者よりも、外部の民間人の方がレベルが高いということは、不自然な状態ですから、年齢制限は無くして一般大学からの研究者を多く受入れるべきでしょう。

そして、独自の情報源を持つ民間人が、企業の形であれ、研究所の形であれ、情報を分析して発信し、必要であれば日本に敵対的な国を混乱に導くような活動も出来る状態にしておくべきだと考えます。

的外れな予算削減によって、必要な訓練さえ出来ず、必要な人材さえ確保出来ない自衛隊ですから、それを補うために出来ることは、軍事的活動を避けながら国を守る方法、すなわち情報を強化することです。

他国の情報を把握し、意図を正確に分析することが出来れば、日本に不利な軍事的手段を最小限にとどめることが可能になります。

日本人の能力から考えると、今から真剣に取組めば、近い将来に情報大国であるイギリス、アメリカ、イスラエル、ロシアなどを上回る情報力を保持することは、無理ではないと思うのですが・・。





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