今では全国の主な駅で、自動改札が導入されています。
また、自動改札ではなくても、改札を通る際には駅員さんは切符にはさみを入れることはなく、スタンプを押していると思います。
今からお話しするのは、未だ自動改札が無く、駅員さんがはさみで切符を切っていた時代のお話です。
とある、研究会の集まりでの会話です。
司会者「これから、切符をはさみで切ることをやめ、無人の自動改札システムを作りたい」
大学の先生「そんなの簡単ですよ。私なら、数日で作りますよ」
その後、大学の先生がその会合に持参したものは、切符を差し出すと、自動切符切り装置が、切符にはさみを入れるものでした。
笑い話ではなく、これは実話です。
あ、何が笑い話か、わからなかった方、大学の先生になれます(笑)。
念のため補足させていただきますと、先生が持参した装置は、単に切符にはさみを入れるだけのものです。
先生の思考回路は、
自動改札 → 切符を自動で切る
というものでした。
自動改札の本来の目的は、そういうものではありませんね。
自動改札 → 正しい切符が利用されているかチェックする → 正しい切符だと利用者の改札への入場を許可し、不正な切符だと許可しない
というのが、本来の自動改札の目的です。
単に切符を切ることだけの自動化しか頭にありませんと、自動切符切り装置になってしまいます。
自動改札の本来の目的がなんであるか、ということを突き詰めて考えていくと、決してそのような発想にはなりません。
ちなみに、このように、物事の本質を突き詰めて考えて、そこから現実に引き戻していく思考方法を最初に提案したのは、ジェナルド・ナドラー教授です。
ワークデザインと呼ばれています。
残念ながら、氏の関連の本は、現在ではほとんどありません。
マスコミは、常にセンセーショナルなキーワードで市場を煽っていますが、本当にいいものにも光を当てていただきたいものです。