慎凪妄想Story☆Change 後篇 | It's a secret!

慎凪妄想Story☆Change 後篇

これまた前回に書いたのは一体いつだったのか全く書いた本人も記憶が無い位に前回UP時から物凄く間が空いてしまいましたが、取り敢えず続きはちょこちょこ書いてはいたのでございます^^;

只、コメディーにしたかったのに思いの外シリアスな方向へ進んでしまったのでどうしようかなぁと思っている内に何も書きたく無い病(笑)に罹ってしまったものですからあたふた、UP出来ずにPCの中で眠っていたんですけど、取り敢えず最後まで書き切りたいと言う事で、間が大分空いてしまいましたけど後編をUPする事にしました^^;

一体どんな話になってたのやら、書いた本人すらうろ覚えでございますので(笑)、一応、リンクを貼っておきます。

万が一にも興味がお有りの方がいらっしゃいましたらチラっと覗いてみて下さいませaya

リンクはこちらになります→慎凪妄想Story☆Change 前篇  、慎凪妄想Story☆Change 中篇









「ちょぉ・・どないしよう?」

凪沙の姿をした慎が情けない声で慎の姿をした凪沙へ問い掛ける。

「俺、今日、午後から撮影なんやけど・・・」

「誰と?」

「海咲・・・」

「海咲とかぁ・・・・」


少し考え込みながら、慎の姿をした凪沙は思い出したように自分の姿をしている慎に向かって言った。

「そう言えば、俺も明日撮影やわ・・・じょーじと・・・」

「まじっ!?」

「まじ・・・」

「どないするん?」

「どないする言うたかて、このまま行くしかないやろ!?」

「絶対おかしいと思われるって!」

「せやかてしゃぁないやん、撮影に穴開ける訳にいかんやろ!?」

「そうやけど・・・凪沙、俺のふり出来るん?」

「・・・・・ま・・まぁ、何とか成り切るわ」

「相手は海咲やで!?気ぃ抜いたら絶対おかしいって気付かれるで!?」

「う・・・うん・・・・」

「大体なぁ、凪沙、ちゃんと真面目にやれるん!?」

「海咲とやったら大丈夫やわ」

「ホンマに?」

「任せときぃや。それよりお前の方こそ俺に成り切れるん?」

「だ・・いじょうぶ・・・や、と思う・・・」

「あんまりいつもみたいにえろくし過ぎたらあかんで、慎ちゃん!?」

「凪沙こそ、先っぽしか咥えんようじゃあかんで!?」

「先っぽが一番気持ちええやん!?」

「そうやけど、ちゃんとファンの人らがえろいって思ってくれるように見せなあかんで!?」

「分かった、分かった」



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



そんなやり取りをした数時間後、慎の身体になった凪沙は事務所へと赴いた。

何度も訪れて慣れているはずの場所なのに、何故か妙に感じが違って見えるのはいつもより少し高い位置に視界が有るせいだろうか・・・

そんな事を思いながらドアを開けて中へ入って行く。
そこには既に慎の撮影相手である海咲がソファに座って新聞を読んでいたが、気配を感じて新聞から顔を上げると、慎の方を見てフワっと笑い掛けて来た。


「慎、久しぶりやな!」

「お、おうっ・・・久しぶり、海咲」

「・・・どうしたん?何か、有った?」

「え?何で?何も無いで!?」

「そうか?なら、ええけど・・・何かいつもとちょっと雰囲気が違って見えたから」

「そんな事無いで、いつもの俺と一緒や」


答えながら凪沙は内心、海咲の観察眼の鋭さに舌を巻いていた。

(危ない、危ない・・・何でこいつはこんなに勘がええんやろ・・・)

慎の身体になった凪沙は、思った以上に勘が鋭い海咲に自分が凪沙だと見抜かれてしまうのでは無いかと少し落ち着かなく無くなって来た。

いつものようにゆったりとした調子でスタッフと何気ない世間話をしながら再び新聞に目を通している海咲を横目に、慎の姿をした凪沙はその日の撮影内容を台本を読みながら頭に入れて行く。


と、そこへLINEの通知を知らせる音が鳴った。
直ぐに携帯を取り出して確認すると、それは心配した慎からのメッセージだった。
「凪沙、もう着いた?」

そのシンプルな文面に、凪沙は「さっき着いた。これから準備して撮影」とすぐさま返す。
すると、慎からも「やる気スイッチすぐに押さなあかんで!?」と即座に返信が帰って来て、それを見た凪沙はつい口元に笑みが浮かんでしまう。

「慎に成り切って海咲をメロメロにしたるわ!」と返す凪沙はどこか楽しそうだ。
「慎がいつも俺にしてくれる事を思い出しながら頑張るわ」と続けざまにメッセージを送ると、慎からは「あんまりオフカメラの時の俺ばっか参考にし過ぎたらあかんで!?」と返信が返って来た。

その意味を「?」の一文字で問い質すと、慎から帰って来た返事は、慎の顔をした凪沙の頬に赤味を差させるのに十分な一言だった。


「凪沙は特別やから・・・・」

その文面に思わず相好を崩してしまった慎の姿をした凪沙の様子を見ていた海咲がからかうような口調で「なんや、慎、何か楽しそうやな!?」と声を掛けて来た。

そして、慎が手にしていた携帯に目を留めると、「あれ?慎、携帯変えたん!?」と問い掛ける。
「え?や・・・ケース変えただけや」と慌てて慎の姿をした凪沙が答えると、「ふーん。なんか凪沙君が持ってるのと似てるなぁ思ってな」と、さらっと言ったきり海咲はそれ以上追及しなかった。


(危ない、危ない・・・・ほんまに海咲は鋭いわ・・・)

手にした自分の携帯を握り直すと、凪沙は「そろそろ撮影始まるから終わったら連絡する」とメッセージを慎に送り、そそくさとそれをジーンズの後ろポケットにしまい込むと、立ち上がってDVDの置いて有る部屋へと向かって行った。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「用意・・・スタート!」


その一言で海咲が慎の腕を取りベッドに倒れ込むと唇を重ね合わせて来る。

触れるだけの軽いkissを数回繰り返し、そこから徐々に熱を帯びた口付けへと移行して行く内、海咲の舌が誘うように口内へと差し出されて来た。

その舌に誘い出されるまま、慎に成り切ろうといつになく真面目に撮影に取り組んでいた凪沙は本能的に舌を絡める。

その瞬間、凪沙は言うに言われぬ感覚を味わった。

普段の感覚で絡めた舌は自分が思っていた以上に深く海咲の舌を絡め取り、しっとりと隠微にそれを捉えて、まるで磁石が吸い付いたかの如く自然に海咲の舌全体を掬い取っている事に凪沙は内心驚嘆していたのだ。

舌ばかりでは無く、慎のその柔らかい唇が海咲の唇に押し当てられる感覚も凪沙にとっては眩暈がする位に自分が今まで味わった事の無い快感を伝えて来る。


(何や、この感じ・・・)

(めっちゃキモチイイ・・・・)


凪沙はディープなkissは苦手だ。

舌が人より短めな事も有り、舌をしっかり絡め合わせるのに人一倍労力を使わなければいけないからだが、そうかと言ってkiss自体が嫌いな訳では決して無い。

そうした凪沙を熟知し、凪沙の好むkissを与えてくれるのが他ならぬ慎だが、普段慎の唇がとても柔らかい事やkissが巧みな事に慣れ親しみ過ぎて、何時頃からかそれを特別意識しないようになっていた。

それが、今、慎の身体の中に意識だけが凪沙として入り込んでしまっているこの状況下で、慎が誰かと抱き合っている時にどんな感覚を味わっているのかを実際に知る事となった凪沙にとって、これまで全部知ってるつもりでいた慎が全く違う人物であるかのように感じられ、改めてモデルとしての慎のポテンシャルの高さがどこから引き出されているのかを理解出来た気がした。

自分と抱き合っている時の慎は決して無理に舌を奥深くまで絡めて来ようとはしない。

本当はこんなにも深いkissで快感を感じているのに・・・・


凪沙が初めて経験するディープな快感に酔っていると、今度は海咲の方からねっとりと舌が絡み合わされ、慎の舌を包み込むと数回抜き上げられる。

それも凪沙には殆ど体験した事の無い快感だった。

普段自分が好むkissとは全く違うが、本来慎が好むのはこう言うkissなのだろうと、海咲からの熱いkissを受け止めながら凪沙は身を持って理解した。


(慎・・・いつも我慢しとるんやろか・・・)


自分は慎が与えてくれるkissが大好きだけれども、果たして慎は自分とのkissに満足してくれているのだろうかと言う想いが凪沙の脳裏にチラっと浮かぶ。

自分は慎に我慢させているのではないか・・・

そんな考えが過った。


「慎・・・・?」


暫くして海咲が唇を離すと、カメラには拾えない位の囁き声で慎の名前を呼ぶ。

その声にハッとして凪沙は我に返ると、海咲は真っ直ぐに慎の瞳を捉えながらこちらを見つめている。

「どうしたん、慎? なんか上の空みたいやけど・・・」

「ん?気持ちええなぁ思っただけ・・・」

「ほんまに?」

「んっ・・・」

頭の片隅に湧いた疑念を振り払うように、凪沙は再び海咲に口付けて行く。
そして、慎の身体の隅々にまで意識の糸を張り巡らせ、慎が感じる快感を全て享受しようと慎の身体に完全に自分の意識を同化させた。
今までに経験した事の無い快感の波が次から次へと押し寄せ、何度も「キモチイイ・・・」と言う言葉が知らず知らずの内に零れ落ちる。

組み敷かれた海咲が頬をバラ色に染め、「あぁっ・・あっ・・・」と切なげな声を上げながらしがみ付いて来る、その耳元に「中、火傷しそうやで・・・」と囁くと、一層激しく、そして深奥までを貫くように深く腰を進める。

スタッフが思わず固唾を飲み込む程にその姿には鬼気迫る物が有った。

そして、全てが終わった後、期せずしてスタッフから拍手が起こったのだった。


「すごい良かったよ、慎も海咲も」

「ホンマに。何や見とってドキドキしたわぁ」

「特に慎は凄かったな!?」

と掛けられる言葉をぐったりしながら聞いていた海咲が放心したようにボソっと呟いた。


「なんや、慎や無いみたいやったわ・・・・」

「えー、そう!?まぁいつも以上に熱が籠ってたけどねぇ」

「そうなんやけど・・・何かに取り憑かれてるみたいやった・・・・」

そう呟く海咲の隣りで、凪沙も同じく放心し切って枕に突っ伏し、その海咲の呟きを聞きながら(「中身は俺やもん・・・」)と心の中で独り言ちた。

先程迄の激しい熱の余韻が身体の内から身を焦がすように全身を支配している。
放心したまま動けずにいる凪沙の隣りで海咲が先に起き上がる気配がした。
「先にシャワー行って来るわ」と海咲が声を掛けると、ベッドから降りざま慎の背中を軽くポンポンと叩き、「慎?何か悩みが有ったら遠慮無く俺に言いや!?」と言い残して行った。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「凪沙?どうしたん?撮影で何か有ったん?」

家に帰って来てからどことなく元気の無い凪沙を訝しく思った慎が声を掛けても「何も無い」の一点張りで何も言おうとしない。

ソファに座った「自分」の隣りに腰を下ろし、「自分」の姿をしたその肩にそっと腕を回す。

「何も無いなんて嘘やろ?」と、「自分」の顔を覗き込みながら尚も問い質すと、暫しの沈黙の後、漸く凪沙が口を開いた。


「・・・・・慎!?」

「うん!?」

「俺な・・・」

「うん」

「お前に我慢させてんのとちゃう?」

「・・・我慢?」

「うん・・・」

「我慢って・・・何の?」


凪沙が何を言いたいのか理解出来ずに慎は聞き返した。

いつもはポンポン返って来る凪沙からの返事は中々返って来ない。

痺れを切らした慎が俯いた「自分」の顔を下から覗き込むと、「俺が我慢してるって、一体何の事言うてるん、凪沙?」と少し声を荒げて問い詰める。

普段は少し高めの凪沙の声が低いトーンで大き目に発せられる様は中々に珍しい光景だったが、今の慎にはそんな事に構っていられる余裕は無かった。


「・・・・慎、ホントは・・・」

「ホントは?」

「ホントは・・・俺とキスするん物足りんのとちゃうん?」

「え?」

「ホントはもっとがっつり行く方が気持ちイイんとちゃうん?」

「俺とのHじゃ全然満足出来ひんのとちゃうん?」

「どうしたん、凪沙!?何でそんな事言うん?俺、何か悪い事した?」

「・・・・してへん。慎は何も悪い事なんかしてへんよ・・・」

「じゃぁ、どうして・・・?」


突然の凪沙の言葉に慎は戸惑った。

一体今日の撮影で何が有ったと言うのだろう?

当惑しながらも慎は凪沙の言葉を待つしか無かった。

一秒が一日にも思える位の沈黙が室内を支配する中、やがて視線を少し上げて戸惑い顔で見つめている「自分」と視線がぶつかると、凪沙は漸く重い口を開いた。


「今日なぁ・・・」

「うん」

「海咲と撮影しててな!?」

「うん」

「お前が普段他のモデルと絡んでる時に・・・どんな風に感じてるのか、知ったんやん・・・」

「・・・・・・・」

「海咲とキスした時にな!?」

「うん・・・」

「めっちゃ気持ち良くってな!?」

「うん・・・」

「俺と違ってお前の舌長いやん!?」

「うん」

「いつもと同じ感覚で舌入れたらな!?、舌の奥の方まで入ってしもうて・・・」

「ディープなヤツになったん?」

「うん。そしたらな、それが滅茶苦茶気持ち良くて・・・」

「その後、海咲に舌入れられた時もな!?脳天が痺れる位にめっちゃ気持ち良くて・・・」

「うん・・・」

「お前、いつも俺にはそう言う風にディープなキスは滅多にして来ぃへんやんか!?」

「・・・まぁ・・そうやけど・・・」

「そん時にな、俺、思ってん・・・・」

「慎、ホントはこんな風にしっかり舌を絡めてねっとりとしたキスをする方が気持ちええんとちゃうんかな!?ってな」

「それは・・・」


慎は何と答えて良いのか言葉を探して暫し口を開き掛けては閉じ、閉じては開いて・・・と、まるで空気を求めて喘ぐ魚のように苦し気な表情を上せる。

「ホントはいつも俺に合わせて無理やり我慢してんのとちゃうん、慎?」

そう言われて慎は思わずその肩に回していた手に力を込めてきゅっと「自分」を抱き寄せると、こつんとおでこを寄せた。

そして、静かに口を開く。


「確かに俺は濃厚な愛し方が性に合ってるよ・・・・」

「海咲や颯みたいに思い切り出来る相手とは確かに身体の相性も良いし、気持ち良くなれる・・・」

「でもな・・・ちゃうねん、凪沙とは・・・・」

「・・どう、違うん・・・?」

小さく問い返される凪沙の言葉に、慎は再び少し顔を放して「自分」の瞳に映る「凪沙」の姿をじっと見つめながら優しく言い聞かせるように言葉を継いだ。


「凪沙は特別やから・・・・」


そう言うと優しく口付ける。

触れるだけの優しいkiss・・・・

小鳥が啄むように、優しく二度、三度と、「自分」の姿をした凪沙に口付ける。

そうしてもう一度今度ははっきりと自分の想いを言葉に託して凪沙に伝える。


「凪沙は大切な人やから・・・」

「我慢じゃ無いねん」

「凪沙の事が本当に大事だから、凪沙に一番気持ち良くなって欲しいねん」

「俺は凪沙が気持ち良くなってくれる姿を見てるのが一番気持ちイイねん」

「一番大切で、他の誰とも違う特別な人やから・・・」

「大好きやから・・・」


自分の気持ちを一気に吐露すると、もう一度優しく唇を重ねた。

暫くして唇を離すと、漸く晴々とした笑顔が「自分」の顔に浮かんで来るのを見て、慎も釣られて笑顔になる。

「やっと笑った」

安心したように笑顔でそう言う慎に、凪沙は少し照れながら「ありがとう」と言うと、今度は凪沙の方から慎にkissをする。

やはり触れるだけの小鳥のようなkissを。

小鳥達の戯れのようなkissを繰り返す二人には楽しそうな笑顔が自然と浮かんで来る。

何度も、何度も、交わされるkissの合間に紡がれる愛の睦言・・・

次第に甘い空気が色濃く室内に満ちて来る。

どちらからともなく、互いの身体を愛おしそうに引き寄せる二人がソファに倒れ込むまで程も無かった。


「自分」の上になった慎がその頭を抱え込むように口付けると、そっとその舌を隙間から差し込む。

すると、凪沙は「慎」の長い舌で「自分」の舌を捉えると、海咲がしたように舌でその舌先を抜き上げようとする。

しかし、それは海咲が慎にしたようには上手く行かなかった。

凪沙のいつもとは違う動きに驚いた慎がパッと顔を離すと、凪沙が可笑しそうに笑いながら「やっぱ、俺の舌短いなぁ」と悪戯そうな表情で口にする。

「今、抜こうとした?」と、こちらも笑いながら確認する慎に、凪沙は楽しそうに「うん」と答える。

「海咲にされて、めっちゃ気持ち良かったからなぁ、やってみようかなぁと思ってんけど、俺の舌が短か過ぎて上手く行けへんかったわ」

そう言って可笑しそうに笑う「自分」の顔を見下ろして、慎は「凪沙はそのままでええよ」と優しく前髪を梳きながら再び覆い被さって行く。

そして、試しに「凪沙」の舌を使って先程凪沙がしようとしたのと同じ事をしてみようとしたが、やはり思うようには行かず、二人して「やっぱ、あかんか!?」、「あかんかったわ」と楽しそうに笑い合う。

「じゃぁ、いつもの優しいヤツ、してや、慎ちゃん・・・」

凪沙のおねだりに慎は優しいkissで応える。


「自分」の唇を味わう不思議な感覚に何とも言えない倒錯感を感じながら、それ故にいつもとは少し違うこの状況下での二人の睦み合いに、慎はやけに興奮を覚えていた。

啄むだけのkissが徐々に熱を帯びて来る。

それは凪沙も同じように感じているらしく、「自分」の唇の隙間へと舌先をするりと潜り込ませると、普段の凪沙があまりしないような、それこそ慎が好むような濃厚なkissを自ら仕掛けて来る。

最奥まで送り込まれた舌先が舌の根元を捉え、舌裏の筋を刺激して来るその動きに、「凪沙」の中の慎は徐々に息苦しさを覚え、「んん・・んっ・・・」と喉声が漏れ始める。

少し息苦しさから逃れようと顔を上げ掛ける「自分」を追って、凪沙は伸び上がるように上体を起こして行く。

海咲との撮影の余韻を引き摺っているかのように、何時になく凪沙の求めは性急だった。

態勢を整えようと逃げかける「自分」の身体を強く抱き締めると、そのまま身体を反転させて自分が上になろうとした。

その時!


「うわっ!」、「落ちるっ!」

二人の声が同時にしたかと思うと、次の瞬間にはどさりと重なり合うように床に転がり落ちていた。


「痛っぁ・・・」

これまた同時に二人の声が床から聞こえて来る。

それ程高い距離からでは無いとは言え、硬いフローリングの床に身体をぶつけた衝撃で暫く身動き出来なかったが、一瞬の痛みが収まると慎が先に身体を起こした。


「凪沙?大丈夫やった?」

「うん、大丈夫・・・」

「もぉー、凪沙、激し過ぎやで!」

「ごめん、つい、夢中になって・・・・って・・・・」

「え?」

「あれっ!?」


お互いにお互いの顔を見ると、その頬に手を伸ばしガシっと引き寄せる。

そして、「慎?」、「凪沙?」と互いの名前を確かめるようにその名を口にすると、恐る恐る視線を爪先へと落として行った。

自分の身体を確認し終えた二人の視線が再び相手と交錯すると、その口からまたしても同時に安堵の声が漏れる。

「やった!」

「俺達、元に戻れたんやな!?」

「良かったぁー」

漸く入れ替わっていた互いの肉体から元の自分の身体へと意識が戻った二人はきゅっと抱き合って、無事に元通りに戻れた事を大いに喜んだ。


「良かったな、無事に元に戻れて・・・」

そう言いながら凪沙の背中を優しくポンポンと労わる慎に、凪沙は頷きながらも、「俺はもうちょっと慎でおっても良かったけどな!?」と悪戯そうな笑顔でそう口にした。

「そしたらカッコええ服着て、肩で風切って街中を歩いたったのに」
楽しそうに笑う凪沙を見ながら慎は「そんなんせんでええ!」と苦笑しつつ、もう一度凪沙を抱き締めた。


「俺がカッコ良く居たいのは凪沙の前だけやから・・・・」

耳元で囁く慎の言葉に、凪沙は無言の笑みを浮かべて以前より逞しくなった慎の背中に回した両腕に軽く力を込めた。

『知ってる・・・』

そう、心の中で呟きながら・・・・





・・・・・・・・fin



うわぁ~、やっぱりグダグダで終っちゃいますけど、一応最後まで書き切ったわ(笑)

ホントはもっとコメディタッチの話になるはずだったんだけど、私の能力では無理だったorz

読んでてどっちがどっちか訳分からなくなった方もいらっしゃるかと思いますが、そこは心の目と耳を総動員してどっちが慎ちゃんで、どっちが凪沙なのかよーく考えて下さいませね(笑)


それでは、こんな無駄に長いしょーもない妄想Storyに最後までお付合い頂いた方がいらっしゃいましたらありがとうございましたaya

皆様、今週も笑顔でHappy Lifeをっルンルン