私は彼を思い出すとき、
いちばん最初に浮かぶ後ろ姿。
染めた髪を戻したわざとらしい黒髪。
少し猫背、つけてるのは女モノの香水、シルバーピアス。
高校に入って最初の席替えから偶然にも
高木は三回連続で私の前の席に座っている。
授業中はほとんど寝ていて、休み時間も男子と固まることはほとんどない。
友達がいないってわけではないみたいだけど…
最低限の体力で生きてるという感じだった。
「エリー、あたしちょっと先輩のとこ行ってくる」
「はいはーい」
休み時間、貴子が彼氏に会いに行ったので音楽を聴いてすごすことにした。
教室の雑音はGRAPEVINEに変わる
こうしてると自分一人だけ違う空間にいる気分になれる。
(あ、高木起きてる…)
さっきまで寝ていた高木が窓の外を見つめていた。
耳元でスロウがかかる。
『めぐりあうたびに溺れて
見失うたびに胸焦がしてた』
(意外に睫毛長い…)
いつのまにか私と高木の周りはみんな席を離れていた。
見ていた横顔と目が合った。
「?」
私は今にも泣きそうな顔をしていたようで彼は不思議そうに見つめる。
自分でもよくわからない。
ただ、
「高木見てると泣けてくる」
「は?なんで」
「わかんない!」イヤホンをはずしてうつぶせた。
「…ごめん」目をそらして高木がつぶやいた。
「何のこと?」
「この前キスしたこと」
「知らない、私はあんたのこと知らないよ、知りたくない」
「じゃー、見んなよ」
「前の席だもん、嫌でも目に入るって!」
その言葉にカッとなり私は起きあがって言った。
「…だから見んなって」
「今度あんなことしたら彼女にチクるからねっ」
私は立ち上がって教室から逃げた。
「やっぱ気にしてんじゃん」
いちばん最初に浮かぶ後ろ姿。
染めた髪を戻したわざとらしい黒髪。
少し猫背、つけてるのは女モノの香水、シルバーピアス。
高校に入って最初の席替えから偶然にも
高木は三回連続で私の前の席に座っている。
授業中はほとんど寝ていて、休み時間も男子と固まることはほとんどない。
友達がいないってわけではないみたいだけど…
最低限の体力で生きてるという感じだった。
「エリー、あたしちょっと先輩のとこ行ってくる」
「はいはーい」
休み時間、貴子が彼氏に会いに行ったので音楽を聴いてすごすことにした。
教室の雑音はGRAPEVINEに変わる
こうしてると自分一人だけ違う空間にいる気分になれる。
(あ、高木起きてる…)
さっきまで寝ていた高木が窓の外を見つめていた。
耳元でスロウがかかる。
『めぐりあうたびに溺れて
見失うたびに胸焦がしてた』
(意外に睫毛長い…)
いつのまにか私と高木の周りはみんな席を離れていた。
見ていた横顔と目が合った。
「?」
私は今にも泣きそうな顔をしていたようで彼は不思議そうに見つめる。
自分でもよくわからない。
ただ、
「高木見てると泣けてくる」
「は?なんで」
「わかんない!」イヤホンをはずしてうつぶせた。
「…ごめん」目をそらして高木がつぶやいた。
「何のこと?」
「この前キスしたこと」
「知らない、私はあんたのこと知らないよ、知りたくない」
「じゃー、見んなよ」
「前の席だもん、嫌でも目に入るって!」
その言葉にカッとなり私は起きあがって言った。
「…だから見んなって」
「今度あんなことしたら彼女にチクるからねっ」
私は立ち上がって教室から逃げた。
「やっぱ気にしてんじゃん」