立春を迎えても

相変わらずの寒さに凍えながら

今回も書いていこうと思います。


ここまで読んで下さってくれてる方々が

居るってのも不思議だけど

フォローとかもしてくれて

本当にありがとうございます!


中には

僕と同じくHIVに悩む方もいるようで

そんな皆さんとも意見交換や

今後を楽しんで行くための毎日を過ごして行けたら嬉しいです。


さて、今回はいよいよ

20代中盤時代について書いていこうと思います。


ウリセンを辞め

学業に集中しつつ

大学を辞めるまで

約1年半は本当普通の学生をしていました。


とても何百人

何千人の男の人たちと関係を持っただなんて思えないくらい

地味な生活に安心感すら覚えていました。


でも

貯金していたお金も

バイトせずにいれば

そりゃどんどん減っていくわけで…


そろそろバイトしなきゃなって思っていたら

ウリセン時代

顔がすごくイケメンって訳ではないけど

なんかすごくモテる要素のあるような

不思議な魅力を持っているなと思っていた先輩から久しぶりに連絡があって


「飲み行かないか?」って誘いにのって

久しぶりに新宿2丁目に行きました。


久しぶりに行っても

なんら雰囲気の変わらないあの街は

ある種のタイムスリップ感すら感じます。


良く一緒に飲んでた店で待ち合わせて

久々に2丁目のお酒を嗜む


先輩は

どうやらゲイバーを出したいらしい

そこでスタッフを募集してて

一緒に働かないかというお誘いだった


正直

この先輩はいつも色恋なイメージがあって

なんだか憎めない小悪魔的な性格をしている


だから過去に僕もその気になって

何度かキスをしたり家に行ったり

しゃぶったり入れてもらったりもしてた


可愛い可愛い言われると

なんかダメですよね…


ダメ男だなって思いながら

求められたら

その場の快楽に乗っかってしまたりしてました…


ですが

その時はゲイバーで働くとか無理ですって

断ったんです。


ウリセンでゲイの人たちには少なからず顔バレしてるし

もうゲイの世界では働きたくなかったから


でも

次は焼肉

次は鉄板焼き

次は…って何度も誘われ

その都度ご馳走になり

その先輩のこと嫌いじゃなかったし

結局手伝うことに…


そのバーは

僕が関わり始めた頃には

何もかもが準備不足で


居酒屋やバーテンダーで働いた経験を活かして

いろんなアドバイスとかもするようになり

結局いつの間にか中心人物みたいなポジションになっていました。


まぁでも

学校行きながらだから

結構しんどかったのを覚えてます。


当たり前のようにゲイバーって朝までやってるような時代で

19-5時で10時間立ちっぱなしの後に始発で学校みたいな…


今思えばなんであんな無理してたのか謎だけど

当時の僕は必要とされることに飢えていたのか

ゲイバーでチヤホヤされることに快感を覚えていたのか

なんか若かったなって思います…


お客さんもイケメンさんが多く

ゲイって本当なんであんなイケメン多いんだろうって

いつも思っていました。


大体ゲイの中で流行ったものが

3〜5年後に普通の世の中でも流行ってるイメージがあるほど

ゲイバーに来る人たちって

時代の最先端を生きてるなって思ってました。


実際

ファッション関係や美容関係

芸能人も歌手の人も多くて

ウリセン時代のお客さんとかも

噂を聞きつけたのか来店されたり…


なかなか不思議な空間だなと思いながらも

楽しんでいたのも事実でした…


そんな中

何人かかっこいいお兄さんたちと遊ぶようになり


これはゲイの人の良くないところだと思うけど

タイプだったらすぐに体の関係を持ってしまうんです。


多分

あの当時のゲイの人たちはみんな

すぐやってた気がします。


でも

そりゃ若いもん…


イケメンに誘惑されたらついていっちゃうよ…


毎日違う男の家やホテル

お店終わりに待ってくれてたり

優しくされるたび「好き」って


本当バカ…


そんな毎日を過ごしてた時


取り返しのつかない過ちを犯すことになるんです。


そろそろ遊ぶのも辞めたかったし

恋人を作って身を固めたかったんです。


ゲイバーも辞めて

落ち着こう


もう辛い恋とかせずに

落ち着こうって思っていた時


同時に3人の人からアプローチを受けて

言い方悪いけど品定めな感じでデートして

それぞれ体も重ねました。


1人目は1つ上のウリセン時代からアプローチしてくれていた人

2人目は同い年のウリセン時代からアプローチしてくれていた子

3人目は飲み屋で出会った色白高身長イケメンのお兄さん


みんなかっこよくてモテる人たちで

そんな人たちに求められることに

優越感を感じずにはいられませんでした。。。


最後の思い出作り的なとこもあったかもしれません。


3人とも一緒にいて楽しかったし

素敵だったけど


1人目は蓋を開けてみれば情緒不安定の薬物依存症でした

2人目は性格が子供すぎて同い年だけどしんどいなと思うことが多かった

3人目は多分遊びだったんだと思う


結局この人たちとは付き合わずに

ゲイバーもやめて穏やかに過ごそうということにしました。


そんな

2月のある日突然

身体に赤い湿疹のようなものが出てきて

痛みも何もなかったから

変なもん食べたのかなって

近所の皮膚科に行ったところ

原因不明だから保湿剤塗って様子見てといわれ


次第にピリピリと痛むようになり

熱もあがり悪寒に震えるようになりました。


今思えば完全にこれがHIVに感染した初期症状だったんだと思います。


どこの病院に行っても原因不明と言われ

解熱剤だけ出されて終わる。


そんな中、容態は急変し

当時ルームシェアをしていた友達の友人の方が車を出してくださり

夜中だったんですが救急外来へ


病院について

良くドラマで見るようなタンカーに乗せられ運ばれながら

点滴を刺されるところまでは意識があったのですが

針を刺された瞬間からぷつりと真っ暗になり

次に気づいたときには病院のベットの上で

点滴に繋がれている状態でした。


こんなこと人生で今まで経験したことなかったし

自分でも何事かわからなかったけど

その場では処方されていた薬が体に合わず「薬疹」という形で

体が拒否反応を起こしたんじゃないかと言われました。


ただ

ちゃんと検査したほうがいいということで

またすぐ来るようにと言われ

その日は帰ることができました。


今でも

車を出してくれた友達の友人さんには感謝しても仕切れないし

あの時放置していたら

もしかしたら今日こうやってブログも書けていなかったかもしれないと思うと

本当に感謝でしかないなと思っています。


その後はすぐに容態も治り

体調の回復を知らせることと

体の検査のために

運ばれた病院と約束をしていたので

1人で行く事に。


血液検査や身体検査をするのなんて久しぶりだったから

ちょっと怖かったけど


症状も落ち着いたし

もう大丈夫だろうと楽観的に考えていました。


なんの検査をされているのかも知らずに

呑気なもんですよね。。。


長い時間待たされていたから

早く帰りたいなと思いながら

やっと先生に呼ばれ診察室へ


そこで

自分の耳を疑う言葉を聞く事になることも知らずに…







「HIVに感染した恐れがあります」






先生は淡々と

思っていたよりもサラッと

「え?」って聞き返しちゃうくらい

当たり前な感じで僕に伝えてくださいました。



「HIV感染?」



ウリセンしてても

なんの性病にもかからなかったのに?


「え?」「本当に?」「ってかなんで急に?」


一度に紹介きれずに頭がポカーンとしていたことを

いまだに覚えています。


そんなこと言われるなんて思ってなかったから

心の準備もなんもできてなくて


「まさか自分が」って気持ちで本心半疑だけど

先生は至って真面目な顔で

その後のことを伝えてくださいました。


そして

この病院にはHIVの専門医も在籍していて

これからその先生とカウンセラーの方と会っていただきますって

次から次へと

自分が「HIV」になったなんて実感も湧かないまま

知らない人たちに知られていくことに戸惑いを感じていました。


専門医の方が来るまでの間

感染経路の確認をしたいと言われ


HIVの多くは同性間の性交渉が原因のことが多いのですが

経験はありますか?と聞かれ


あぁ

ゲイであることもバレるんだって事にも苦しさを感じながら

「はい」と答えました。


もう

この時は誰から感染したんだろう…って事が頭の中ぐるぐるしてて


この1〜2ヶ月の間に関係を持った人なんて

さっきあげた3人しか居ないから

この3人の中の誰かなんだろうなとか


受け止めきれないのに

犯人探しみたいなことしてて

でも冷静を装いながらも

もう子供とか持てないのかなとか

親に申し訳ない気持ちとか

誰にも言えないって想いとか


瞬間的にいろんな感情と思考が

ぐちゃぐちゃしてて


声も出ず

心臓ははち切れそうで

一気に元気がなくなったように見えたのか


専門医の方とカウンセラーの方が来た時には

すごい心配をして頂いた気がしています。


お二人はゆっくりでいいから

話を聞けるようになったら話そうと

僕のペースを尊重しながら会話をしてくださり

「大丈夫です」と勇気を出して

その後の話を聞く事にしました。


HIVについての冊子を頂き

どうゆう病気なのか

今後どのような治療をしていくのか

現代医学の進歩やサポートの仕方など

いろんなことを簡潔にわかりやすく説明してくださり


気が動転していた僕でも

理解できるくらい優しさを感じました。


自分本位に体を許し

いっときの快楽に溺れ

生涯背負う病を患う


小中学校でも学んでいた病気に

今まで怪我や病気で入院もしたことなかったのに

自分がなるなんて


後悔、後に立たず


本当この言葉に尽きる気がします。


自分の行いの野蛮さを反省しつつも

しばらくは立ち直れず受け止めきれず

その日の夜から心臓が痛くて眠れない日々が続きました。


検査のために

何度か病院に通うようになり


その正体が極度のストレスによるものだと言われ

ストレスってこんなに分かりやすく身体に出るんだってことも

初めて知りました。


きっと

HIVと診断された方に限らずとも

病気だと宣告された人は皆

味わう感覚なんじゃないかなと感じています。


幸い

梅毒等の併発しやすい性病にはかかっておらず

HIVだけだと言われましたが


内心

いや、それが1番厄介じゃないの?って思いながら


お医者さんたちの心のケアに感謝だなと…


今回も長くなってしまいましたが

ここまで読んでくれた皆さん

本当にありがとうございます。


大丈夫かな?って心配にもなりますが

次回以降はこの続きを記していこうと思います。



イマサラ