その後、彼は翌日にまた来た。


その日から

かなり優しくなった。


というか、


おそらく

わたしが元夫にいかないように

彼は焦っていたのだと思う。


その日は


ドライブをして


街道沿いにある

店に入った。


いつもは

隠れるようにしていたし


せいぜい

コンビニ寄ったり


街中を

歩くくらいだったのと


店に入るにしても


彼の行きつけの店でした。


それが

いきなり

知らない店に入る。


深夜だったので


あまり人はいなかったけど、


店員さんは


びっくりしていた。


彼は

普通に店員さんに

メニューの内容を聞いていた。


わたしは


また、ねぇいいの?

と聞いた。


何が?と、彼は言った。


何がって人に見られてしまうし


よくないよと、わたしは言った。


彼は気にしないで構わないと言った。


その日は

彼は、ひたすら

わたしを褒めた。


お前は

本当に可愛い顔をしているな。


お前は性格もいい。


そんな事を言いながら


彼は


仕事の話を始めた。


彼の瞳孔は開いていた。


仕事をしている彼は

凄く凄く素敵でカッコいいから

そんな話をされたら

やはり好きと思うし


一緒にいて幸せとも思うし


彼は

計算している?とか考えたりした。 


そして彼は言った。


旦那の所には

絶対に戻るなよ。


だけど、わたしは思ったよ。


ならば

あなたが嫁にもらってくれるのか?


言わなかったし、言えなかったけれど、


早く奥さんと離婚してほしいなと思った。


だけど、

それも言えなかった。


旦那の所に戻るなよって言う権利はあなたには無いんだよとも思った。


ちょっと観察してしまう日でもあった。