KAGETORA……じゃなくてKAGEROU | セコンドアウト!

KAGETORA……じゃなくてKAGEROU

$セコンドアウト!-KAGEROU

 KAGETORAはDRAGON GATEのプロレスラーだ。
 で、『KAGEROU』だが、これは俳優の水嶋ヒロが水嶋ヒロであることを伏せ、本名の齋藤智裕として書いて応募したのに、いきなり第五回ポプラ社小説大賞を受賞しちゃったことで話題のアレだ。その『KAGEROU』が満を持して12月15日に発売されるらしいのだが、たまたま1日早く入手出来たのでモノは試しに読んでみた。

 ページ数としては200ページちょっとと、まぁ普通の単行本くらいだし、行間空きまくりで「絵本か!」というようなわけでもないし、小さな級数でギッシリ詰まっているわけでもない。実にシンプルかつオーソドックスに作られている本で、あっという間に読める。ものの1~2時間で読めるだろう。

 ストーリーも難しくないし、文章も小難しい言い回しを使ったりしていない。それでいて前半で数々の伏線が敷き詰められていて、後半になるにつれ謎が解けていくので、思わず前半を何度も読み返す、なんてこともない。本当にスラスラ~っと読める。

 まぁ最初に水嶋ヒロが賞に応募してきた段階の原稿がどうだったのかは知らないが、主に素人が書いた文に関して編集者が読みやすく整理してやるのは製品(=本)になる上では当たり前のこと。相当“赤”は入ったと予想して、その分を差し引いたとしても(安っぽい言い方だが)1イケメン若手俳優が書いたにしては大したものだと思う。

 ストーリー的には一応“命”をテーマにしているが、重苦しいこともないし、説教臭くもないし、だからとって感動することもない。ぶっちゃけ胸を打つ不朽の名作ってわけではないが、個人的な印象としては良くも悪くも2時間くらいの映画やドラマになりそうな感じ。

 読んでいくにつれ、一応自分なりに“オチ”を想像するのだが、とりあえず私の考えていたようなオチではなかった。正直、もうちょっと安易なオチを想像していたので、「へぇ、そうきたか」という感じはする。まぁだからといって驚愕のオチとか、予想を大きく裏切る大どんでん返しというわけでもないので、あまりハードルを上げて読まないほうがいい。

 ただでさえ「原作/水嶋ヒロ」「あのいきなり大賞を取った話題作が、ついに映画化!」とか宣伝すれば、映像化してもそれなりの話題作にはなるだろうが、『KAGEROU』を読んでいて1番気になったのは、主要登場人物の1人にいかにも水嶋ヒロ自身が演じるとしっくり来そうなキャラがいることだ。
 そのキャラを中心に、俳優のとしての自分がどう演じるかを頭の中で考えながら、水嶋ヒロがこの作品を書いたと考えると何かしっくりくる。すでに映像化されたときの画も見えているだろうなぁ~って感じがするので、この小説が映像化するのは当然の流れのように思えるのだ。

 ということはアレか? もしかして原作、脚本、主演、監督までやっちゃうパターンか?
 さ、才能がおありになるんですねぇ。羨ましいっす!

KAGEROU/齋藤智裕

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