日本では今年、
ジム・ジャームッシュ監督映画の
特別上映が夏頃から開催されています。
『ジム・ジャームッシュ
レトロスペクティブ 2021』と題して、
東京都内ミニシアターを皮切りに、
全国各地でも上映され、
今でも公開中の場所もあるようです。
私は学生時代に
「ミステリー・トレイン」は
何度も観ていましたが、
それ以外の作品は
あまりよく知らなかったので、
この流れにまんまと乗っかり、
ここ数か月、毎週末は必ず
彼の作品を最低一作品は
DVDで観るようにしています。
新型コロナ渦中で、
この特別上映がどのくらいの興行で、
どの程度の熱量で開催されているのか、
その経緯や詳細は全く分からないのですが、
彼の映画に対する捉え方や感じ方は
人によって大きく変わるだろうなと
改めて思います。
ジョン・ルーリーやトム・ウェイツ、
イギー・ポップ、ジョー・ストラマ―といった
ミュージシャンも出演していることもあって、
一つのファッションとして触れている層も、
少なからず存在するはずです。
好意的にも否定的にも、
特別何もない、何も起こらない、
というレビューも多いようですが、
それもそれぞれ
どんな人生観や価値観を
持ち合わせているかによって、
受け取り方に違いが
出るのではないでしょうか。
個人的には、
彼の映画には様々なエッセンスが
充分に詰まっていて、見応えがあります。
SFやアクションやミステリーや
恋愛もののような、
ドラマティックな展開は皆無ですが、
日常に近い距離感の中に、
彼の持つ観念や感性が
散りばめられているように感じます。
ジム・ジャームッシュが
関わった作品の中に、
「ポルト」という映画があります。
彼が監督ではないのですが、
エグゼクティブ・プロデューサー
(制作・総指揮)という形で
この映画をサポートしています。
2017年の作品で、私は当時、
新宿シネマカリテで
鑑賞したのを覚えています。
参照 映画「ポルト」オフィシャルサイト
主演は、
公開前に自宅での事故で亡くなった
アントン・イェルチンと
本作初主演のルシー・ルーカス。
タイトルそのままに、
舞台はポルトガル第二の都市、ポルト。
ある男女がポルトで出会い、
一夜を共にする。
その一夜に運命と永遠を感じたまま
過去に囚われた男と、
一夜限りと割り切り
元の生活に針を戻した女の
それぞれの記憶と現在を描いた物語。
個人的には、
このようなストーリーそのものに
何かを揺さぶられることはありません。
ただ単純に、私の場合は、
暗い露出と荒い画像に
映し出されたポルトの街並みを
懐古したくて、
この映画を時々楽しんでいます。
リスボンではなく、ポルトですが、
洗練されていない
古い雰囲気を残しつつも
アヴァンギャルドさも併せ持つ
街の空気が
個人的には気に入っています。
新型コロナは新株が登場し
まだまだ落ち着かない状況で、
せめて映像でポルトガルの雰囲気を
楽しみたいという方は、
鑑賞してみてはいかがでしょうか
(現在何で観られるかは分かりませんが)。
