パーソナルトレーナー/写真作家 古川貴久 【Personal Trainer / Photoartist】 Takahisa Furukawa -111ページ目

パーソナルトレーナー/写真作家 古川貴久 【Personal Trainer / Photoartist】 Takahisa Furukawa

◆ピラティス・マスターストレッチ・ウェイトトレーニング
◆ポルトガル写真、東京浅草写真

サッカー界において、

脳震盪による新ルール導入の動きが

加速化しています。

 

日本サッカー協会(JFA)は先日、

選手が脳震盪を受けた場合の追加交代枠を

国際サッカー評議会(IFAB)と

FIFA(国際サッカー連盟)に申請することを

公式サイトを通じて発表しました。

 

脳震盪による新ルールは

すでにプレミアリーグでスタートされており、

脳震盪もしくは

脳震盪の疑いのある選手が出た場合、

通常の交代枠とは別に最大2人まで

追加交代出来るとし、その場合、

追加交代が認められたチームの対戦相手も

同数の交代枠が追加されるというもの。

このルールは2月に開催される

クラブワールドカップにおいても試行すると

FIFAより発表されています。

 

脳震盪は軽度の頭部外傷によって

受傷直後に一過性で生じる意識消失や

記憶障害のことで、

軽症の場合は短時間で元に戻りますが、

重症の場合は痙攣や血圧の低下、

頻脈などの症状が引き起こされ、

回復までに数時間ないし数日、数か月

かかる場合があります。

 

サッカーと比較して頭部の怪我がつきものの

ラグビーにおいては、

「脳震盪の検査のために

 選手がピッチから離れる場合、

 その間は他の選手が

 交代でプレーすることが出来る。

 治療を受けている選手が

 10分以内に戻ることが出来なければ

 この交代を再び変更することは出来ず、

 治療を受けた選手は試合終了まで

 再びピッチに戻ることは出来ない」

というルールが存在します。

 

これをサッカーのルールに応用し、

導入出来るのか。

IFABにおいて検討を進めてはいるものの、

このイシューに関しては様々な要素、利害が

複雑に絡んでいて、

なかなか着地点が見つからないという。

 

SCAT-5テストという脳震盪の診断の結果が

10分かかるという時間的な問題や、

通常の交代枠を使い切ったチームが

脳震盪を装って4枚目、5枚目のカードを

切る悪用の可能性も十分にあり得る懸念など、

検討材料は多いようですが、

サッカー界全体が選手ファーストの方向で

動き出し、紆余曲折するプロセスそのものが

まずは大切ではないかと思います。

 

随分昔の話になりますが、K-1の試合において、

武蔵選手対曙選手で

レフリーが同じK-1選手の角田信朗さん

(一時引退後、現役復帰されていた)が

務めたカードがありました。

試合中、武蔵選手が押し込まれ

リングに倒れた後、

曙選手が角田レフリーの制止を

振り切りながら頭にパンチを連打し、

武蔵選手が意識もうろうとしてしまった。

総合格闘技ではないので、

もちろん曙選手の

ルール違反行為だったのですが、

武蔵選手側は試合を続行したいという意思を

角田レフリーに主張する。

当時K-1は超人気スポーツで、

武蔵選手としては曙選手なら

KO勝ちが出来ると豪語し、

曙選手はK-1に参戦したばかりで

早く勝利が欲しい。

角田レフリーは、

本来なら試合を止めるべきだが

選手が試合を続けたいと言うなら

続けさせてあげたいというのが本音だ、

というニュアンスのマイクパフォーマンスで

会場のボルテージを上げてしまい、

試合を継続してしまった。

自身も選手であり、

選手側の気持ちを汲んだ角田レフリーの

気持ちも分からなくはないのですが、

本当の意味で選手ファーストを考えた場合、

試合続行の判断は

絶対に下してはいけなかった。

結局、試合は何事もなく過ぎ、

判定で武蔵選手の勝利となりましたが、

何事が起きてからでは当然遅すぎます。

 

日本サッカー界においても、

松本山雅に所属していた松田直樹選手が

練習中に倒れ亡くなるという悲劇があってから

AED(自動体外式除細動器)や

CPR(心肺蘇生法)の普及が広まるという

流れがかつてあったように、

誰かに取り返しのつかないことが

起きてからではなく、

脳震盪においても、

たとえ落としどころの見えない議論になろうとも、

最適解を模索する作業を継続していくことが

必要ではないかと思います。