パーソナルトレーナー/写真作家 古川貴久 【Personal Trainer / Photoartist】 Takahisa Furukawa -101ページ目

パーソナルトレーナー/写真作家 古川貴久 【Personal Trainer / Photoartist】 Takahisa Furukawa

◆ピラティス・マスターストレッチ・ウェイトトレーニング
◆ポルトガル写真、東京浅草写真

日本のソーシャル経済メディアである

NewsPicksの記事の中で、

サッカー元日本代表で

現在ヴィッセル神戸に所属する

酒井高徳選手のインタビューが

掲載されており、拝読しました。

 

参照 「NewsPicks」

 

内容が非常に興味深く、

これは単に日本のサッカーだけでなく、

日本の構造そのものを

象徴しているような内容に感じました。

 

日本は地理的に陸続きの外国がなく、

歴史的に国境をまたいで侵略を受けたり、

自分たちとは違う人種が

押し寄せてきたりした経験を持たない。

それが、自分たちの急速な経済成長や

文化の発展の手助けにもなった。

サッカーにおいても、Jリーグが出来て、

必要な部分に海外から有名な選手や

指導者を招聘し、

世界でも稀に見るほどの

急激なレベルアップを可能にしてきました。

 

ただ、ブンデスリーガで8シーズン闘ってきた

酒井高徳選手にとっては、

日本に戻る前のイメージ、

戻ってきた後の現実は想像していた通りで、

日本のサッカーは世界と比べられない、

そもそも世界に向かっている感覚すらない

という。

 

地理的にも構造的にも、

それに伴うメンタリティーにおいても、

日本ではドメスティックな範囲内で

スキルや精度が磨かれ、

洗練されていく傾向にあります。

悪いことではないのですが、

この洗練に

落とし穴があるのではないでしょうか。

内部で磨かれ、成熟していく洗練は、

時として外部の変化についていけず、

価値観が保守的になり、

気付いた時には

最先端から大きく遅れたところで

常に追従する立場に陥ってしまう。

洗練は、進化とは違います。

進化は外部と関わる中で、

外から自分たちを検証し、

変化に必要な箇所の構造を変えながら

改良していくことではないでしょうか。

 

世界のサッカーは現在、

欧州が進化を牽引しています。

南米も南米で研究、進化をしていますが、

選手も指導者も、代表レベルでは

欧州で仕事をしている人たちが

ほとんどというのが現実です。

日本の選手も以前と比べて

欧州移籍が格段に増えて、

成功出来るか分からない

挑戦色の強い移籍に賛否もありますが、

外部を知るという意味でも、

間違いなく海外でのプレーは

プラスになるはずです。

私事で恐縮ですが、大昔、

私がブラジルにサッカー留学をしていた頃、

日本のアマチュアリーグでは感じ得なかった

球際の激しい削り合いに、

しばらく圧倒されていた時期がありました。

ただ、それにも次第に慣れ、

そういった真剣勝負が逆に楽しくもなった。

日本に戻って再びプレーしてみると、

ちょっとしたコンタクトで痛がったり、

危ないとアピールされ、審判に抗議し、

審判も簡単に笛を吹いてしまう。

アマチュアのレベルでさえ、

こんな体験が出来てしまうのだから、

プロのレベルではもっともっとハイレベルで

その差異を感じることが出来るはずです。

酒井高徳選手は

ヴィッセル神戸に入団して早々、

当時在籍していた

元ドイツ代表のポドルスキーと連日、

練習でバチバチの削り合いを演じていた

と聞きます。

何も相手に怪我をさせて蹴落とそう

としているわけではない。

真剣に競技に取り組むという前提の元に、

激しく相手にぶつかり、削りに行く。

この優先順位が、

頭と身体の両方で理解出来るだろうか。

 

選手の欧州進出が増える一方で、

最も大きな課題は指導者の方かもしれません。

酒井高徳選手は、

日本は国内リーグで勝つことが

最優先されることを

インタビューの中で問題視していました。

そこで勝つことが出来ても、

アジアCLやワールドカップのような

世界大会で戦えばどうなるのか。

ただ、これは選手だけでなく、

指導者のヴィジョン、

さらにはフロントの理解も

大きく関わってくるかもしれません。

指導者に関しては、

現在の日本のコーチライセンスは

あくまでドメスティックなもので、

海外資格との互換性がない。

直接、欧州に挑戦する指導者が増えるか、

もしくは国内ライセンスの構造そのものが

グローバルスタンダードに変化しなければ、

国内志向の潮流は

半永久的に継続していくことになりかねません。

つまり洗練はされるが、進化は難しい。

内部でのみ磨かれた洗練は、

外部の最先端を行く相手との戦いにおいては、

ほとんど役に立たないのではないでしょうか。