現在の高校(公立・私立)の入試制度について少し記しておきます。
いわゆる学力試験を受ける形を一般入試と言います。
それに対して、一般入試の前にその学校を第一希望とする生徒対象に、
書類(成績、学校活動等)と面接だけ、または面接と作文、
もしくは簡単な筆記試験と面接で合格者を決定する形を推薦入試と言います。
(単願入試と呼ぶ場合もあります。)
また私立高校では一般入試において、
公立高校不合格の場合にその私立に進学するという約束で受験する形を
併願入試と言い、その場合の合格点は一般入試よりも低く設定されるのが普通です。
ほとんどの学校がこれら3つの形態により、合格者を選抜しています。
いずれにしても、生徒が希望する高校に進学出来ればいいのですが、
生徒の中には筆記試験をせずに入試が終われば良いと考える者もいます。
そういう生徒の中にもう一つの推薦入試、
いわゆるスポーツ推薦で進学を考える生徒もいます。
しかし、これだけは僕は勧めていません。
これまでも、おそらくこれからもそうすると思います。
今回、問題になっている日大アメフト部の問題は、
高校とは違いますが、おそらくスポーツ推薦の問題も絡んでいるはずです。
部員の中には、スポーツ推薦枠で日大に進学した学生もいて、
それらの学生たちは、卒業までその部に所属しなければならないという制約があり、
そのため、ああいった行為もせざるを得ない状況に陥っていると推測されます。
高校生はもちろん、大学生であっても成長段階の途上にあるのだから、
その競技を続けることが様々な理由から困難になることもあるでしょうし、
不運な怪我等によって継続出来なくなる場合もあると思います。
そうした場合に、学校に残ることは難しくなってしまうと考えられます。
また有力な体育会系の人脈による就職斡旋の問題も有るかも知れません。
今回の日大の問題は、内田前監督がこうした絶大な権力を学内に持っていたことに、
原因の一端と言うか、大きな原因があると思います。
スポーツ推薦枠で入学した学生は自分の意志に関わらず、
例えば今回のようなことに従わざるを得ない状況に陥りやすく、
そういう立場になってしまった場合、全く責任がないとは言えない事態も想定され、
現状のままでは、これからもこのような問題は続くことになるでしょう。
国立大学でも推薦入試が始まっています。
こうしたことにならないよう、公平公正で、
本当に学生、生徒の将来を考えた入試制度が確立されることを願います。