驚きの霧島から、薩摩へ渡って、木下大サーカスを観賞したの巻き(^0^)中巻
前回までのあらすじ(^O^)/
肥後を脱藩した髭の貴婦人一家が
霧島の神宮で賽銭箱に5円玉を3枚放り込み
不届きにも7つも祈願をしたという貪欲なお話しでした
「お前さん、陽も暮れて来たし宿に入りましょう」
宿=ごはん=温泉
これしか頭に無い私の提案に亭主は黙って頷いた
そんな髭の貴婦人家一行のもとへ
一人の男が亭主に話しかけてきたのです
何故もこんなに亭主は恐縮しているのでしょう?
もしや絡まれている?!
不埒な越後屋め
この電波伝書鳩がある限り
すぐにでも十手持ちが駆けつけ
一網打尽でお縄頂戴よ
好戦的に身構えていると
越後屋は馬に乗り込み
亭主は黙ってその馬の後を追い始めた
もしや越後屋は宿屋の丁稚さんかえっ?
亭主に尋ねると「そんなもんだね」
とよそよそしく答える
しばらくすると馬が止まり
私達も馬から降りて
手荷物を運びながら建物に入った
記帳する人影がみえない
越後屋からミラクルチェンジした
宿屋の丁稚さんの案内で奥の間へ足を進める
20畳ほどの部屋に露天の温泉まで付いている
あなたぁ~
サプライズだったのね
宿の予約を珍しく引き受けたのは
こんな素敵なサプライズを用意してくれていたのね
私は翌日の終業式をキャンセルさせた
跡取り息子を出し抜き
一目散に温泉に飛び込みました
命の洗濯とはよく言ったもので
初めての霧島温泉を堪能

私の後に息子も入り終えたので
ご飯を食べにいこうよと亭主に促すと
「もう少し待ってね」
と亭主が部屋を出て行きました
戻ってきた亭主の横には
先程の宿の丁稚さんがいて
食事の部屋へ案内して下さったのですわ
部屋へ行くと
囲炉裏の周りを10名ほどの宿泊客が囲んでいて
横にはウェディングケーキのような
大きさのケーキが置かれていた
亭主が宿泊客に向かって頭を下げ
「お招き有難う御座います」
と挨拶した
亭主たらバカじゃない!
「こんばんは」で良いものを!
あきれ果てた瞬間に
「髭の貴婦人一家いらっしゃい~!」
宿泊客が一同に声を掛けてきたのです
呆気に取られながら
返礼するとシャンパンの乾杯が始まりました
「なんの演出よ~!」
横にいる亭主に小声で確認していると
にこやかに男性が近づいてきたのですわ
「Kちゃん、ようこそいらっしゃい」
・・・Kちゃん???
・・・Kちゃん?
亭主が直立不動で挨拶をした
えっ?
えっ?
え~!!
おじさま???
おじさま~Σ(゚д゚;)
私はパニックになったのですわ
ここ?おじさま?ここ∑ヾ( ̄0 ̄;ノ
にこやかな笑みの白いおじさんは
ただ笑って居られた
「K、ここは先生のセカンドハウスで
ご招待を受けたんだよ」
え~!!!
・・・この宿泊客は?
「会社の上層部の方々だ」
え~!!!
悲鳴にも似た声を上げた私が
冷静さを取り戻すにはかなりの時間が必要でした
亭主め!
事前に聞いていたら心構えもあったのに
すっぴんで白いおじさまに対面しちゃったじゃない(iДi)
こんな女に誰がした!